山根康宏の「言っチャイナよ」

ファーウェイからフラッグシップモデルや薄型Airなど7機種が登場

世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。

 2025年11月に発表・発売された5Gスマートフォンは14機種。内訳はファーウェイが7機種、OPPOが2機種、HONORが2機種、vivoが2機種、その他が1機種。なお、10月末発売の2モデルを含む。

 ファーウェイが1年ぶりにフラッグシップモデル「Mate」シリーズを一新、さらに薄型Airモデルも投入するなど7機種を一気に発表。OPPOとHONORはミドルハイレンジの中核モデルを半年ぶりに入れ替えた。また久しぶりにWikoブランドの5Gスマートフォンも登場した。

Wikoブランドスマホが3年ぶり復活、「X70」発表

 中国では2022年12月にWikoブランドのスマートフォン「Wiko 5G」が発売されたが、その後はファーウェイのサブブランド製品が何モデルか販売されてきた。「X70」はWikoブランドとして約3年ぶりに登場するモデルだ。デザインはファーウェイ製品をどことなくイメージさせる。OSも引き続きHarmonyOS Connectを搭載し、ファーウェイ製品との連携も可能だ。

Wiko X70
発表日2025年10月31日
価格1599元(約3万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 778G
ディスプレイ6.7インチ 2412 x 1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー6100mAh、40W充電
5G NR対応バンド非公開
大きさ161.39 x 74.81 x 7.59mm
重さ182g

ゲーミング用途を強化したvivoのハイエンドモデル「iQOO Neo11」

 高解像度・高リフレッシュレートディスプレイを搭載しゲーム向けモデルとして価格性能バランスの良いモデルとして登場したvivoの「iQOO Neo11」はバイパス充電も可能な7500mAhの大容量バッテリーを搭載。8000平方mmのべイパーチャンバー内蔵で放熱効果も高めた。スマートフォン画面をPCや大型TVにミラーリングする機能も搭載し大画面でのゲームプレイを可能にした。

vivo iQOO Neo11
発表日2025年10月31日
価格2699元(約6万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Elite
ディスプレイ6.82インチ 3168 x 1440ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー7500mAh、100W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n18 / n26 / n28A / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78
大きさ163.37 x 76.71 x 8.05mm、8.13mm(青)
重さ210g(黒)、215g(白、橙)、216g(青)

ファーウェイの薄型スマホは大画面化で差別化、「Mate 70 Air」登場

 アップルの「iPhone Air」に代表される超薄型モデルが2025年はトレンドとなったが、ファーウェイの「Mate 70 Air」は厚さこそ6.6mmとそれほど薄くはない。一方で7インチの大型ディスプレイを搭載することで「大画面薄型モデル」という新しいカテゴリの製品として登場した。バッテリーは6500mAhと余裕の容量で日々の利用にも安心感を与える。カメラ性能も悪くなく、他社のAirとは一線を画する製品だ。

HUAWEI Mate 70 Air
発表日2025年11月6日
価格4199元(約9万3000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9020B
ディスプレイ7.0インチ 2760 x 1320ピクセル、120Hz、4000nits
リアカメラ画素数5000万広角+800万超広角+1200万3倍望遠
インカメラ画素数1070万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー6500mAh、66W充電
5G NR対応バンド非公開
大きさ165.0 x 81.5 x 6.6mm
重さ208g

ミドルレンジ機も2億画素カメラを搭載、vivo「Y500 Pro」

 vivoのミドルレンジラインの上位モデル「Y500 Pro」はシングルカメラながら2億画素のセンサーを搭載し、広角ながらもクロップで数倍程度の望遠も十分な画質で撮影が可能なモデルだ。バッテリーは次世代の半固体タイプを採用している。

vivo Y500 Pro
発表日2025年11月10日
価格1799元(約4万円)から
チップセットMediaTek Dimensity 7400
ディスプレイ6.67インチ 2800 x 1260ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数2億広角+200万深度測定
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー7000mAh、90W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n48 / n77 / n78
大きさ160.23 x 74.51 x 7.81mm
重さ198.6g

