山根康宏の「言っチャイナよ」

Snapdragon 8 Elite Gen 5搭載スマホが初登場、デカバモデルが多数発表

 世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2025年9月に発表・発売された5Gスマートフォンは14機種。内訳はシャオミ3機種、ファーウェイ1機種、OPPO 6機種、HONOR 1機種、vivo 2機種、その他1機種。

 今月は7000mAh以上のバッテリーを搭載するモデルが多数登場。OPPOはボリュームゾーン向けの「A6」シリーズなど6機種投入し、うち5機種が7000mAh。vivoやHONORも高容量モデルを出してきた。シャオミは2026年向けのフラッグシップ「Xiaomi 17」シリーズを発表。世界初のSnapdragon 8 Elite Gen 5モデルで、上位2機種は背面にサブディスプレイも搭載する。

ミドルレンジ機も8200mAhバッテリー搭載、vivo「Y500」

 vivoのボリュームゾーン向けYシリーズの最初のモデル「Y500」が登場。ミドルレンジながらもバッテリー容量は8200mAhと高容量を誇る。落下衝撃性能も高め、ラフな使用でも破損しにくいボディー構造としている。

vivo Y500
発表日2025年9月1日
価格1399元(約3万円)から
チップセットMediaTek Dimensity 7300
ディスプレイ6.77インチ 2392 x 1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー8200mAh、90W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ163.1 x 75.9 x 8.23mm
重さ213g

7000mAhバッテリーが標準、OPPOの新大衆モデル「A6」登場

 2025年下半期向けのエントリー・ミドルレンジモデルとなる「A6」シリーズが今月5機種一気に登場した。中核モデルとなる「A6」は7000mAhバッテリーを搭載。低価格モデルながら80Wの急速充電にも対応する。カメラは5000万画素で必要最小限に抑えている。

OPPO A6
発表日2025年9月1日
価格1599元(約3万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6300
ディスプレイ6.57インチ 2372 x 1080ピクセル、120Hz、1400nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー7000mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ158.2 x 75.02 x 8.0mm
重さ185g

ネットワークなしでも通話できるOPPO「A6 Max」

 OPPO「A6」のチップセットを強化したモデルが「A6 Max」。自社開発の「山海無網通信」チップセットを搭載、ネットワークがない状態でも最大210メートルの距離で対応製品間で通話できる。この機能は「A6」も搭載しているが、「A6 Max」はアンテナサイズを大型化した。撮影カメラは「A6」同様実質5000万画素のみだがカメラバンプデザインは流行りの円形を採用している。

OPPO A6 Max
発表日2025年9月1日
価格2199元(約4万7000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 7 Gen 3
ディスプレイ6.8インチ 2800 x 1280ピクセル、120Hz、1600nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー7000mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ163.13 x 77.58 x 7.7mm(青)/7.86mm(白)
重さ198g(青)/204g(白)

バリエーション増の別モデル、OPPO「A6 GT」

 OPPO「A6 Max」と同スペックでカラバリを増やしたモデルが「A6 GT」。ピンク色を追加した3色展開となっているが、性能は全く同じで、メモリ構成が3タイプとバリエーションを増やしている。

OPPO A6 GT
発表日2025年9月1日
価格1899元(約4万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 7 Gen 3
ディスプレイ6.8インチ 2800 x 1280ピクセル、120Hz、1600nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー7000mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ163.13 x 77.58 x 7.7mm(青)/7.86mm(白、ピンク)
重さ198g(青)/204g(白、ピンク)

3つ折りスマートフォンがマイナーチェンジ、ファーウェイ「Mate XTs Ultimate Design」

 2024年9月に登場した世界初の3つ折りスマートフォン「Mate XT Ultimate Design」を、1年ぶりにマイナーチェンジした製品が「Mate XTs Ultimate Design」となる。最大のアップグレードはチップセットが1世代新しくなりパフォーマンスが向上。また本体のカラバリはホワイトとパープルが追加になった。

