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水の中でもバッチリ撮影ができる ソニー サイバーショットU DSC-U60
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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またまた面白いデジカメが登場した。ソニーのサイバーショット「DSC-U60」である。なんとこのデジカメ、非常にコンパクトでありながら、水深1.5mまでの防水性能を持っている。つまり、雨に濡れても平気、水に潜っても全然大丈夫なデジカメなのだ。今回は、水中デジカメ「DSC-U60」をレビューしてみることにしよう。
■ とにかくお風呂に沈めてみた
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サイバーショットU「DSC-U60」。片手でホールドできる形状は非常に使いやすい
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「DSC-U60」の特徴は、水深1.5mまでの防水性能を持っていること。今までも防水仕様のデジカメはいくつかリリースされてきたが、それらはどれも「現場作業用」としてのものだ。比較的悪天候でも工事現場などで利用できるようにと開発されているもので、いかにもゴツくて、現場作業員が使う感じ、ってものがほとんど。
「DSC-U60」はそもそも水中撮影や水辺での撮影、つまりレジャーを目的としたコンセプトで開発されたものなので、防水仕様といっても、現場作業用デジカメとは一味も二味も違う。デザインからして、一般のデジカメとは違うのである。「DSC-U60」のデザインは、一言でいうと「片手で気軽にホールドできる」ようになっている。本体はスティック状で、手で包み込むように持つと、ちょうど人差し指に位置にシャッターボタンがくるといった感じ。指がレンズやストロボに掛かることもないし、非常に使いやすい。片手でホールドできることにより、シャッターチャンスを逃がしてしまうことも少ないだろう。
また、操作系もよく考えられている。一般のデジカメよりもボタンがやや大きめにつくられているので非常に操作しやすい。これは、たとえばスキーなどのスポーツ用のグローブをはめた手でも操作できるようにという配慮だ。実際のところ操作感は非常に良好。たしかにグローブをはめた手でも操作できそうな感じだし、素手でも非常に操作がしやすい。
そんなわけで「DSC-U60」のウリである防水性能を試してみた。さすがに、「DSC-U60」を理由に海水浴やプールに行っている時間はないので、場所は自宅のお風呂である。水深は80cmといったところだろうか。ちなみに、いくら防水性能を持つといっても、こうしたデジタル機器を水につけるのはなかなか勇気がいる、というか、ひょっとしたらいけないことをしているのではないだろうか、といった気分になってちょっとドキドキだ。
結果、というか当たり前なのだが、水に潜ってもなんら問題なし。水中で普通に撮影をすることもできるし、フラッシュを使った撮影も可能だ。もちろん、単純に撮影するだけじゃなく、「DSC-U60」を水に漬けた状態でも撮影モードを切り替えたり、撮影した画像を液晶画面にプレビュー表示したり、といった「DSC-U60」が持っているすべての機能を使うことができる。濡れていないときは全部使えるけれど、濡れてるときは一部の機能が使えないなんていう心配はまったくいらないのである。
もちろん、防水だからといって撮影場所は「水中」に限った話ではない。土砂降りの雨の中だってつかえるし、泥地や砂地でも大丈夫。一般のデジカメを使ったら絶対に壊れる! なんていう場所で気軽に撮影を楽しむことができる。防水なので汚れたら洗ってしまえばいいのもうれしい。「DSC-U60」が使えないシチュエーションを探すほうが難しそうだ。
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レジャーを目的としたコンセプトで開発された「DSC-U60」は、これまでの防水性能を持つデジタルカメラとはちょっと違うデザイン
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片手で持った場合、人差し指の位置にシャッターボタンがくる。レンズやストロボに他の指は掛かることがない
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■ デジカメとしての性能はどうか?
