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撮る、録る、見る、聴く、1台4役のマルチデバイス パナソニック「D-Snap SV-AV30」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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パナソニックのD-Snapは、手のひらにすっぽりと収まるコンパクトなボディに、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ボイスレコーダー、オーディオプレーヤーの4つの機能を凝縮したハイブリッドなデバイスだ。つまり、デジカメのように静止画を記録できる、ビデオカメラのように動画を記録できる、ボイスレコーダーのように音声も記録できる、さらにはオーディオプレーヤーのように音楽の再生も可能と、これ1台持っていれば他には何もいらないような気になれる、夢のようなデバイスなのである。本当にこれ1つあれば何でもできて他に何もいらないのかということは追々説明するとして、まずは、それぞれの機能について見ていくことにしよう。
まずは色々なものを記録・再生してみよう
まずは、D-Snapをデジカメとして使ってみることにしよう。本体のサイドにある電源ボタンを「REC」にして、液晶を立てればすぐに撮影や記録ができる状態になる。ちなみに、RECモードのときに「MODE」ボタンを押すと「PICTURE」(静止画)、「MPEG4」(動画)、「VOICE」(音声)と何を記録するのかを選ぶことができる。電源をオンにしたときは、自動的に前回のモードで起動されるため、なかなか使い勝手はよい。
静止画を撮影したいときは「PICTURE」モードにして、記録/停止ボタンを押すだけ。記録/停止ボタンは本体の横と、液晶の下の両方にあるため色々なスタイルやシチュエーションでの使い方が可能だ。また、液晶ディスプレイは立てた上体から180度回転するため、液晶ディスプレイを見ながら自分を撮影するといった“自分撮り”も簡単にできるようになっている。
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提供されているボディカラーは4色
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REC/PLAYを切り替えるボタンは本体右サイド。赤い丸印があるボタンは記録/停止ボタン
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デジカメとしての性能は、有効画素数31万画素で撮影可能な解像度は640×480(VGA)ピクセル。ファイン、ノーマル、エコノミーの3つの画質モードがあるが、VGAサイズでの撮影しかできないので、わざわざ解像度を落として撮影することはないだろう。また、フラッシュも内蔵している。
ちなみに、画像は本体に装着したSDカードに保存される。記録した静止画を見たいときは、電源ボタンを「PLAY」にする。すると、液晶ディスプレイにサムネール画像が表示され、上下左右のクリックが可能な「多機能ボタン」で選択して表示ができる。
D-Snapで動画を撮影するのも、静止画と同じように簡単だ、「MPEG4」モードで記録/停止ボタンを押すと動画の録画が始まり、もう一度記録/停止ボタンを押すと録画は停止する。非常にイージーな感覚で使うことができるというわけだ。
動画撮影時の画質モードはスーパーファイン、ファイン、ノーマル、エコノミーの4つ。スーパーファインとファインは320×240ピクセル、ノーマルおよびエコノミーでは176×144ピクセルでの動画の記録が可能。256MBのSDカードを使うものと仮定すると、それぞれスーパーファインで約35分、ファインで1時間25分、ノーマルで2時間20分、エコノミーでは5時間程度の記録が可能。
ただし、鑑賞に堪える画質で録画することを考えると、実際にはファイン以上で使うことになるだろう。再生も静止画と同様、電源ボタンを「PLAY」にすることで、記録した動画の再生が可能だ。
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左から31万画素カメラ、フラッシュ、内蔵マイク
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SDカードスロットは左サイド
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ボイスレコーダーとして使うときも同様で、「VOICE」モードで記録/停止ボタンを押すと録音が始まり、もう一度記録/停止ボタンを押すと録音は停止する。フラッシュの横にモノラルマイクが内蔵されていて、そのマイクで音を拾ってくれる。なお、どのモードの時でも液晶ディスプレイを閉じたままの記録もできる。実際にどのモードになっているのかは液晶ディスプレイで確認する必要はあるが、閉じた状態で左手に持つと、人差し指が記録/停止ボタンに来て、マイクは口元にくるようになっているため、結構使い勝手はよい。これまた電源ボタンを「PLAY」にすると、記録した音声の再生が可能。記録/停止で録音を開始してから録音を終了するまでが1つのファイルとして表示され、再生時には再生したいファイルを選ぶといった感じだ。
とまあ、こんな感じで操作感は非常にイージー。デジタルカメラなどのデバイスを使ったことがあるならば、マニュアルを読まなくても使うことができる。さらに、それぞれのモードでMENUボタンを押すと、必要に応じたメニューが表示され、記録モードの変更や撮影した静止画や動画の削除などを行うことができるようになっているのも嬉しい配慮だ。
オーディオプレーヤーとして使うこともできるが……
