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キャリアショップ数は半年前から48店減の全国7978店舗、楽天モバイルは店舗網拡大続けるも他社の店舗削減が影響

 MCAは、今年8月から10月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2022秋」として取りまとめた。同資料をもとに、国内におけるキャリアショップの最新動向を探ってみたい。

キャリアショップ数は半年前から48店減の全国7978店舗

 2022年8月下旬時点の、4キャリア(ワイモバイル、UQ mobileを含む6ブランド)が展開するキャリアショップは、全国に7978店舗存在することが調査から判明した。半年前(2022年2月)の8026店から48店減少した。楽天モバイルは店舗網拡大を続けたものの、他ブランドの減少ペースはそれ以上となり、全体としては減少に転じた。

 このうち、新規参入の楽天モバイルを除く3社のメインブランドだけでみると、半年前の6719店から31店減少して6688店舗となった。この半年で減少幅が最も大きかったのはNTTドコモで、19店減だった。

 なお、弊社の調査では基本的に、店舗名にキャリア(ブランド)の名前を冠し、販売からサポートまでフルスペックで行う店舗を「キャリアショップ」と位置づけ、店舗数の集計を行った。そのため、量販店内に設置されているコーナーや併売店などの販売窓口は「取扱店」と捉え、キャリアショップ数に含めていない。

ソフトバンクとKDDIは「ダブルブランド店」化でサブブランドの販売網を維持

 ソフトバンクとKDDIは、メインブランド店舗でサブブランドも併売する「ダブルブランド店」化を推し進めている。

 ソフトバンクは、これまで沖縄県においてダブルブランド店の展開を控えてきた。沖縄ではワイモバイルの運営を別会社のウィルコム沖縄が担っていたことが背景にあるとみられるが、今年4月1日に同社を吸収合併したことで状況が一変。この半年で沖縄県内にあるソフトバンクショップの7割超を一気にダブルブランド店化した。

 KDDIは、昨年夏にauショップのほぼ全店舗でUQ mobileの取り扱いを開始したが、その一方で単独店のUQスポットも拡大させる方針を続けてきた。しかし、今回の調査では半年前と比べて7店舗の減少に転じ、転換点を迎えた。

店舗網拡大を続ける楽天モバイル、単独店を半年で31店増やす

 楽天モバイルは、この半年で単独店を31店増やすだけでなく、郵便局内への出店や量販店等カウンターを活用し、店舗網整備を加速させている。申し込み等カウンターを郵便局内のイベントスペースに設置する「楽天モバイル 郵便局店」は、半年で70店増を記録した。

 さらに新たな取り組みも行われている。今年7月には、商業施設などに設置するブース型の無人店舗「リモート契約ショップ」の導入を開始した。ブース内で、オンラインで相談や申込ができるもので、調査時点では2店舗設置されている。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/