ケータイ Watch
連載バックナンバー
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ソニー サイバーショットU DSC-U60
[2003/08/07]

極楽テレビ生活再び
ソニー コクーン チャンネルサーバー CSV-P500
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ウイングスタイルはどう進化したのか
ソニー CLIE 「PEG-NX80V」
[2003/07/03]

小さい、軽い、安い!
日本HP iPAQ Pocket PC「h1920」
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コンパクトにスタイリッシュになった
アップルコンピュータ 「iPod 15GBモデル」
[2003/06/11]

ボールペンで書いたメモがそのまま画像データに!
ゼブラ「手書きリンク」
[2003/05/28]

小さくても性能はバツグン
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[2003/05/14]

新しくなったシグマリオン
NTTドコモ 「sigmarionIII」
[2003/05/07]

指紋認証機能搭載のPocket PC
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家の中でもモバイル環境を実現
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[2003/04/16]

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Graffitiが苦手でも安心
ソニー CLIE「PEG-TG50」
[2003/03/26]

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[2003/03/13]

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[2003/03/07]

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[2003/02/26]

ドッキング可能なタブレットPC
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[2003/02/12]

さらに「ヘビー」になった“全部入りCLIE”
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高級感たっぷりのネットワークウォークマン「NW-MS70D」
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メモ機能のついた英語重視の電子辞書
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[2003/01/16]


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おとなのおもちゃタイトルGIF
さらに進化したウイングスタイル
ソニー CLIE 「PEG-NX70V」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 ソニーのCLIE「PEG-NX70V」は折りたたみ型(ウイングスタイル)モデルの2代目となるCLIEだ。オープンスタイル、ターンスタイルの2つの使い方ができる独特のスタイルは、所有する喜び、見せる喜びの両方を満足できる数少ない製品の一つだといえる。新しいCLIEは、どこがどのように変わったのだろうか。


最強のCLIEがもっと最強になって登場!

PEG-NX70V(グラファイトグレー)
 CLIEのフラッグシップモデルといえば、独特のウイングスタイルを採用したPalm OS搭載PDAだ。携帯電話のように中央で2つに折れるボディを採用。オープンスタイルと呼ばれる開いた状態では、液晶ディスプレイとキーボードが使える。閉じると、そのまま液晶を保護できる。ターンスタイルと呼ばれる液晶を回転させて閉じた状態では、一般的なPalm OS搭載PDAと同じようなスタイルで使えるのがウイングスタイルの特徴だ。

 今回紹介する「PEG-NX」シリーズは、ウイングスタイルを採用したCLIEの最新のモデル。31万画素のデジタルカメラが搭載された「NX70V」とデジタルカメラが搭載されていない「NX60」の2つがリリースされている。NX70VとNX60の価格差は1万円程度なので、もし購入を検討しているならば、NX70Vを選んだほうがお得だといえるだろう。

 ウイングスタイルを採用したCLIEにはNR70Vがあったが、NX70Vではカメラの性能が31万画素に、CPUにインテルのPXA250 200MHz、OSにはPalm OS 5を、そして通信用のCFカードスロットを搭載した点が新しい。特に通信用のカードスロットを本体に搭載したことは、CLIEで通信をしたい人にとって朗報ともいえるもの。いままでのCLIEではCFのPHSカードなどを使って通信をしようと思うと、オプションのコミュニケーションアダプタが必要だったが、NX70Vではオプションを購入することなくPHSカードなどを使って通信をすることができるのである。


通信用のカードスロットを新たに搭載

 ところで、NX70Vで一番気になるのが、通信用カードスロットを搭載したことによる大きさの変化だろう。通信用カードスロットにはCFタイプのPHSカードや無線LANカードなど通信をするためのカードを挿入して使うことができる。実際に実機を見るまでは、元々PDAとしてはかなり大きなサイズのNR70Vに通信用カードスロットを搭載しているのだから、さらに大きなサイズになって結局は使いにくくなってしまっているんではないか、と思っていた。だが、実機を見るとそうした考えは一蹴されてしまう。ベースになっているNR70Vの大きさが元々大きいため、NX70Vは想像していたよりもかなりコンパクトに感じるのである。

 通信用カードスロットは、本体の裏面上部(メモリスティックスロットの下)に挿入する形状になっているのだが、本体全面が厚くなっているのではなく、通信用カードスロットの部分だけがランドセルを背負っているような感じで厚みが増しているだけなのである。通信カード以外の部分のについては、NRとほとんど変わらないサイズ。実際にNR70VとNX70Vを手に持って比べてみると、それほど違和感がないのがわかる。また、NXでは背面の通信用カードスロット部がちょうど手のひらにすっぽりと納まるようになるので、なかなかホールド感は良い。

 なお、通信用カードスロットに挿入できるカードは、現状ではPHSカードや無線LANカードなど通信をするためのカードに限られている。ゆえに、CFタイプのインターフェイスであるにもかかわらず、CFカードスロットではなく、通信用カードスロットと明記されているのである。つまり、CFタイプのハードディスクカードや、メモリカードなどを使うことができないというわけ。せっかくCFスロットが装備されているのだから、通信をしないときはメモリカードに差し替えて、メモリカードに保存した音楽をNX70Vでたっぷりと楽しもう…といった使い方をすることはできない。このあたりは少々残念な部分だ。


 外観に関しては、通信用カードスロットが装備された部分以外大きな変更はない。数字や一部の文字(「ー」など)が入力しにくいキーボードもそのまま。ターンスタイルにしたときに押せなくなってしまうハードウェアボタンもそのまま。本体サイドの使いにくいジョグダイヤルと押しにくい「BACK」ボタンもそのまま。スタイラスが落ち易くなっているスタイラス収納部もそのままである。特に、ジョグダイヤルとBACKボタンの位置、そしてスタイラス収納部に関してはNR70Vのレビューでも書いたが、是非とも改善して欲しいポイントだ。

