山根康宏の「言っチャイナよ」
世界最薄記録更新の折りたたみスマホやカメラデザインスマホが登場
2023年8月18日 00:00
世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2023年7月に発表・発売された5Gスマートフォンは11機種。内訳はOPPO 2機種、vivo 1機種、HONOR 3機種、ZTE 3機種、その他メーカー2機種。
HONORは閉じると9.9mm、開くと4.7mmの世界最薄折りたたみ「HONOR Magic V2」を発表。同社は899元の格安5G機も発売した。vivoとNubiaはゲーミングモデルをマイナーチェンジ。Nubiaはカメラ風デザイン「Z50S Pro」も発表した。WikoやCoolpadなど中規模メーカーも5G製品を発表している。
「いいとこ取り」したゲーミングモデル、vivo「iQOO 11S」
2022年12月発売の「iQOO 10」シリーズを合体させたモデルがvivo「iQOO 11S」だ。ハイスペックながら価格を比較的抑えたiQOO 10に、より高性能なiQOO 10 Proの機能を融合。200W充電対応、1TBモデルのバリエーションがある。歴代シリーズ同様、BMWのモータースポーツブランド「BMW M」コラボモデルも発売になる。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月4日 |
価格 | 3799元(約7万5000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.78インチ3200x2400ピクセル、144Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+800万超広角+1300万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 4700mAh、200W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n5 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 164.86 x 77.07 x 8.04mm(黒) / 8.72mm(他2色)。206.5g(BMW) / 207.5(青)g / 209.5g(黒) |
バッテリー容量アップのゲームモデル、Nubia「RedMagic 8S Pro」
2022年12月にNubiaが発表した「RedMagic 8 Pro」のマイナーチェンジモデルが「RedMagic 8S Pro」だ。チップセットはSnapdragon 8 Gen 2のままだが、高クロック周波数版に乗せ換えた。CPUは3.2GHzから3.36GHzへ、GPUは680MHzから719MHzへと性能アップしている。冷却機構も17度まで冷却できる「ICE12.0」となった(前モデルは16度 / ICE11.0)。さらにバッテリー容量を6000mAhへと1000mAh引き上げた。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月5日 |
価格 | 3999元(約7万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.8インチ2480x1116ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(アンダーディスプレイ) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 6000mAh、80W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.98x76.35x8.9mm、228g |
メモリ容量アップのゲーミングスマホ、Nubia「RedMagic 8S Pro+」
「RedMagic 8S Pro」同様、前年モデルをアップグレードした製品がNubia「RedMagic 8S Pro+」だ。こちらもSnapdragon 8 Gen 2の高クロック周波数版を搭載し、ICE12.0冷却システムを内蔵。
バッテリーは前モデルと変わっていない。なお2つの新製品は背面がブラックとシルバーのモデルは空冷回転ファン部分を中心に同心円のテクスチャを配した新しいデザインを採用。さらに映画トランスフォーマーとコラボした「バンブルビー」のイエローモデルもある。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月5日 |
価格 | 5199元(約10万9000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.8インチ2480x1116ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(アンダーディスプレイ) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 5000mAh、165W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 169.8x76.35x8.9mm、230g |
デカバと1億画素カメラの低価格モデル「HONOR X50」
1399元と価格を抑えながら、1億画素カメラを搭載したモデルがHONORの「HONOR X50」だ。バッテリー容量も5800mAhと大型化。ディスプレイアスペクト比も22:9とワイドにしてコンテンツ表示をより見やすくしている。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月5日 |
価格 | 1399元(約2万8000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.78インチ2652x1200ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 1億800万+200万深度測定 |
インカメラ画素数 | 800万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+256GB |
バッテリー | 5800mAh、35W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.6 x 75.5 x 7.98mm。185g |
Wikoブランドの独自モデル「Hi Enjoy 60 Pro 5G」
中国のWikoのスマートフォンはファーウェイの4Gモデルをベースに5G化した製品を展開しているが、「Hi Enjoy 60 Pro 5G」は円形カメラを配した独自設計となっている。カメラは6400万画素を搭載、フロントカメラはダイナミックアイランド状だが実質シングル。OSはHarmonyOS Connectを搭載する。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月11日 |
価格 | 1799元(約3万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 695 5G |
ディスプレイ | 6.67インチ2376x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4300mAh、66W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 161.85 x 74.7 x 8.48mm。195g |
9.9mm世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V2」