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夕方の街並みを撮影。リンク先は1,632×1,224ピクセルの無加工画像(411KB)
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ところで、さまざまなフィールドや水中で使えるのはいいとして、デジカメとしての性能はどうなのだろうか。一口で言ってしまうと、「DSC-U60」は同社のデジカメ「DSC-U30」に撮影モードなどの機能を若干追加した形になっている。ほとんどの機能は「DSC-U30」と同じ。また、ユーザーインターフェイスも「DSC-U30」とほぼ同じだ。
総画素数は210万画素、有効画素数は200万画素で、1,632×1,224ピクセルと640×480ピクセル(VGAサイズ)の撮影が可能。また、静止画だけではなく、動画の記録もできる。動画モードでは160×112ピクセルで、約15秒間の撮影が可能。動画の記録方式は、MPEG-1で音声は記録することはできない。さらに、オートマクロ機能を搭載し、10cmまで近づいたマクロ撮影や水中マクロ撮影が可能だ。
また、サイバーショットといえば、夜景モードなど豊富な撮影モードを搭載していて、初心者でも周囲の状況に応じた結構きれいな写真を撮影できるのが特徴の1つ。「DSC-U60」では夜景モードやソフトスナップモードといった通常撮影モードだけではなく「水中撮影モード」と「アクティブアウトドアモード」の2つの撮影モードが追加されている。水中撮影モードは、文字通り水中を撮影するためのモード、通常のモードで水中撮影をすると、全体が青っぽく写ってしまうことがあるが、「水中撮影モード」では、青がかぶらないように撮影してくれるモードだ。ちなみに、お風呂で「水中撮影モード」を使って撮影をしたら、全体がオレンジっぽくなりました。当たり前ですが……。
一方の「アクティブアウトドアモード」は晴れた野外で動きの早い被写体を撮影するときの専用のモード。防水性能だけではなく、こうした新しい撮影モードの搭載に、なんというかソニーの本気を感じてしまったのは、私だけではないはずだ。
なお、液晶ディスプレイは1インチを搭載。ハイブリッド型なので、比較的暗い屋内でも野外でも視認性は非常に高い。ちなみに、同じく1インチの液晶ディスプレイを搭載した「初代サイバーショットU」では、撮影後に液晶画面でプレビューしても、ディスプレイがあまりにも小さすぎて、ピントが合っているのかどうかすらわからなかった。しかし、「DSC-U60」(ちなみにU30も)は、画面の中央部だけを2.5倍と5倍に拡大することができるため、とりあえず撮影後にディスプレイでピントが合っていたかどうかを確認することが可能だ。ただし、拡大できるのは画面の中央部のみ。拡大して上下左右に移動するといったことはできない。拡大画像の移動ができれば、撮影後に画像全体の確認もできて便利だとは思うのだが、残念ながらそれは不可能だ。せっかく拡大できるようになったのだから、中央部分だけではなく、その他の部分も確認したい。次のモデルでは、ぜひともこのあたりのところも改良して欲しいものだ。
ちなみに、記録メディアは、サイバーショットなのでメモリースティック。64MBのメモリースティックを使用した場合、通常撮影モードで1,632×1,224ピクセルの画像を撮影すると、約122枚記録することができる。また、バッテリーは単4型ニッケル水素充電池を2本利用する。バッテリーとメモリースティックは「DSC-U60」の底部に入れることになるが、ふたが二重になっていて、さらに内ふたにはゴムパッキンがついているため、水が入る心配はない。また、水中で簡単に開かないようにロック機構が装備されている。当然のことだが、水中でふたをあけてしまうと壊れてしまうので注意。余談だが、水中で無性にふたを開けてしまいたい衝動にかられてしまった。
姉妹機の「DSC-U30」と比較すると、ボディもやや大振り(それでも十分にコンパクトだが…)だというデメリットはあるが、シーンや環境を選ばず、どこでも、いつでも気軽に撮れるというのはいい。とにかく非常に機動力の高いデジカメだということができる。
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大きな操作ボタンも扱いやすい
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底面にバッテリーとメモリースティックを入れる。ふたは二重になっていて、ゴムパッキンもある
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リンク先は「DSC-U60」で撮影した動画(MPEG-1形式、335KB)
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評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★★ |
とりあえず水につけてイバりましょう。さらに、洗ってもイバれます。 |
実用性 |
★★★★★ |
水中だろうと、雨の中だろうと、雪だろうとどこでも使えるのは、非常に実用性が高いといえるでしょう。 |
お値段 |
★★★★ |
性能を考えると割と妥当なセンではないでしょうか。 |
価格 |
26,800円(ソニースタイル) |
1年後くらいに次のモデルが出ると予想して、利用期間は1年。ちなみにサイバーショットUシリーズは、水中撮影が可能な「DSC-U60」と、ボディが非常にコンパクトな「DSC-U30」の2つがあります。どちらも値段は一緒。でも、面白さなら「DSC-U60」の圧勝ですね。 |
利用期間 |
1年くらい |
1日あたり単価 |
73円 |
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■ URL
製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-U/
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200306/03-0602/
(広野忠敏)
2003/08/07 12:30
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