HUAWEI Mate XTs Ultimate Design
発表日2025年9月4日
価格19999元(約43万1000円)から
チップセットHiSilicon Kirin 9020
ディスプレイ(イン)10.2インチ 2232 x 3184ピクセル
(アウト)6.4インチ2232 x 1008ピクセル
リアカメラ画素数5000万+1200万超広角+1200万5倍望遠
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5600mAh、66W充電(有線)、50W(無線)
5G NR対応バンド非公開
大きさ156.7 x 219.0 x 3.6mm/156.7 x 73.5 x 12.8mm
重さ298g

1000元切りで7000mAhバッテリー搭載、HONOR「Play 10T」

 999元という低価格ながら7000mAhと大容量バッテリーを搭載するのがHONORの「Play 10T」だ。カメラはシングル、フロントカメラも500万画素と性能は抑えている。格安モデルながら本体左側面にはAIボタンも搭載している。

HONOR Play 10T
発表日2025年9月9日
価格999元(約2万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 6s Gen 3
ディスプレイ6.8インチ 2412 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角
インカメラ画素数500万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー7000mAh、45W充電
5G NR対応バンド非公開
大きさ166.89 x 76.8 x 8.24mm
重さ207g

999元の格安5Gスマホ、OPPO「A6i」

 OPPO A6シリーズの最下位モデルとなる「A6i」は、グローバル向けに2025年5月に発売された「A5(グローバルモデル)」をそのまま中国向けとした製品。グローバル共通モデルとすることや性能を引き下げ1000元を切る価格を実現した。

OPPO A6i
発表日2025年9月9日
価格999元(約2万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6300
ディスプレイ6.67インチ 1604 x 720ピクセル、120Hz、1000nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成6GB+128GB、6GB+256GB、8GB+256GB
バッテリー6000mAh、45W充電
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
大きさ165.71 x 76.24 x 7.99mm
重さ194g

チップセット強化の上位モデル、OPPO「A6 Pro」

 OPPO「A6」のチップセットをMediaTek Dimensity 7000番台として性能を大きく上げたモデルが「A6 Pro」である。メモリも最大16GBを搭載、4300mm2の冷却パネル搭載で放熱性能も高め、高度なゲーム用途にも対応できる。

OPPO A6 Pro
発表日2025年9月9日
価格1799元(約3万9000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 7300
ディスプレイ6.57インチ 2372 x 1080ピクセル、120Hz、1400nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー7000mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ158.16 x 74.99 x 7.96mm(黒)/8.11mm(金)/8.03mm(青)
重さ190g(黒)/191g(金、青)

5000万画素カメラ4つ搭載の高性能機、「Meizu 22」

 Meizu初のペリスコープ式カメラ搭載という「Meizu 22」は5000万画素カメラをリアに3つ、フロントに1つ搭載した高性能なカメラフォンだ。AI機能も強化しており、側面には赤いAIボタンも搭載。Androidベースの自社開発OSも「Flyme AIOS 2」と新バージョンを搭載する。

Meizu 22
発表日2025年9月15日
価格2999元(約6万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8s Gen 4
ディスプレイ6.3インチ 2670 x 1200ピクセル、120Hz、1800nits
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万3倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5510mAh、66W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n26 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n80 / n81 / n83 / n84 / n89
大きさ152.0 x 71.0 x 8.15mm
重さ190g

OPPOのゲーミングモデルの低価格機「K13s」

 OPPOのゲーミングモデルであるKシリーズの低価格機として登場した「K13s」は、実は今月発表の「A6 Max」のブランド変更モデル。本体のカラバリやメモリ構成なども全く同一で、メモリ構成は「A6 GT」と同じ3種類。このクラスの価格帯のモデルを増やすことで国内での販売数引き上げを目論む。

