山根康宏の「言っチャイナよ」

シャオミが可変絞りのライカスマホ発表、OPPOとHONORから折りたたみモデル

世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2023年10月に発表・発売された5Gスマートフォンは14機種。内訳はシャオミ 2機種、OPPO 3機種、vivo 4機種、HONOR 3機種、その他2機種。

 シャオミのフラッグシップ「Xiaomi 14シリーズ」が発表された。上位モデルはカメラに可変絞りを搭載。OPPOは形状を一新した折りたたみモデルを投入、HONORは価格を引き下げた折りたたみ発表するなど、今月もフォルダブル製品が次々と登場している。一方でvivoとOPPO、HONORはエントリーモデルのバリエーション違いモデルを複数投入することで販売数増加を狙う。

チップセットをマイナーチェンジしたエントリーモデル、vivo「Y78(t1)」

 2023年5月に発売したvivo「Y78」のチップセットをDimensity 7020から6020に変更したモデル。本体のカラバリも同一で3色を提供。ディスプレイ解像度のみ120Hzから60Hzへとスペックダウンされた。メモリ構成は1つで1999元のモデルのみ、Y78にあった低メモリ容量かつ低価格モデルは無くなった。

項目内容
発表日2023年10月9日
価格1999元(約4万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.64インチ2388 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー5000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.06 × 76.17 × 7.98mm(黒)、8.07mm(橙、青)。190g

カラバリ変更のオフライン販売モデル、vivo「Y78m(t1)」

 vivo「Y78(t1)」のカラバリ変更モデルが「Y78m(t1)」。本体カラーはシンプルなブラックまたはブルーの2色のみ。スペックはY78(t1)と同一だ。なお両モデル共にオンライン販売は行われず、家電量販店などでのオフライン専門販売モデルとなる。

項目内容
発表日2023年10月9日
価格1999元(約4万2000円)
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.64インチ2388 x 1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー5000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.06 × 76.17 × 7.98mm。190g

低価格ながらも高容量電池搭載のHONOR「Play 50 Plus」

 1000元台モデルながら高容量バッテリーを搭載したのがHONORの「Play 50 Plus」。ディスプレイはフルHD+の解像度でバッテリーは6000mAh、35Wながら急速充電にも対応する。ボディーは背面にシボを利かせたようなデザインで美しさも備えている。デュアルカメラ同時録画やAIにより複数クリップの音量を揃える「AI Vlog」機能も搭載した。

項目内容
発表日2023年10月9日
価格1399元(約2万9000円)
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.8インチ2412 x1080ピクセル、90Hz
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー6000mAh、35W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ166.7 x 76.5 x 8.24mm。199g

OPPOの新1000元スマホ「A2x」登場

 1099元の格安モデルとして登場したのがOPPO「A2x」。OPPOはエントリー・ミドルレンジモデルを2022年から「A1」シリーズとして展開、2023年は「A2」シリーズを数多く出しているが、このA2xはエントリークラスに位置する最下位のモデル。カメラは必要最小限なスペックながら、バッテリーは4年間使っても80%を持続することを売りにした。本体カラバリは紫、黒、金の3色。なお価格が同クラスのvivo「Y78(t1)」と比べるとスペックは1ランク低い。

項目内容
発表日2023年10月10日
価格1099元(約2万3000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.56インチ1612 x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.8 x 75.1 x 8.12mm。185g

折りたたみモデルの価格を一気に引き下げたHONOR「Magic V2s」

 横折りスタイルのHONOR「Magic V2s」は折りたたみモデルながら7000元を切る低価格で登場。折りたたみ時10.7mm、開いたとき5.1mmと薄さも実現した。ディスプレイとバッテリは上位モデル「Magic V2」と同等、カメラ性能は同モデルより引き下げたが十分な画質のものを搭載している。

項目内容
発表日2023年10月12日
価格6999元(約14万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ7.92インチ2344 x 2156ピクセル、120Hz(外画面6.43インチ2376 x 1080ピクセル、120Hz)
リアカメラ画素数5000万+1200万超広角+2000万2.5倍望遠
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5000mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ全開時157.5 x 146.2 x 5.1mm、折り畳み時157.5 x 74.4 x 10.7mm。229g

シンプル仕上げの格安姉妹モデル、HONOR「Play 8T」

 HONOR「Play 50 Plus」の姉妹モデルとなるのが「Play 8T」だ。メモリ構成を引き下げて1099元と低価格モデルを投入、Play 50 Plusと同じ12GBモデルも100元安くした。基本性能は変わらず背面のカメラ部分の仕上げをやや変えている以外に変わりはない。

項目内容
発表日2023年10月18日
価格1099元(約2万3000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.8インチ2412 x1080ピクセル、90Hz
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー6000mAh、35W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ166.7 x 76.5 x 8.24mm。199g

大画面化した高性能カメラ折りたたみフォン、OPPO「Find N3」

 Google Pixel Foldと類似の開くと横長ディスプレイになる折りたたみモデルを過去に2モデル展開していたOPPOの最新機種「Find N3」は、多くのメーカーが対応する縦長ディスプレイ形状となった。マルチウィンドウ操作に優れたUIを採用。3つのカメラは高画質でカールツアイスと提携している。中国・海外同時発表で東南アジア各国でも販売される予定だ。またブランドだけを変えたモデルとしてOnePlusから「OnePlus Open」が一部の国でも販売される。