女性を意識したミドルハイレンジ小型モデル、OPPO「Reno15」

 ミドルハイレンジのOPPO中核モデルとなる「Reno15」シリーズは、女性をターゲットにしたボディーデザインで登場。カメラバンプ部分には上位モデル「Reno15 Pro」と共に筆記体でRenoの文字を入れている。またReno15は小型、Reno15 Proは大型(標準サイズ)と本体の大きさを変えたものの、基本スペックを合わせている。

OPPO Reno15
発表日2025年11月17日
価格2999元(約6万7000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 8450
ディスプレイ6.32インチ 2640 x 1216ピクセル、120Hz、3600nits
リアカメラ画素数2億広角+5000万超広角+5000万3.5倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー6200mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n18 / n26 / n28A / n34 / n38 / n39 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78
大きさ151.21 x 72.42 x 7.996mm、8.13mm(青)
重さ187g、188g(青)

2億画素カメラの女性向けモデル、OPPO「Reno15 Pro」

 OPPO「Reno15」の本体サイズを大型化したモデルであり、スペックはほぼ同一。Renoシリーズもついに広角カメラに2億画素を搭載した。なお5G NRの対応バンドを増やすなど、より広い国で販売することを視野に入れているようだ。

OPPO Reno15 Pro
発表日2025年11月17日
価格3699元(約8万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 8450
ディスプレイ6.78インチ 2772 x 1272ピクセル、120Hz、3600nits
リアカメラ画素数2億広角+5000万超広角+5000万3.5倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー6500mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n2 / n3 / n5 / n8 / n18 / n26 / n28A / n34 / n38 / n39 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79
大きさ161.26 x 76.46 x 7.65mm、7.75mm(白)
重さ205g

低価格な衛星通信対応モデル、ファーウェイ「Enjoy 70X Premium Edition」

 Kirin 8000シリーズ搭載で価格を抑えた5Gモデルがファーウェイの「Enjoy 70X Premium Edition(暢享 70X 尊享版)」。カメラ性能を抑えながらも北斗衛星通信に対応し山間部などで緊急メッセージ送信が可能。ディスプレイは最近ではめずらしい角を落としたエッジデザインで持ちやすさも考慮している。

HUAWEI Enjoy 70X Premium Edition
発表日2025年11月21日
価格1999元(約4万5000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 8000
ディスプレイ6.78インチ 2700 x 1224ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+200万マクロ
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成不明+256GB、不明+512GB
バッテリー6100mAh、40W充電
5G NR対応バンド非公開
大きさ164.0 x 74.88 x 7.98mm
重さ189g

8000mAhバッテリー搭載のミドルハイレンジモデル、「HONOR 500」

 円を横に並べたカメラバンプデザインを特徴とするHONORの「HONOR 500」は8000mAhバッテリーを搭載。同社のミドルハイレンジではこの容量ももはや標準化している。ライバルとなるOPPOの「Reno15」シリーズ同様に広角カメラは2億画素を搭載。ディスプレイ最大輝度は6000nitsとし屋外で使いやすい仕上げとしている。

HONOR 500
発表日2025年11月24日
価格2699元(約6万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8s Gen 4
ディスプレイ6.55インチ 2736 x 1264ピクセル、120Hz、6000nits
リアカメラ画素数2億広角+1200万超広角
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB
バッテリー8000mAh、80W充電
5G NR対応バンド非公開
大きさ155.8 x 74.2 x 7.75mm
重さ198g

バランスの取れたハイエンド、「HONOR 500 Pro」

 「HONOR 500」の上位モデルとなる「HONOR 500 Pro」は一世代前のハイエンドチップセットを搭載し、2億画素を含むトリプルカメラや8000mAhバッテリーを内蔵。性能だけではなくデザイン性を高めた本体デザインとしている。

HONOR 500 Pro
発表日2025年11月24日
価格5699元(約8万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Elite
ディスプレイ6.55インチ 2736 x 1264ピクセル、120Hz、6000nits
リアカメラ画素数2億広角+1200万超広角+5000万3倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー8000mAh、80W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ155.8 x 74.2 x 7.75mm
重さ201g

ファーウェイの秋冬フラッグシップモデル、「Mate 80」

 ファーウェイのフラッグシップライン「Mate」シリーズがフルモデルチェンジして4機種が登場。「Mate 80」はベーシックモデルでチップセットは前世代のものを搭載、カメラ性能も広角・超広角のみを高画質とするなど価格を抑えた。ボディーデザインはMate 80シリーズ共通の「インフィニティリングデザイン」で、カメラバンプと同じ円形模様を並べている。