OPPO K13s
発表日2025年9月17日
価格1599元(約3万4000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 7 Gen 3
ディスプレイ6.8インチ 2800 x 1280ピクセル、120Hz、1600nits
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー7000mAh、80W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ163.13 x 77.58 x 7.7mm(青)/7.86mm(白)
重さ198g(青)/204g(白)

ミドルレンジクラスのバリエーションモデル、vivo「Y50i」

 2025年7月発売のvivo「Y50」の販路変更モデルが「Y50i」である。8月発売の「GT3」も同型機であり、カラバリなども全く同一だ。

vivo Y50i
発表日2025年9月19日
価格1499元(約3万2000円)
チップセットMediaTek Dimensity 6300
ディスプレイ6.74インチ 1600 x 720ピクセル、90Hz
リアカメラ画素数1300万広角
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB
バッテリー6000mAh、44W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
大きさ167.30 x 76.95 x 8.19mm
重さ204g

世界初のSnapdragon 8 Elite Gen 5搭載スマホ、シャオミ「Xiaomi 17」

 クアルコムの最新チップセット「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を世界で最初に搭載したモデルがシャオミから登場。Xiaomi 17シリーズのベーシックモデルとなる「Xiaomi 17」は6.3インチの小型ディスプレイを搭載、バッテリーは7000mAhと大型のものを採用している。

Xiaomi 17
発表日2025年9月25日
価格4499元(約9万7000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 5
ディスプレイ6.3インチ 2656 x 1220ピクセル、120Hz、3500nits
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万2.6倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー7000mAh、100W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n2 / n3 / n5 / n7/ n8 / n12 / n18 / n20 / n25 / n26 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n80 / n81 / n83 / n84 / n89
大きさ151.1 x 71.8 x 8.06mm
重さ191g

背面ディスプレイも搭載するハイエンド、シャオミ「Xiaomi 17 Pro」

 Xiaomi 17シリーズ中核モデルとなるシャオミ「Xiaomi 17 Pro」は、「Xiaomi 17」の背面にサブディスプレイを搭載し、カメラ性能も高めたモデル。サブディスプレイはカメラのプレビューや通知の表示が可能。別売されるレトロゲーム機ケースにはゲームコントロールボタンがあり、背面ディスプレイでカジュアルなゲームを楽しめる。

Xiaomi 17 Pro
発表日2025年9月25日
価格4999元(約10万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 5
ディスプレイ(メイン)6.3インチ 2656 x 1220ピクセル、120Hz、3500nits
(サブ)2.7インチ 904 x 572ピクセル、120Hz、3500nits、
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万5倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー6300mAh、100W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n2 / n3 / n5 / n7/ n8 / n12 / n18 / n20 / n25 / n26 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n80 / n81 / n83 / n84 / n89
大きさ151.1 x 71.8 x 8.06mm
重さ192g

前後のディスプレイを大型化、n79対応のシャオミ「Xiaomi 17 Pro Max」

 「Xiaomi 17 Pro」のディスプレイをメイン、サブどちらも大型化したモデルがシャオミ「Xiaomi 17 Pro Max」となる。チップセットは同じだが5G NR対応周波数は大幅に増え、n79にも対応。バッテリーは7500mAhを搭載する。なお望遠カメラは「Xiaomi 17 Pro」がマクロ20cm対応、f/3.0、「Xiaomi 17 Pro Max」は同30cm、f/2.6となる。

Xiaomi 17 Pro Max
発表日2025年9月25日
価格5999元(約12万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Elite Gen 5
ディスプレイ(メイン)6.9インチ 2608 x 1200ピクセル、120Hz、3500nits
(サブ)2.9インチ 976 x 596ピクセル、120Hz、3500nits、
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万5倍望遠
インカメラ画素数5000万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー7500mAh、100W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n12 / n13 / n18 / n20 / n25 / n26 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n70 / n71 / n77 / n78 / n79 / n80 / n81 / n83 / n84 / n89
大きさ162.9 x 77.6 x 8.0mm
重さ219g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。