項目内容
発表日2023年10月19日
価格9999元(約20万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ7.82インチ2440 x 2268ピクセル、120Hz(外画面6.31インチ2484 x 1116ピクセル、120Hz)
リアカメラ画素数4800万+4800万超広角+6400万3倍望遠
インカメラ画素数2000万(パンチホール)、外画面3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー4805mAh、67W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28 / n38 / n40 / n41 / n66 / n77 / n78 / n79
サイズ全開時153.4 x 143.1 x 5.8mm(ガラス版)、5.9mm(革版)、折り畳み時153.4 x 73.3 x 11.7mm(ガラス版)、11.9mm(革版)。245g(ガラス版)、239g(革版)

デザインチェンジと実質値下げを行ったMeizuの「Meizu 20 Classic」

 2023年3月に発表されたMeizu 20 ProのカラバリモデルがMeizu Classic。背面に「M」のロゴを意匠にしたデザインを入れた。スペックは変わらないがメモリ構成変更と共に実質的に価格を値下げ。Meizu 20 Proは12GBメモリモデルで3999元(約8万3000円)からだったが、Meizu Classicは16GBメモリモデルで3099元(約6万5000円)からとなっている。

項目内容
発表日2023年10月19日
価格3099元(約6万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ6.81インチ3200x1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+5000万超広角+5000万2倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5000mAh、80W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n41 / n77 / n78
サイズ164.2x76.4x7.8mm、209g

4K録画に対応する次世代格安スマホ、vivo「Y78t」

 今月のvivoはY78シリーズを3機種投入してきた。「Y78t」はチップセットにSnapdragon 6 Gen 1を搭載した次世代エントリーモデル。ディスプレイは120Hz駆動。カメラ性能は「Y78(t1)」同等だが動画は4K録画にも対応。バッテリー6000mAhも同等で、エントリーモデルのバッテリー容量を強化している。

項目内容
発表日2023年10月20日
価格1099元(約1万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 6 Gen 1
ディスプレイ6.64インチ2388 x 1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ164.43 x 75.8 x 9.1mm。199.6g

手軽に使える高画質カメラフォン、Nubia「nubia Z50S」

 Nubiaが2022年12月に発売した「nubia「Z50」の後継モデルが「nubia Z50S」となる。Snapdragon 8 Gen 2に6400万画素+5000万画素の高画質カメラを搭載、144Hzディスプレイなどスペックは高い。Z50にあったヴィーガンレザーモデルを無くしてカジュアルデザインを前面に押し出し、価格も引き下げている。

項目内容
発表日2023年10月22日
価格2199元(約4万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数6400万+5000万超広角
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、80W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ162.9x72.9x8.46mm。199g

格安モデルのバリエーションを増やすOPPO「A2m」

 今月に発表されたOPPO「A2x」のバリエーションモデルが「A2m」となる。とはいえスペックは同等、カラバリは紫と黒のみで、メモリ構成も若干異なる。なお両者は販路を変えて販売される。

項目内容
発表日2023年10月25日
価格1099元(約2万3000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 6020
ディスプレイ6.56インチ1612 x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.8 x 75.1 x 8.12mm。185g

Snapdragon 8 Gen 3搭載のライカカメラモデル、シャオミ「Xiaomi 14」

 ライカとコラボしたカメラを搭載するシャオミのフラッグシップモデル2機種が発表、いずれも発表されたばかりのクアルコムSnapdragon 8 Gen 3を搭載する。下位モデルの「Xiaomi 14」はトリプル5000万画素カメラも搭載しながら価格は4000元以下の超コスパモデル。メインカメラのレンズはSummilux f/1.6を採用した。ディスプレイは3000nitsと明るく狭ベゼル仕上げ。

項目内容
発表日2023年10月26日
価格3999元(約8万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.36インチ2670 x 1200ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+5000万3.2倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TGB、
バッテリー4610mAh、90W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78
サイズ152.8 x 71.5 x 8.2mm(ガラス版)、8.28mm(革版)。193g(ガラス版)、188g(革版)

可変絞りカメラ搭載のハイスペックカメラフォン、シャオミ「Xiaomi 14 Pro」

 Snapdragon 8 Gen 3を搭載し業界最強のカメラを搭載するのがシャオミの「Xiaomi 14 Pro」。カメラはXiaomi 14と同等の5000万画素を3つ搭載するが、メインカメラは絞りを可変式とした。f/1.42からf/4.0への1024段階の細かい調節が可能で、被写界深度や光芒を物理的に利かせた美しい撮影が可能。可変絞りは動画でも利用できる。ストレージ1TBモデル(5999元、約12万5000円)にはチタニウムボディーの特別版も6499元(約13万5000円)で販売される。5G NR対応バンドはXiaomi 14にn7とn79が追加されている。

項目内容
発表日2023年10月26日
価格4999元(約10万4000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 3
ディスプレイ6.73インチ3200 x 1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+5000万3.2倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TGB、
バッテリー4880mAh、120W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79
サイズ161.4 x 75.3 x 8.49mm、223g(ガラス版)、230g(チタン版)

3桁型番になったvivoの新エントリーモデル「Y100」

 vivoのエントリー&ミドルレンジモデル「Yシリーズ」の新たな3桁型番モデルとして「Y100」が登場。価格は1399元と安いながら3D摩耗加工した緑モデルやナノ加工して駒かな模様をつけた藍色モデルなどデザインにこだわる一方、オーソドックスな黒モデルは172gと軽量に仕上げた。外観からは安さは一切感じられない。カメラはこのクラスとしては贅沢に6400万画素を搭載した。

項目内容
発表日2023年10月30日
価格1399元(約2万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 695 5G
ディスプレイ6.78インチ2400 x1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数6400万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、4GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ164.42 x 74.92 x 7.57mm(緑、藍)、7.49mm(黒)。183g(緑、藍)、172g(黒)
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。