折りたたみスマートフォンの世界最薄サイズの記録を塗り替えたのがHONORの「HONOR Magic V2」だ。本体厚みは閉じたときが9.9mm、開いたときが4.7mmと、それぞれ10mm、5mmを切る。重量も231gと一般的なスマートフォンと変わらない。カメラも高性能。1TBのSupremeモデルはスタイラスペンの入力も可能だ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月12日 |
価格 | 8999元(約17万9000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 7.92インチ2344 x 2156ピクセル、6.43インチ2376 x1060ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+5000万超広角+2000万2.5倍望遠 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール)、1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB |
バッテリー | 5000mAh、66W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 156.7 x 145.4 x 4.7mm / 4.8mm(ガラスモデル)。折り畳み時:156.7 x 74.0 x 9.9mm / 10.1mm(ガラスモデル)。231g / 237g(ガラスモデル) |
1000元切りの格安5G機「HONOR Play 40C」
1000元以下の超格安5Gモデルはvivoやマイナーメーカーが出していたが、HONORもこの市場に参入。「HONOR Play 4C」はわずか899元という低価格の5Gスマートフォン。性能は割り切っておりメモリ構成も1モデルのみ。バッテリー容量はやや増量しており使い勝手を考えた設計になっている。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月14日 |
価格 | 899元(約1万8000円) |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 480+ |
ディスプレイ | 6.56インチ1612x720ピクセル |
リアカメラ画素数 | 1300万 |
インカメラ画素数 | 500万(水滴型ノッチ) |
RAM/ROM構成 | 6GB+128GB |
バッテリー | 5200mAh |
5G NR対応バンド | n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n78 |
サイズ | 163.32 x 75.07 x 8.35 mm。188g |
エントリーモデルのマイナーチェンジ、Coolpad「Grand View 40s」
2023年3月に発表した老舗ブランドCoolpadのエントリー5Gモデル「Grand View 40s」(大観40s)の後継モデルとして登場したのが「Grand View 50s」(大観50s)だ。本体デザインは変わらずスペックもほぼ同等で、18W充電に対応した。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月15日 |
価格 | 1799元(約3万6000円) |
チップセット | MediaTek Dimensity 700 |
ディスプレイ | 6.52インチ1600x720ピクセル |
リアカメラ画素数 | 1300万+200万 |
インカメラ画素数 | 500万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB |
バッテリー | 4500mAh |
5G NR対応バンド | SA : n1 / n28a / n41 / n77 / n78、NSA : n41 / n77 / n78 |
サイズ | 163.46 x 75.41 x 8.48mm。199.6g |
ファーウェイベースのセルフィーモデル「Hi nova 11」
ファーウェイの4Gスマートフォンを5G対応として投入するメーカーがいくつかあるが、「Hi nova 11」はChina Post Communication Equipment(中郵通信設備)の製品。ベースモデルはファーウェイ「nova 11」で、チップセットをSnapdragon 778Gとすることで5G化させている。フロントカメラは6000万画素、メインカメラの5000万画素より高画質なセルフィー強化モデルだ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月17日 |
価格 | 2799元(約5万6000円) |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 778G |
ディスプレイ | 6.67インチ2412x1084ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万+800万超広角 |
インカメラ画素数 | 6000万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB |
バッテリー | 4500mAh、66W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 161.29 x 74.96 x 6.88mm。168g |
アナログ風カメラデザイン、nubia「Z50S Pro」
ブラウン&シルバーまたはブラック&シルバーのツートンカラー仕上げの背面がアナログカメラ風デザインのnubia「Z50S Pro」はカメラとして使うことを考えたスマートフォン。一般的なスマートフォンのメインカメラは広角(23mm前後)を搭載するが、Z50S Proは35mmを中心に13mm、80mmを搭載。
よりカメラを使う感覚で写真撮影ができる。チップセットは同月発売の「RedMagic 8S Pro」同様にクロック周波数を高めたSnapdragon 8 Gen 2を採用。ストレージは1TBを基本とし、最下位モデルのみ256GBを搭載した。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月20日 |
価格 | 3699元(約7万4000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 |
ディスプレイ | 6.78インチ2800x1260ピクセル、120Hz |
リアカメラ画素数 | 5000万35mm+5000万13mm+800万80mm |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+1TB、16GB+1TB |
バッテリー | 5100mAh、80W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.6 x 75.9 x 8.6mm。228g |
100W急速充電で手ごろな価格、OPPO「K11」
OPPOのKシリーズはゲーミングも意識したミドルレンジシリーズだったが「K11」は100W充電を売りにした使い勝手のいい製品だ。フロントカメラは1600万画素でセルフィー需要もカバー。Kシリーズのクールなイメージを一般ユーザーにも広げていこうという狙いがありそうだ。
項目 | 内容 |
発表日 | 2023年7月25日 |
価格 | 1799元(約3万6000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 782G |
ディスプレイ | 6.7インチ2412x1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh、100W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n40 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 162.7 x 75.5 x 8.23mm。184g |