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「Xperia Transfer 2」で“Xperia 1 II”のデータを「Xperia 1 II」に移行

【Xperia 1 II】

 銀座をブラブラしている最中に気を失ってしまったのか、いつの間にか「SONY」のロゴが入った紙袋を手にしていた。

 中に入っていたのは、SIMフリーの「Xperia 1 II」だ。Xperia 1 IIからXperia 1 IIへの機種変更である。気を失ってのくだりは冗談だが、店頭在庫があったため、深く考えずに即決してしまった。デュアルSIMだったり、ROM/RAMが強化されていたりとドコモ版にはないメリットもあるため、これはこれでアリな選択だったと思っている(金額を忘れれば)。

いつの間にか入手していたSIMフリーのXperia 1 II。当然ながら、機種変したことに誰も気づいてくれない(笑)

 それはさておき、データの移行だ。ホーム画面のアプリの並びや、計算機の計算過程まで、まるっとiCloudで復元してくれるiPhoneとは異なり、Androidは機種変更が少々面倒。アプリのインストールまではGoogleアカウントを入れるだけでやってくれるが、その他のデータはバックアップを取りつつ、手動で移行しなければならない。Xperia向けに、その移行作業をある程度手助けしてくれるのが、今回紹介する「Xperia Transfer 2」だ。

SIMフリー版には、Xperia Transfer 2がプリインストールされていた。Xperia同士ということもあり、これを使ってデータを移行してみた

 受信側(変更後の機種)で対応しているのは、「II」世代のXperia。「Xperia 10 II」や「Xperia 5 II」も対応しているようだ。SIMフリーのXperia 1 IIは、このアプリがプリインストールされていたため、試しにXperia 1 II(ドコモ版)からデータを移行してみた。なお、同じXperia 1 IIでも、ドコモ版にはXperia Transfer 2はプリインストールされておらず、アプリはGoogle Playからダウンロードする必要があった。送信側に関しては端末の縛りが緩く、iOS 9移行のiPhoneやAndroid 6.0以降のAndroidが対応しているようだ。

 今回は、Xperia 1 IIからXperia 1 IIへの機種変更なので、この条件はしっかり満たしていることになる。新旧両方の端末でアプリを起動すると、相手側の端末と、どの経路でデータを移すかの選択肢が表示される。Androidはケーブル接続かワイヤレス、iPhoneはケーブルかiCloudを選択できた。ケーブルをつなぐのは何となく手間だったため、ここではワイヤレスを選択した。これを選ぶと、端末同士がWi-Fiでつながり、データをコピーできる。

新旧両方のXperia 1 IIで、送信側(機種変前の端末)と受信側(機種変後の端末)を選択。こちらは、機種変前のXperia 1 IIにインストールしたもの

 移行できるデータは、メッセージ(SMSなど)や通話履歴、音楽、動画、画像など。端末の設定項目やWi-Fiネットワークの情報もコピーできる。とは言え、メッセージや通話履歴などは、Googleアカウントでも移行可能。Wi-Fiネットワークなどの設定も、Google経由で新端末に移せる。Xperia Transfer 2だけで移行できるデータは、そこまで多くないように見えた。

 とは言え、旧Xperia 1 IIのストレージには、秒間20枚連写で撮った写真や4K動画がそれなりに保存されている。ドコモ版を使っていた期間は5カ月強だが、Photography Proでの連写はわずか1秒で20枚撮れてしまうだけに、データ数は少なくない。もちろん、Googleフォトには元の画質のまま、写真と動画はすべてバックアップしているが、無制限サービスがビシバシ打ち切られている昨今の事情を考えると、残せるデータは手元に残しておいた方がいいと考えた。

移せるデータはご覧のとおり。Googleアカウント経由で移行できない、本体内部の写真や動画なども移行できる

 また、Xperia 1 IIは取材時のボイスレコーダーとしても使っているため、そのデータも端末本体に蓄積されている。こちらも、写真や動画と同様、録音終了後、すぐにGoogleドライブにアップロードされるように設定しているが、とりえあえず手元にあれば、通信環境がない場所でも聞き直すことができる。こうしたGoogleアカウント経由で直接移行できないデータや端末設定を、Xperia Transfer 2でコピーすることにした。

 確かに、写真や動画、音声(音楽)データのコピーは簡単だったが、設定の移行に関しては、反映されているものとされていないものがあった。画面の明るさや通知エリアにあるボタンは前の端末と同じになった一方で、ナビゲーションキーとゼスチャーの設定や、ロック画面に表示される時計などは、手動で変更する必要があった。どの設定が移行され、どの設定がデフォルトのままなのかが非常に分かりづらいのは難点だ。

一部の設定は、デフォルトのままだった。どの項目が対象になるのかは、もう少し分かりやすくしてほしい

 また、Android特有の事情として、ホーム画面に並べたアイコンが移行できないという問題もある。Xperia Transfer 2でも、これは解決せず、2台の端末を見比べながら、手動でアプリの並びをそろえていった。筆者の場合、何とかPayアプリやGoogleアプリ、ドコモアプリなどはフォルダを作り、その中にゴソっと格納しているため、ホーム画面の数以上に移行の手間がかかった。

 Android特有と書いたものの、例えばサムスン電子やファーウェイの端末では、クラウドサービスやアプリ経由で、ホーム画面のレイアウトを丸ごと移行できる。もちろん、端末によって画面サイズや解像度がまったく違うため、制約はあるものの、バックアップから一気に復元できて、操作の手間を大きく減らせる。機種変更のときはもちろん、故障などで端末を修理に出した際にも活躍する。Xperia Transfer 2にも、ぜひこのような機能はつけてほしい。移行が楽なのは、同じメーカーの端末を選び続ける理由にもなるはずだ。