HUAWEI Mate 80
発表日2025年11月25日
価格4699元(約10万5000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9020
ディスプレイ6.75インチ 2832 x 1280ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+4000万超広角+1200万5.5倍望遠
インカメラ画素数1300万+TOF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB
バッテリー5750mAh、66W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ161.85 x 76.0 x 7.95mm
重さ217g

最新チップセット搭載の標準モデル、ファーウェイ「Mate 80 Pro」

 ファーウェイ「Mate 80」の性能を高めたモデルが「Mate 80 Pro」だ。チップセットは最新のKirin 9030を搭載。カメラ性能も高めている。本体サイズは同等でバッテリーも同じだが、急速充電は高速化した。AI機能も前モデルより強化されている。なおサードパーティーのTILTAから3.3倍のテレコンバーターレンズも登場。Made for Huaweiの純正品扱いで、「Mate 80 Pro Max」「Mate 80 RS Ultimate Design」用も提供される。

HUAWEI Mate 80 Pro
発表日2025年11月25日
価格5999元(約13万4000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9030
ディスプレイ6.75インチ 2832 x 1280ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+4000万超広角+4800万4倍望遠
インカメラ画素数1300万+TOF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5750mAh、100W充電(有線)、80W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ161.85 x 76.0 x 7.95mm
重さ219g

デュアルペリスコープカメラ搭載、ファーウェイ「Mate 80 Pro Max」

 ファーウェイ「Mate 80」シリーズの中で最上位のスペックを誇る「Mate 80 Pro Max」は、従来は「Pro+」と命名されていた製品名をアップルに倣ったモノとした。望遠カメラはペリスコープ式を2つ搭載し中距離のみならず長距離撮影にも優れている。メモリ構成も高め、バッテリー容量も増量した。

HUAWEI Mate 80 Pro Max
発表日2025年11月25日
価格7999元(約17万8000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9030
ディスプレイ6.9インチ 2848 x 1320ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+4000万超広角+5000万4倍望遠+5000万6.2倍望遠
インカメラ画素数1300万+TOF(パンチホール)
RAM/ROM構成16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー6000mAh、100W充電(有線)、80W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ164.4 x 79.0 x 8.25mm
重さ239g

20GBメモリ搭載の高級モデル、ファーウェイ「Mate 80 RS Ultimate Design」

 スポーティーかつ高級感あふれるボディーのファーウェイ「Mate 80 RS Ultimate Design」は性能も高めた高価格なラグジュアリーモデルという位置づけの製品だ。メモリは20GBを搭載。旧ポルシェデザインとのコラボ時代デザインを引き継いだ流線型デザインは独特の印象を与える。なお外観イメージは異なるが大きさは「Mate 80 Pro Max」と同等だ。

HUAWEI Mate 80 RS Ultimate Design
発表日2025年11月25日
価格1万1999元(約26万7000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9030
ディスプレイ6.9インチ 2848 x 1320ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+4000万超広角+5000万4倍望遠+5000万6.2倍望遠
インカメラ画素数1300万+TOF(パンチホール)
RAM/ROM構成20GB+512GB、20GB+1TB
バッテリー6000mAh、100W充電(有線)、80W充電(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ164.4 x 79.0 x 8.25mm
重さ249g

望遠レンズも装着可能な折りたたみ、ファーウェイ「Mate X7」

 2024年12月に発表された折りたたみモデル「Mate X6」の後継機が「Mate X7」だ。ディスプレイサイズはイン、アウト共にわずかに大型化、バッテリーも増量、そして「Mate 80 Pro」シリーズと同じ最新チップセットを搭載する。望遠カメラの画素数を高め、TILTA製の3.3倍テレコンバーターレンズの装着も可能である。

HUAWEI Mate X7
発表日2025年11月25日
価格1万2999元(約28万9000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9030
ディスプレイ(イン)8.0インチ2416x2210ピクセル、120Hz
(アウト)6.49インチ2440x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+4000万超広角+5000万3.5倍望遠
インカメラ画素数(アウト)800万(パンチホール)、(イン)800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB、20GB+1TB
バッテリー5600mAh、66W充電(有線)、50W(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ156.8 x 144.2 x 4.5mm、156.8 x 73.8 x 9.5mm
重さ235g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。