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バックアップ回線が(たまに)役立つ、「Xperia 1 II」のデュアルSIM

【Xperia 1 II】

 ドコモ版からSIMフリー版に機種変更したのは、前回の原稿でお知らせしたとおり。同じ「Xperia 1 II」だが、ベースのスペックには差分も多い。ストレージ(ROM)やメモリ(RAM)の違いも大きいが、SIMフリーならではなのがデュアルSIMへの対応だ。デュアルSIM対応の端末はほかにも所有しているが、メインで使うAndroidのハイエンドモデルという意味では初めての体験。microSDカードと排他仕様のため、どちらを入れるかは迷ったところだが、せっかくなので余っていたワイモバイルのSIMカードを挿してみることにした。

microSDカードとは排他仕様だが、せっかくなのでデュアルSIMで活用している

 コロナ禍がなければ、この機能はもっと有効活用できていた。2019年のペースであれば、月に1回程度は海外取材が入っていたからだ。たらればの話になってしまうが、仮にCESが例年通り開催されていれば、メイン回線にしているNTTドコモのSIMカードでローミングしつつ、データ通信用にはAT&TやT-MobileあたりのSIMカードを挿していたはずだ。2月のMWC Shaghaiも、現地参加できる可能性はかなり低くなっているため、出番が減ってしまうのは残念でならない。

 ただ、国内でも2つのSIMカードを使い分ける意味がないわけではない。2回線目にドコモ系MVNOのSIMカードを入れてデータ通信を節約する手もあったが、今回はワイモバイルにして、ネットワークを分けることにした。こうすることで、万が一ドコモ回線が使えない場合のバックアップになるからだ。国内では、大手3キャリアならほぼほぼどこでも使えるものの、ドコモとはいえ、ピンポイントで使えない場所もある。

 筆者の行動範囲の中でも、かろうじて電波はつかむが、かなり通信が遅くなる場所が2、3カ所ある。ほとんどが室内で、地下のお店だったり、競合他社の建物内(笑)だったりするわけだが、人口カバー率が99%を超えても完ぺきではない。こうした場所は、人口カバー率に表れないエリアだからだ。そのうちの1カ所は飲食店で、通信がきちんと通らないと“何とかPay”が使えなくなってしまう。そんなときのバックアップとして、ソフトバンク回線のワイモバイルが役立つというわけだ。

ご覧のように、筆者の行動範囲ではおおむねドコモの方が電波状況はいいが、ごく一部の場所で、これが逆転することがある

 2、3カ所であればそこまで気にする必要はないのかもしれないが、デュアルSIM対応端末であれば、万全を期しておくことができる。Xperia 1 IIは、両スロットとも5Gに対応しているため、5Gエリアでスピードが速い方に切り替えるといった使い方をしてもいいだろう。現時点では、2スロット目に入れているワイモバイルのSIMカードは4Gオンリーだが、料金プランの改定に合わせ、2月には5Gに対応する予定。5分間の音声通話定額もほとんど使っていないため、シンプルSにすれば値下げにもなる。

 少々面倒なのが、データ通信するSIMカードの切り替え。Xperia 1 IIの場合、「設定」を開いて「ネットワークとインターネット」をタップし、「詳細設定」でメニューを展開したあと、「SIMカード」をタップし、さらに「モバイルデータ通信」からデータ通信に使うSIMカードを選択する必要がある。設定を呼び出すために通知のドロワーを開いてワンタップ、その後、5タップしなければSIMカードの切り替えができない。

この画面を呼び出すまでの手数が多く、少々面倒

 そこまで頻繁に切り替えるわけではないが、元に戻すところまでで10タップしなければならないため、ショートカットを作ってこの手順を省略することにした。Google Playで「Shortcut Maker」というアプリをダウンロードして、「SIMカード」の画面を直接開くためのアイコンを作成。これでも、計3タップは必要になるが、手順として簡略化された格好だ。通知のドロワーにボタンがあればワンタップで切り替えられるが、そのような機能はないため、このショートカットを代替案にした。

Shortcut Makerというアプリで、ショートカットをホーム画面に作り、上記の画面をワンタッチで呼び出せるようにした

 バックアップ回線としてはそれなりに使えているデュアルSIMだが、やはり海外渡航時の圧倒的な利便性の高さと、コストの安さを考えると、やや弱い印象もある。ドコモ回線のプランを変更しつつ、2回線目に楽天モバイルをセットすればコストは下げられるものの、エリアの広さを考えると躊躇するところ。本当に開催されるのかどうかがまだ不透明な気はしているが、7月に延期されたMWC Barcelonaで活躍することを期待したい(が、それまでこのXperia 1 IIを使い続けているのかは、また別のお話)。