DATAで見るケータイ業界

国内キャリア投資は2021年度に2.8兆円へ拡大、国内キャリアの機器投資は約4100億円

 MCAは、国内主要キャリア各社の設備投資に関する調査を実施し、その結果を調査レポート「主要キャリアのネットワーク投資戦略と通信インフラ市場 2022年版」に取りまとめた。そこで同レポートから、主要キャリアの設備投資やキャリア向けネットワーク機器市場の状況を取り上げたい。

楽天モバイルの投資拡大が国内キャリア投資額を底上げ

 2021年度の国内市場におけるキャリアグループの合計設備投資額は前年度比6.9%増となる2兆8024億円となった。

 NTTとSBグループが微減、KDDIグループは増加、楽天モバイル(RM)グループが大幅増とRMグループの投資拡大が大きく影響している。

 SBとRMグループが2023年度以降の投資抑制を発表しており、今後、国内キャリア投資推移は2022年度を境に落ち着くものとみられる。それに伴い、2025年度は国内キャリアグループの合計投資額は2兆4208億円と予測した。

移動系キャリアが牽引する国内ネットワーク機器投資

 国内キャリアにおける2021年度のネットワーク機器投資は4124億円と推定した。

 KDDIが819億円、楽天モバイルは780億円、ソフトバンクが680億円、NTTドコモは660億円と携帯電話事業を行う4社が全体の71.2%となる2939億円を投下し、移動系キャリアが国内ネットワーク機器投資を牽引している点に変化はない。

 また、NTTグループにおけるネットワーク機器投資は全体の38.1%となる1570億円を占めたものの、前年度から5ポイントの減少になっている。

前年度比10%増となった2021年度のネットワーク機器投資額

 2021年度のキャリア向け国内ネットワーク機器市場は4125億円になった。

 主な内訳として、伝送装置が1400億円、携帯電話基地局は1309億円、ルータが675億円、スイッチは520億円、PON/MCが220億円である。基地局の大幅拡大以外、各機器は微減、微増の結果になったが、伝送装置の高水準な推移は続いている。

 今後、国内キャリア向けネットワーク機器市場自体は5G向け投資の影響から2023年度まで4000億円規模で推移し、5G向け投資の落ち着く2024年度以降は3800億円規模に縮小するものと予測した。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/