山根康宏の「言っチャイナよ」
HONORとファーウェイが折りたたみ投入、シャオミも売れ筋5G機を一新
2023年10月27日 00:00
世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。
2023年9月に発表・発売された5Gスマートフォンは11機種。内訳はシャオミ3機種、OPPO1機種、ファーウェイ3機種、HONOR 2機種、その他2機種。なおファーウェイの3機種は公式には5G対応は明示されていない。
今月も折りたたみスマートフォン新製品が登場。HONORのV Purseはコンセプトとしてドイツで発表されたファッション端末で中国で実販売となった。
ファーウェイは先月に続きチップセットと対応通信方式不明のMateシリーズ3機種を投入、折りたたみのMate X5や旧ポルシェデザインモデルを彷彿させるRSモデルを投入。シャオミはミドルレンジの主力機「Redmi Note」最新モデルを発表した。
1000元以下の格安5G機、ZTE「Changxing 50」
ZTEの格安5Gスマートフォンが先月に続いて登場。8月発表の「XiaoXian 50」のバリエーション違いモデルで、背面デザインを変更している。1000元を切る価格で各キャリアで4Gから5Gへの移行客獲得の戦略的モデルとして販売される予定だ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月7日 |
価格 | 899元(約1万8000円)から |
チップセット | UNISOC T760 |
ディスプレイ | 6.52インチ2400×1080ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 1300万 |
インカメラ画素数 | 500万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 4GB+128GB |
バッテリー | 4000mAh |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 不明 |
最高のカメラと自社チップ搭載、ファーウェイ「Mate 60 Pro+」
8月末に突如登場した自社チップセット搭載モデル「Mate 60」シリーズの最上位製品として「Mate 60 Pro+」が続けて発表された。
チップセット非公開、通信方式非公開はMate 60シリーズと同様。性能としてはMate 60 Pro+の超広角カメラを1200万画素から4800万画素に引き上げた。メモリは16GBを搭載する。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月8日 |
価格 | 8999元(約18万4000円)から |
チップセット | HiSilicon Kiriin 9000S(非公式情報) |
ディスプレイ | 6.82インチ2720×1260ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+4000万超広角+4800万3.5倍望遠 |
インカメラ画素数 | 1300万(パンチホール)+深度測定 |
RAM/ROM構成 | 16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 5000mAh、88W(有線)、50W(無線) |
5G NR対応バンド | 5G対応非公開 |
サイズ | 163.65×79.0×8.1mm。225g |
ファーウェイの薄型折りたたみモデルを5Gに対応させた「Mate X5」
2023年3月に発表したファーウェイの折りたたみ4Gモデル「Mate X3」のチップセットを自社のKirinに換装し5G対応(非公式情報)としたモデルが「Mate X5」である。
本体サイズや基本スペックはMate X3と変わらず、チップセットと外観デザインを変更した製品と言える。本体厚みは展開時5.3mm、折りたたみ時11.1mmとかなり薄い。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月8日 |
価格 | 1万2999元(約26万6000円)から |
チップセット | HiSilicon Kiriin 9000S(非公式情報) |
ディスプレイ | 7.85インチ2496×2224ピクセル、120Hz(外画面6.4インチ2504 x 1080ピクセル) |
リアカメラ画素数 | 5000万広角+1300万超広角+1200万3.5倍望遠 |
インカメラ画素数 | 外画面800万(パンチホール)、内画面800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 5060mAh、66W充電(有線)、50W充電(無線) |
5G NR対応バンド | 5G対応非公開 |
サイズ | 全開時161.8×145.8×4.4-8.8mm、折り畳み時156.9×72.4×11.1mm。243g(ヴィーガンレザーモデル)、245g |
高級ボディーのミドルレンジ5Gスマホ、OPPO「A2 Pro」
OPPOのミドルレンジ新シリーズの最上位モデルとなる「A2 Pro」は実質シングルカメラながら6400万画素と高画質のものを搭載。バッテリーの急速充電も67Wに対応し、バッテリーも4年寿命を謳う安心充電設計となっている。
カメラ周りは最近流行りの円形台座デザインとしており、背面をヴィーガンレザーで仕上げた高級ボディーも提供。低価格ながらも上質感を味わえる。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年8月15日 |
価格 | 1799元(約3万7000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 7050 |
ディスプレイ | 6.7インチ2412×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+200万(深度測定) |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh、67W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 162.7×74.3×7.99mm(紫、黒)、8.04mm(茶)。183g(紫、黒)、185g(茶) |
ハンドバッグのような折りたたみスマホ、HONOR「V Purse」
2023年9月頭、ベルリンで開催されたHONOR新製品発表会でグローバル向けにコンセプトモデルとして発表されたファッション端末が「V Purse」。
ディスプレイを外側におりたたむ、山折り式のフォルダブルフォンだ。折りたたみ時、本体に鎖をつけてハンドバッグのように持ち運べるスタイルも提唱し、Always On Display機能により画面にチェーンなどを表示し、バッグ風に持ち歩くとチェーンも揺れるという遊び心もそなえている。
折りたたみモデルだがチップセットはミドルハイレンジ向けでスペックはそれほど高くなく、ファッション製品として購入してもらおうと価格を抑えている。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月19日 |
価格 | 5999元(約12万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 778G |
ディスプレイ | 7.71インチ2348×2016ピクセル、90Hz(外画面6.45インチ2348×1088ピクセル、90Hz) |
リアカメラ画素数 | 5000万+1200万超広角 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 16GB+256GB、16GB+512GB |
バッテリー | 4500mAh、33W充電 |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 全開時156.5×135.6×4.3mm、折り畳み時156.5×74.7×8.6mm。214g |
自動車メーカー発の5Gスマホ「NIO Phone」発表
中国の新興自動車メーカーNIO(上海蔚来汽車)からハイスペックなスマートフォン「NIO Phone」が発表された。
