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「使える」ボイスレコーダーを探す! ソニー ICレコーダー「ICD-MS515」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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私がいつも携帯しているのは「携帯電話」、「PDA」、「ボイスレコーダー」の3つ。この3つのアイテムは手放すことができない。ケータイ Watchの読者なら、携帯電話を持っているのは当然のことだろうし、PDAをいつも持ち歩いている人も意外と多いかと思う。さらにボイスレコーダーであるが、これは使ってみると非常に便利なのだが、いまいち使い道がない、とか、録音するものはないから必要がない、だから買わないといった人も多いのかもしれない。ボイスレコーダーというと取材や会議などで使うといった使い方がクローズアップされがちだが、他にもいろいろと便利な使い方があるのだ。
■ 最適なボイスレコーダーを探す
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ICD-MS515
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ライターという仕事をしていると、ボイスレコーダーは手放せないアイテムの1つだ。会議や打ち合わせ、取材で使うことも多い。ボイスレコーダーで会議や打ち合わせを記録すれば、誰かがこれを言ったとか、それは違う、あのときはこう言ったなんていうトラブルを未然に防ぐことができる。もちろん、議事録を起こすときもボイスレコーダーで記録すれば、メモを取るよりもはるかにラクだ。長時間に渡る取材のときも音声を記録すれば、あとから忘れることはない。いちいちメモを取るよりも断然便利なのだ。これはライターという職種に限らない。会議や客先との折衝が多いビジネスマン必携のアイテムだといえる。
しかし、こうした会議や取材といったシーン以外でも、ボイスレコーダーは便利に使うことができる。たとえば、出先でメモをしたいときのことを考えて見てほしい。PDAを常用している人ならばPDAを使うだろう。またシステム手帳にメモをするといった人もいるハズだ。ボイスレコーダーをいつも持ち歩いていれば、メモを取りたいときにわざわざPDAやシステム手帳に書くなんてことは必要ない。ポケットからボイスレコーダーをさっととりだして、口頭でメモすればいいのである。
とっさになにかをやらなければいけないことを思い出したとき、なるべく安い買い物をするためにそれぞれのお店の値段を調べるとき、ふと頭に重要なアイディアが浮かんだときなどなど、わりと書き始めるとキリがないのだが、そうしたときに紙とペン、またはPDAとスタイラスを使うよりも、ぐっとスマートかつ簡単に記録を残せるのがボイスレコーダーの最大の魅力なのである。
ところで、メーカー各社からはさまざまなボイスレコーダーが発売されている。実際に量販店に足を運ぶと、1つのコーナーを占めるほど、その製品ラインナップは充実している。購入時にどれを買えばいいのかを迷ったことがある人も多いのではないだろうか。ここでは、私個人がボイスレコーダーを購入するときにチェックするポイントを挙げてみることにする。読者諸兄がボイスレコーダーを選ぶときの参考になれば幸いだ。
1) ボイスレコーダーとしての機能が十分なこと
これはボイスレコーダーを選ぶ際にまず考えなければいけないことの1つだ。大抵のボイスレコーダーでは、録音部分の機能は充実している。たとえば、マイクの指向性の切り替え、音声を検出したときにだけ録音される機能などだ。また、録音するときだけではなく、再生時の機能が充実したものを選ぶのもボイスレコーダー選びの基本だ。再生中に音声のスピードを調節できる機能や、再生時にインデックスを付けることができるのも外せない機能の1つ。さらに、ある程度まとまった録音だけではなく、メモなどのように細切れの録音をすることを考えると、検索や分類のし易さにも考慮する必要がある。録音や再生をするときに分類ができたり、フォルダ単位の整理ができるものなどがあるが、そうした機種を選べば、録音された音声の整理も簡単なのだ。
2) 録画した音声はパソコンに保存できること
メモ録りのためだけにボイスレコーダーを使うということならば、ボイスレコーダーで録音したデータをパソコンに保存できる必要はない。ところが、ボイスレコーダーを使い始めると、中にはどうしても保存しておきたい録音が含まれてしまうことがある。録音した音声を外に出力することができないボイスレコーダーを選んでしまうと、これはハッキリ言って完全にお手上げ状態になるのは必至。必要な録音を消去せずに、新しい録音をするとどんどんボイスレコーダーのメモリを圧迫し、最後には何も録音できない、なんていう状態になってしまう。パソコンに音声を転送できれば、転送した録音をボイスレコーダーから消去することも可能だ。
パソコンへ音声を転送できるボイスレコーダーは多いが、大抵はUSBインターフェイスを利用することになる。しかし、このUSBというのが実はクセモノだったりするのである。ボイスレコーダーを使い始めると、いつも携帯することが多くなる。つまり、パソコンとボイスレコーダーが繋がるのは、ごくごく限られた時間なのである。いつもは繋がってないけど、必要なときに繋ぐといった使い方だ。このあたりは、多くのデジカメなんかもそうだ。ところが、不精な私はよくUSBケーブルをなくしたり、大量に転がっているUSBケーブルのうち、どれを使っていいのかが分からなくなってしまうことがしばしば、なのである。結局訳が分からなくなって、使わなくなってしまった機器がゴロゴロ転がっているという情けない状況になっているのだ。
そんなわけで、USBケーブル無しでパソコンに接続できるボイスレコーダーを選ぶということになるのだが、これはハッキリいって機種が限定されてしまうのが悩みのタネなのだ。USBケーブルが不要でパソコンに接続できるものというと、ボイスレコーダにUSBコネクタが直接装備されているもの、あるいは、記録メディアとしてリムーバブルメモリがサポートされているものに限られてしまうのだ。リムーバブルメモリならば、そもそもケーブルが必要ないので、とても快適に使うことができるというわけだ。
3) 大容量のメモリを搭載していること
ボイスレコーダーはメモリに音声を録音することになる。当然のことながらメモリ容量は多ければ多いに越したことはない。メモリが多ければ多いほど大量に録音できるからだ。先にも書いたが、私にとってベストなのはリムーバブルメモリをサポートしていること。容量を増やしたければより大容量のメモリを使えばいいわけだし、イザというときにメモリ容量が足りなくなってしまうときのことを考え、予備のメモリを持ち歩くこともできるからだ。
■ ソニーのICD-MS515に決まり!
