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電動キックスクーターをレンタルして乗ってみた

電動キックスクーターでオーストリアの街を駆け抜ける

 長い欧州取材の合間、オーストリアの首都でよく見かけたのが電動キックスクーター。いわゆるキックボードが電動になっているやつだ。取材で四六時中歩き回っていた筆者の目には、秋が深まるウィーンの街を、ウィーンと走り抜ける姿は大変気持ち良さそうに見えた。断じて、ウィーンをウィーンと走る、というネタのためだけに乗りたかったわけではない。

こちらはLimeの電動キックスクーター「Lime-S」

 調べてみると、どうやらレンタルサービスとして提供されていて、誰でも借りて乗れるらしい。日本のシェアサイクルみたいなものだ。街で見かけるのは「Lime」と「Bird」という2種類の車両。どちらも米国を中心に展開していて、オーストリア国内では今のところウィーンのみで利用できる。

同じく電動キックスクーターの「Bird」
後輪にディスクブレーキがあり、前輪にモーターが内蔵されているようだ

 利用方法もだいたい同じ。Android/iOSアプリをダウンロードして、メールアドレスか電話番号でユーザー登録したのち、支払いに使うクレジットカードを登録する。アプリ上のマップで近くにある車両を見つけ、車両に貼り付けられているQRコードを撮影して解錠すれば乗り始められる。

 時間と場所の都合もあって、乗ることができたのはBirdだけ。地図に表示されている位置と車両の実際の位置はややずれていることもあるので少し戸惑う。が、近づいて地図上のアイコンをタップすれば車両から音が鳴るので、複数台まとまって近くにあるときでも区別しやすい。

Birdのアプリ
クレジットカードを登録しておく
地図上で車両の位置をチェック。アイコンをタップするとバッテリー残量などがわかる
車両のQRコードを撮影

 解錠してスタンドを上げ、片足をボードに乗せたまま、もう一方の足で1~3回ほど地面を蹴って勢いをつけ、ハンドルのアクセルレバーを押し下げればウィーンと加速する。ブレーキをかけるときはハンドル左のレバーを握る。低速でもコントロールしやすく、アクセルレバー全開にしたときは少なくとも時速20km以上は出ていそうだ。

車両をアンロックすれば乗り始められる

 自転車専用レーンを走行するのが基本。スピードがあるうえに、自転車のようにこぐ必要がないので、楽ちんで爽快感も抜群。ただし、路面はきれいに整備されているとはいえ車輪が小径なので少しのギャップも敏感に拾う。ヨーロッパで時々見かける石畳の道をスムーズに走るのは厳しそうだ。

 乗り終えるときは交通の邪魔にならない場所に置いてアプリからロックし、レンタルを終了させる。Birdの場合は乗り出しに1ユーロ、1分後から1分あたり0.15ユーロかかる。6分22秒借りた今回の料金は1.90ユーロとなった。日本円にすると約245円なので、30分150円くらいの日本のシェアサイクルよりはかなり割高だ。

乗り終わったら再びロック
6分余り利用して1.90ユーロだった

 単純に移動用途で使うなら、あらかじめ決めた目的地まで最短、最速で移動してすぐに乗り捨てるのが良い。だらだら借りてしまうと料金がかさんでしまいそうだ。でも、電動キックスクーターに乗ること自体をアトラクションとして捉えれば、この料金にもそこそこ納得できるかもしれない。街を走り抜ける感覚は自転車以上に気持ちがいいし、街中の至るところで簡単に借りられるので、みなさんもオーストリアを観光する機会があるときはぜひ1度試してみてほしい。

充電器を注文して電動キックスクーターの充電すると報酬が得られる

 ちなみにこの電動キックスクーター、当然ながらバッテリーで動かしている。なのでバッテリーが切れたら充電が必要になるわけだが、ここで注目すべき点が、業者ではない一般人が充電する仕組みになっていること。バッテリーが減っている車両を見つけたら夜間に自宅へ持ち運んで充電し、朝までに所定の場所に配置する、という作業を一般人に委託している。

 1台充電するといくらもらえるのか、というのは運営会社と契約(充電器を注文)してみないとわからないようだ。とはいえ、Limeの場合は1日最大100ユーロ稼げる、とうたっているので、もしそれが本当ならちょっとした副業にぴったりだし、これだけで生活していくこともできるかもしれない。日本のシェアサイクルでも同じような仕組みができると面白そうだなあ、と思ったのだった。