 NX70VはCLIEの伝統ともいえるジョグダイヤルとBACKボタンで、そこそこの操作をすることができる。ビューワーとして使うならば、ほとんどスタイラスの操作は不要だ。NR70V/NX70V共に、このジョグダイヤルとBACKボタンの位置がかなり使いにくいのである。これは液晶を開いたオープンスタイルで使ってみるとよくわかる。ジョグダイヤルは本体をホールドしたときに親指の位置にあるのがベスト。ところが実際は親指よりはやや下にくる。そのため、ジョグダイヤルを回そうとして、NXを持ったまま親指を下に移動することになる。このときに、ターンスタイルではそれほど問題は感じないが、オープンスタイルでは液晶部分が開かれているため、奥に加重がかかり、バランスを崩して落としそうになってしまうことがある。BACKボタンはジョグダイヤルの下にくるため、こうした傾向がより顕著にあらわれる。オープンスタイルになると押せなくなってしまうハードウェアボタンもそうだが、PDAのボタン類は「存在すれば良い」というものではないハズだ。使い易い場所にあって、初めて意味をなすものではないだろうか。

 それと、スタイラス収納部はあいかわらず本体の下部にある。そのため、ポケットやバッグから取り出すときに引っかかって落ちることがある。あるいは、利用中にニュートンのリンゴのごとく重力の法則にしたがって落下してしまうこともしばしば。発売直後にNR70Vを購入した私は、すでにスタイラスを10個ほどなくしてしまった。おまけに、いつなくなってもいいように、手元にはいつも予備があるという状態に…何度も書いているが、是非とも改善して欲しいポイントの一つだ。

 ただ、こうしたちょっとした使いにくさが気になるのは、それ以外の部分の完成度が非常に高いためだということも、また事実である。これが、完成度の非常に低い製品だったりすると、その完成度の低さゆえに、その他のクリティカルな部分が目についてしまい、ちょっとした不満など、もっと大きな不満にかき消されてしまう。しかし、NR70Vではそうしたことはないと断言できる。


本体左に配置された各種ボタン ハードウェアキーボードのキー配置などは「NR70V」とほぼ同等

ソフトウェアはどうなったのか

「CLIE Launcher」
 つぎに、搭載されているソフトウェアを見てみよう。まず、目に付くのがアプリケーションランチャーのユーザインターフェイスと画面デザインが一新されていること。カテゴリに分けられているアプリケーションを選んで、アプリケーションを起動できるのは従来と同じ。だが、ジョグダイヤルだけでカテゴリの選択とアプリケーションの選択ができるのに加えて、どのカテゴリが表示されていたとしても、ジョグダイヤルを回すだけでシームレスにすべてのアプリケーションアイコンが選択できるので、操作性はかなり向上している。さらに、よく使うアプリケーションのアイコンを常に画面に表示させることが可能だ。

 その他のアプリケーション群で新たに搭載されたのは、Webブラウザの「NetFront」、内蔵カメラで動画を記録できる「Movie Recorder」、動画再生の「Movie Player」、音声メモの記録ができる「Voice Recorder」、手書きでメモが取れる「CLIE Memo」、また、PEG-SJ30と同様に、電子本ビューワーの「Pook」とお試し本3冊も搭載されている。

 中でもカメラ系のアプリケーションは搭載カメラの性能が向上したのにあわせて刷新されている。先にも書いたが、NX70Vに内蔵しているカメラは31万画素のCMOSイメージセンサー。このカメラを利用して、静止画だけではなく、動画も保存できるのが新しい。ちなみに、静止画では最大640×480ドット(JPEG)、動画は160×112(MPEGムービー)の記録が可能になっている。

これらの新しいアプリケーションや、従来と同様に搭載されているアプリケーションは、CPUやOSが新しくなったことで動作も快適になっている。PIMなど、ほとんどのアプリケーションは、元々動作が軽快なため、その違いはいまいちはっきりとはわからないが、画像表示系のアプリケーションを使うと、違いがはっきりと感じ取れるハズだ。

評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★★★★  一世代前のCLIE(NR70V)ユーザーにイバることをオススメします。これを見せられたNR70Vユーザーは、きっと地団駄踏んで悔しがってくれることでしょう。
実用性 ★★★  NR70Vの使いにくい部分を、そのまま踏襲しているのが問題といえば問題です。
お値段 ★★  あいかわらず高価。とは言ってもひとつ前のNR70Vと値段は同じなので、通信カードスロットを搭載している分だけ、お得です。
価格 5万9800円  NX70Vは、2代目の製品なので、予想利用時間は長めにしました。NR70VユーザーがNX70Vを手に取ると、有名なソニーの格言が頭に浮かぶハズ。その格言とは「新しくリリースされるソニー製品は2代目まで待つのが吉」というものです。NR70Vユーザーの私は、NX70Vを手に取った瞬間に、この格言が頭の中を何度も飛来しました。  なお、ここで取り上げたカラー(グラファイトグレー)のNX70Vは台数限定モデル。既に完売状態なので、ソニースタイルではもはや入手することはできません。
利用期間 1.5年
1日あたり単価 109円


・ ニュースリリース
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200210/02-1002/
・ 製品情報
  http://www.sony.jp/CLIE/

Palm OS 5を搭載した新型CLIE「PEG-NX70V」


(広野忠敏)
2002/10/23 12:32

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