DATAで見るケータイ業界

キャリアショップ数は半年前から220店減少し全国7574店舗に

 MCAは、今年8月から10月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2023秋」として取りまとめた。同資料をもとに、国内におけるキャリアショップの最新動向を探ってみたい。

キャリアショップ数は半年前から220店減少し全国7574店舗に

 2023年8月時点における、4キャリア(ワイモバイル、UQ mobileを含む6ブランド)が展開するキャリアショップは、全国に7574店舗存在することが調査から判明した。

 半年前から220点店の減少となった。比較可能な2020年以降で、半年間に200店を超える減少幅を記録したのは初めてのこと。

 調査時期にあたる8月下旬、携帯代理店のアミックテレコムが自己破産を申請し、多くのキャリアショップが突如閉店している。

 現在は別の代理店に引き継がれ運営再開したところも多いが、データは調査時点での状況を反映しており、この件も大幅減の一因と考えられる。

続くドコモショップの大量閉店、この半年で85店の減少を記録

 6ブランドで最も減少幅が大きかったのはNTTドコモで、半年前と比べ85店減となった。

 22年度から25年度までの3年間で、ドコモショップ約700店を閉店させる方針が伝えられているが、弊社の調査では22年2月からの1年半で185店減を記録している。

 この結果、NTTドコモとauの店舗数の差は35店舗まで縮まった。NTTドコモがこのままのペースで大量閉店を継続すると、今年度中にはauショップの店舗数を下回る可能性が出てきた。

多様なタッチポイントを構築するサブブランドと楽天モバイルも、店舗網は縮小傾向に

 サブブランドであるワイモバイルおよびUQ mobileは、単体でのキャリアショップ数(単独店)は圧縮しつつも、複数ブランドを併売する「ダブルブランド店」を広げることで、全国的な店舗網を維持してきた。

 しかし、ダブルブランド店の基盤となる「ソフトバンクショップ」や「auショップ」自体の減少が響き、直近で店舗網は縮小している。単独店とダブルブランド店の合計は、ワイモバイルが2494店舗(1年前と比べ55店減)、UQ mobileが2310店舗(同97店減)となった。

 楽天モバイルも、単独店は22年8月の380店をピークに減少に転じている。今回の調査でも、半年前と比べて18店の減少となった。

 また、申し込み等カウンターを郵便局内のイベントスペースに設置する「郵便局内店舗」は一時300店舗に迫る勢いで拡張してきたが、この半年で116店減少して91店と、2桁台まで落ち込んだ。量販店等も含めた全体の数値は、1047店舗(1年前と比べ198店減)となった。

 なお、弊社の調査では、店舗名にキャリア(ブランド)の名前を冠し、販売からサポートまでフルスペックで行う店舗を「キャリアショップ」と位置づけ、店舗数の集計を行った。

 そのため、量販店内に設置されているコーナーや併売店などの販売窓口は取扱店と捉え、キャリアショップ数には含めていない。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/