NIOのEV(電気自動車)との連携が考えられており、ドアのかぎの開閉、エンジンONなどもスマートフォンから操作可能。またNIOが開発したAIアシスタント「NOMI」も利用可能だ。カメラは5000万画素を3つ搭載するなど性能も高い。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月21日 |
価格 | 6499元(約13万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.81インチ3088×1440ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 6.81インチ3088×1440ピクセル、120Hz |
インカメラ画素数 | 画素数不明 |
RAM/ROM構成 | 12GB+512GB、12GB+1TB、16GB+1TB |
バッテリー | 5200mAh、66W充電(有線)、50W充電(無線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 不明 |
「億画素カメラ」のミドルレンジ、シャオミ「Redmi Note 13 5G」
シャオミのミドルレンジモデル「Redmi Note」の2023-24年最新モデル3機種が登場した。「Redmi Note 13 5G」は1億画素カメラを搭載しつつ、価格は1099元と格安に抑えたエントリークラスのモデル。低価格ながら7.6mmと厚さも薄い。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月21日 |
価格 | 1099元(約2万3000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 6080 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 1億+200万(深度測定) |
インカメラ画素数 | 1300万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB、8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh、33W充電(有線) |
5G NR対応バンド | SA:n1 / n5 / n8 / n41 / n28A / n78、NSA:n41 / n78 |
サイズ | 161.11×74.95×7.6mm。173.5g |
2億画素カメラ搭載の「Redmi Note 13 Pro」
Redmi Noteシリーズの中核モデルとなるのがシャオミ「Redmi Note 13 Pro」。チップセットはSnapdragon 7s Gen 2を採用、カメラは2億画素を含むトリプル仕上げ。バッテリーも67Wと充電速度を高めた。メモリ構成を増やし価格幅を広げることで購入者層も増やしている。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月21日 |
価格 | 1399元(約2万9000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 7s Gen 2 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 2億+800万(超広角)+200万(マクロ) |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB |
バッテリー | 5100mAh、67W充電 |
5G NR対応バンド | SA:n1 / n5 / n8 / n41 / n28A / n78、NSA:n41 / n78 |
サイズ | 161.11×74.95×7.6mm。173.5g |
ファッションブランドコラボモデルもあるシャオミ「Redmi Note 13 Pro+」
Redmi Note 13シリーズ最上位モデルの「Redmi Note 13 Pro+」はRedmi Note 13 Proと同等のカメラを搭載しつつ、チップセットを高速化し、さらに120Wの急速充電にも対応した。
本体デザインは3色のヴィーガンレザーを使ったデザインモデルに加え、日本のファッションブランド「A BATHING APE」とコラボしたモデルも販売される。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月21日 |
価格 | 1899元(約3万9000円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 7200 Ultra |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 2億+800万(超広角)+200万(マクロ) |
インカメラ画素数 | 1300万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+512GB、16GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh、120W充電 |
5G NR対応バンド | SA:n1 / n5 / n8 / n41 / n28A / n78、NSA:n41 / n78 |
サイズ | 161.4×74.2×8.9mm。204.5g |
ゲーム特化のミドルハイレンジ、HONOR「X40 GT Plus」
HONORのゲーミングモデル「X」シリーズからお手頃価格の「X40 GT Racing」が登場。144Hzの高速駆動ディスプレイでゲームの動きも滑らか。チップセットはあえてSnapdragon 888として2000元以下の価格を実現。
13層の冷却システムを内蔵しハイエンドゲーム中も本体温度を1度引き下げることが可能、GPU Turbo X技術でGPU性能を3割ブートアップもできる。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月21日 |
価格 | 1799元(約3万7000円)から |
チップセット | Qualcom Snapdragon 888 |
ディスプレイ | 6.81インチ2388×1080ピクセル、144Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+200万(マクロ)+200万(深度測定) |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 4800mAh、66W充電 |
5G NR対応バンド | n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n78 |
サイズ | 166.1×75.8×8.5mm。199.5g |
スポーツカーデザインの高級機、ファーウェイ「Mate 60 RS ULTIMATE DESIGN」
ファーウェイ「Mate 60 Pro+」のボディーを高級仕上げにしたモデルがこの「Mate 60 RS ULTIMATE DESIGN」だ。
以前ポルシェデザインと協業したモデル「RS Porsche Design」の復活版とも言える製品で、スポーツカーをイメージしたデザインをそのままに、セラミック仕上げとして高級感と耐久性を両立させている。
8角形のカメラデザインなども意匠を引き継いだ。なおファーウェイから分離したHONORも独自に高級モデル「Magic5 Ultimate」などを出しており、両者で異なるテイストのプレミアム端末を展開しているのは興味深い。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年9月25日 |
価格 | 1万1999元(24万6000円)から |
チップセット | HiSilicon Kiriin 9000S(非公式情報) |
ディスプレイ | 6.82インチ2720 x 1260ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 4800万広角+4000万超広角+4800万3.5倍望遠 |
インカメラ画素数 | 1300万(パンチホール)+深度測定 |
RAM/ROM構成 | 16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 5000mAh、88W(有線)、50W(無線) |
5G NR対応バンド | 5G対応非公開 |
サイズ | 163.65×79.0×8.1mm。242g(黒)、246g(赤) |