サイプレスコーポレーションの「e-Note」は、OSにWindows CE .NET 4.1を採用し、SVGA表示が可能な液晶ディスプレイを搭載した携帯端末だ。Windows CE .NETを搭載しているということから、「それってPDAでは?」と思われる方もいるかもしれないが、ここではあえて「携帯端末」と呼ぶことにする。その理由の一つが、携帯用のデバイスとしてはかなり大きめの液晶ディスプレイを搭載していることが上げられる。
e-Noteに代表される比較的大画面の液晶を搭載したWindows CE .NETマシンの最も面白い使い方は、リモートデスクトップのクライアントとして使うことではないだろうか。リモートデスクトップとは、Windows XP Professionalでサポートされている機能で、ネットワーク経由で接続した別のパソコンから、Windows XP Professinalをインストールしたパソコンを使うための機能。Windows XPなどがインストールされたパソコンだけではなく、Windows CE .NETからも利用することができる。
たとえば、自宅の書斎にWindows XP Professinalがインストールされたパソコンが設置されていて、無線LANでインターネットに接続できる環境が構築されているものとしよう。e-NoteのPCカードスロットに無線LANカードを装着すれば、e-NoteにインストールされているIEでホームページを閲覧したり、インターネットを利用できるのは先にも触れたとおり。それに加えて、eNoteのリモートデスクトップクライアントを起動すると、書斎に設置したWindows XP Professionalのログオン画面がe-Noteに表示されるというわけ。つまり、e-Note経由で書斎のパソコンを使うことができるのである。つまり、e-Noteと無線LAN環境さえあれば、わざわざパソコンを使いに書斎にいかなくても、トイレの中だろうとリビングだろうとどこにいても書斎のパソコンを使うことができるのである。もちろん、インターネットのさまざまなリソースを閲覧する際にも、e-NoteのIEではなく、いつも使い慣れたパソコン経由で、Windows XPのIEを利用するといったことも可能だ。
たとえば、自宅のWindows XP Professionalを出先のノートパソコンで使うといったことは簡単にできるし、実際にそのように活用している人もいるのではないかと思う。また、ハンドヘルドPCを使って出先から自宅のパソコンにアクセスしているなんていうコアな人もいるかもしれない。ハーフVGAのハンドヘルドPCやPocket PCなどのPDAでは、画面が狭いため、リモートデスクトップを使っていてもあまり実用的な感じはしなかったが、e-Noteに搭載されている800×600クラスの画面ならば、十分に実用的ではないだろうか。タブレットPCが欲しいけど高くて買えない、なんて人もタブレットPCモドキの使い方ができるのもe-Noteの魅力の一つだといえるだろう。