そんなわけで、以上のことを踏まえて機種選びをすると、おのずと機種が限定されてしまう。これらの全てをサポートしているのが、ソニーのICレコーダー「ICD-MS515」なのだ。スペックについては、ソニーの製品情報ページを見てもらうとして、いままで上げた全ての機能サポートしているという、まさに言うことのない機種なのである。
まずは、録音、再生時の機能であるが、マイクの感度切り替え、インデックスの付加をはじめ、フォルダを選択しての録音、VOR機能(音声が入ったときだけ録音する機能)、リピート再生、ピッチコントロール再生など、ボイスレコーダーが必要とするすべての機能を満足している。ただ、以前はVORの切り替え、マイクの感度切り替えなどが本体のスイッチでできていたのが、ICD-MS515では表示されるメニューから切り替える方式になってしまったことだ。メニューに関しての操作感はまずまずなのだが、ワンタッチで切り替えることができなくなってしまったのは非常に残念だ。
録音は本体に装着したメモリースティックを利用する。本体には32MBのメモリースティックが付属し、最大11時間の録音が可能だ(LPモード時、SPモードでは4時間24分)。ちなみに、128MBのメモリースティックを利用すると、実に最大47時間26分(LPモード時)の録音が可能だ。128MBのメモリースティックを別途購入すれば、それだけでも十分なのだが、万が一、一杯になったとしても予備のメモリースティックがあれば、録音時間を気にせずに使うことができるだろう。
パソコンとの連携は、USB、メモリースティック両方に対応している。つまり、メモリースティックにアクセスできる環境があれば、本体からメモリースティックを取り出し、パソコンに挿入するだけで録音したデータのコントロールが可能だ。また、USBポートに接続して使うこともできる。これならば、たとえUSBケーブルをなくしたって安心して使うことができる。
なお、録音データの管理は、付属のDigital Voice Editor 2を利用する。音声フォーマットはソニー独自の方式だが、より一般的なWAVE形式に変換することができる。さらに、ドラゴンスピーチやViaVoiceといった音声認識ソフトと連携する機能を持ち、録音した音声を文章に自動変換するといったこともできる。ちなみに、本体に同梱されているDigital Voice Editor 2よりも新しいバージョンが、ソニーのサイトで公開されているのでチェックして欲しい。新しいバージョンのDigital Voice Editor 2を利用すると、音楽CDや語学学習用のCDをリッピングして、IC-MS515に転送することも可能だ。MP3プレーヤーではないので、音楽の再生には向かないが、語学を学習するために教材を取り込むといった使い方ができるようになっている。
ICD-MS515は基本機能、周辺ソフト共に非常に高いレベルにあるボイスレコーダーだということができるだろう。
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ICD-MS515で録音したデータは、付属のDigital Voide Editor 2で管理することができる。メモリースティック内の録音データをハードディスクに格納したり、メモリースティックに書き戻すこともできる他、WAVファイルへの変換、録音データの再生など、ボイスレコーダーを使う上での便利な機能のほとんどがサポートされている
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Digital Voice Editor 2のもう1つの特徴は、オーディオCDをリッピングして、ICD-MS515に転送できること。ボイスレコーダーということで、音質はかなり悪いため音楽を再生するのには向いていない、しかし、語学教材といった音声のみが含まれているものならば十二分に実用になるし、ICD-MS515での再生時にスピードを変更することもできるので、英語のヒアリングなどのトレーニングに最適だ
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評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★ |
こういうアイテムを携帯して、さっとスーツのポケットから取り出して使うと、いかにもデキるビジネスマンに見えます。というわけで、イバり度はやや高め。 |
実用性 |
★★★★★ |
数あるボイスレコーダーの中で、ボイスレコーダーとしての性能はピカ一です。最近のボイスレコーダーは写真が撮影できたり、MP3データを再生できるものもあります。しかし、ボイスレコーダーとして使い倒すためには、基本機能が充実したものを使うべきでしょう。 |
お値段 |
★★★ |
機能からみると、妥当な価格ではないでしょうか。 |
価格 |
実売24,000円程度(量販店にて) |
ボイスレコーダーってそうそう買い換えるものではありませんが、たぶん3年くらい使うと飽きちゃうので、予想利用時間は3年としました。操作系については、出来ることが非常に多いのでやや複雑です。シャトル型のスイッチを押すと再生・停止、上下に押すとスキップ、バックスキップ。さらに、後ろに倒すとメニューの表示、前に倒すとフォルダの選択。それに加えて、インデックス、リピート、録音、停止、消去ボタンがあります。そのため慣れるまでは理解するのにやや時間がかかるかもしれません。ただし、それぞれのボタンの機能がうまく考えられているので、慣れてしまうと、非常にスムーズに使うことが可能です。 |
利用期間 |
3年 |
1日あたり単価 |
21円 |
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■ URL
ICD-MS515 製品情報
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/icrecorder/products/index.cfm?PD=10364&KM=ICD-MS515
(広野忠敏)
2003/04/09 15:18
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