ところで、D-Snapはオーディオプレーヤーとしての機能も含まれている。ただし、この機能を使うためには、別売りの「SD-Jukebox Ver.3.0」が必要になる。たしかに、音楽プレーヤーとして使うための機能は用意されているが、単体でその音楽を準備できないのはいかがなもんだろうか。
ちなみに、再生可能な形式はAACとMP3形式。「MP3に対応しているから、特別なソフト無しでも、とりあえずSDカードにMP3データをコピーできれば再生できるのではないか?」と思っている人もいるかと思うが、それはできない。MP3形式のデータをD-Snapで再生することはできるのだが、それは「SD-Jukebox Ver.3.0」でチェックインしたデータ(セキュア化されたMP3/AACデータ)に限られてしまうわけだ。つまり、手元にいくら大量のMP3データがあろうと、「SD-Jukebox Ver.3.0」を購入しない限りは、D-Snapをオーディオプレーヤーとして使うことはできないのである。オーディオプレーヤーとして使うためには、絶対に必要となる「SD-Jukebox Ver.3.0」を、何故同梱しなかったのか非常に疑問が残る。
ちなみに、本体にはヘッドフォンが接続可能なリモコンが付属。リモコンで再生のコントロールが可能。また、簡単なイコライザーも用意されていて、音楽再生時の音質を調整することも可能だ。なお、フル充電で音楽ファイルを再生すると連続3時間の再生が可能だ。オーディオプレーヤーとしてみると、やや不満が残るが、他にもいろいろついているからいいんじゃない、ちょっとくらい目をつぶるよ、ってことならば、無問題である。
なお、D-SnapにはUSBポートが用意されていて、パソコンからD-Snapへのアクセスが可能となる。撮影した静止画(JPEG形式)や動画(MPEG-4)形式を、パソコンに保存したり、パソコンで表示、再生することもできる。また、パソコンに保存してある動画をD-Snapへと書き戻し、D-Snap上で再生することも可能だ。また、付属のソフト「SD Movie Stage Ver 2.0」を使うと撮影した動画の簡単な編集も可能だ。
AVクレードルでさらに面白い使い方もできる
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同梱されるAVクレードル
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お出かけビデオ的な使い方ができるのも、D-Snapの面白さの1つ。同梱されているクレードルには、AV入力、AV出力端子が装備されていて、D-Snapで撮影した動画や静止画を家庭用テレビなどの映像機器で再生することもできる。なにか自慢したいモノを録画したら、液晶ディスプレイで自慢するだけではなく、テレビなどに接続して大画面でさらに自慢することも可能なのだ。
また、AV入力を利用すればテレビチューナーやCS/BSチューナーなどのビデオ機器からD-Snapへの録画も可能だ。D-Snapの録画を「自動録画設定」にすると、外部機器からビデオ信号が出力したときに、自動的に録画が開始される。この機能を使えば、CS/BSチューナーやビデオデッキなどでタイマー予約をしておき、その番組をD-Snapへと録画することができる。録画した番組は、通勤や通学などの電車で楽しむとか、これまたやっぱり人に自慢するといった使い方も可能なのである。
ちなみに、フル充電でMPEG-4ビデオを再生すると、連続1.5時間の再生が可能。1時間もののドラマならばいいけれど、2時間超の映画や長時間のスポーツ中継などは、最後まで見られない計算になる。2時間ものの映画だったりすると、クライマックスのあたりで電源が「プツッ」と切れることになってしまうわけだ。これは、フラストレーションが溜まるでしょう。せめて2時間、欲を言えば3時間程度はバッテリーが持ってくれればさらに自由度が広がるのではないだろうか。
評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★★ |
おでかけビデオとして使えば、かなりイバれるでしょう。ドラマを録画してイバるとか、ミュージッククリップを録画しておき自分が楽しむだけではなく、人に見せてイバるなんてことも可能。 |
実用性 |
★★ |
個々の機能については、デジカメ、ボイスレコーダー、オーディオプレーヤーなどの専用機に比べるとかなり劣ります。そのあたりを割り切ることができれば、かなり実用的なツールになると思われます。 |
お値段 |
★★★ |
ちょっと高価に思えるかもしれませんが、これだけできてこの値段ならナットクって感じでしょうか。 |
価格 |
44,800円 |
静止画も音声録音も動画も「メモ」でいい! 撮りたい(録りたい)ときに気軽に撮れれば(録れれば)全然オッケー! 個々の機能については割り切って使うから問題ナシ! ついでにオーディオプレーヤーとしても、お出かけビデオとしても使いたいということならば、絶対に「買い」です。おまけに、操作は単純だし、とてもイージーな感覚で使うことができます。ただ、真剣に使い倒そうとすると、大容量のSDカードが欲しくなったり、映像用、音楽用、撮影用とSDカードが何枚も欲しくなります。ハマるほどにお金がかかると予想されるので、ハマり過ぎはほどほどにしておきましょう。 |
利用期間 |
半年 |
1日あたり単価 |
245円 |
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・ 製品情報
http://panasonic.jp/dvc/DIGICAM/av30/
・ 松下、「WiLL」ブランドの多機能デジカメ
(広野忠敏)
2003/03/07 11:58
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