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スマートに常時携帯できる電子辞書「SII SR-G7000M」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


スマートに常時携帯できる電子辞書

セイコーインスツルのSR-G7000M。ポケットサイズの電子辞書で、英語系・ビジネス向けモデルだ。視認性が非常に高い反射型TFT液晶パネル(くっきリアル液晶パネル)を搭載する
 今回は、前回に引き続いてセイコーインスツル(SII)の電子辞書。前回は、学生方面向けの英語系電子辞書のSR-S9000を扱ったが、今回はポータビリティに優れたSR-G7000Mについてレポートする。

 SR-G7000M(以下、G7000M)の特徴は、まず小さいこと。

 本体サイズは幅116.2×奥行78.2mmで、厚さは最薄部が12mm、最厚部でも18.5mmしかない。小振りの財布程度。質量は電池を含めて約145gで、携帯した感じは薄型デジカメや携帯電話端末に近い。


閉じた状態で、幅116.2×奥行78.2mmとなる。厚みは最厚部でも18.5mm。質量は電池込みで約145gだ デジカメやケータイと比べるとこんな感じ 液晶を開いてケータイと比較。ポータビリティは非常に高い

 軽くて小さいので、実際、ポケットに入れてもそんなに違和感がないG7000Mなんですな。あと、コレ、表面質感もイイ感じ。パネル面外装(SIIのロゴがある面)は金属で、底面は樹脂だが、全体的に安っぽさがなくて良い。本体の剛性も十分あるようなので、バッグの中に入れて常時携帯しても安心できそうだ。


上面はアルミと思われる金属製。ややマットめの表面質感で、黒い塗装が施されている。上品な感じで、ちょいと高級感アリ。剛性も高い 裏面は樹脂製。ツルテカな質感ですな。ゴム脚は短く、かつ、使用時は液晶パネル部端が脚の一部となるので、閉じてしまうと出っ張りが非常に少ない。嵩張らずに携帯できる感じ 電池は専用のリチウムイオン電池。電池寿命は約26~30時間となっている。フタはネジで外すようになっている

 ちなみに、電源は専用のリチウムイオン電池(内蔵)となる。電池寿命は約26~30時間。毎日持ち歩き、時には出張等にも持ち出したいG7000Mだが、万が一の電池切れ時に市販乾電池を利用できないのは若干寂しい!? ヘビーユーザーはACアダプタを持ち歩いたり、こまめに充電する必要がありそうだ。


英語・ビジネス指向のコンテンツ群

 G7000Mに収録されているコンテンツはセイコーインスツルの製品紹介ページのとおり。英語語学系が10コンテンツ、百科事典が1コンテンツ、国語が2コンテンツ、ビジネスが8コンテンツ、旅行英会話が1コンテンツとなる。



G7000Mのメニュー。収録されているコンテンツは充実しているが、その数はビジネス~英語活用のため必要なものに抑えられているという印象だ。同じメニューの並びで、検索方法設定や本体機能設定ができる。同様の操作を本体上部ボタンからも行なえる


 英語系辞書はコンテンツ数が多く、また内容も充実している。が、セイコーインスツルの上位機種と比べると、G7000Mの英語系コンテンツは学習・実用上で必要なものに抑えているという印象だ。

 日本語系はさらに必要最小限で、いわゆる国語辞典は「小学館 デジタル大辞泉」のみ(他は、百科事典と漢字辞典)。

 ビジネス系は日本経済新聞社の経済をはじめとする各種用語辞典で、この他に旅行英会話集(一応ビジネス系!?)が使える。

 英語・ビジネス指向の辞書として、余計っぽいコンテンツはほとんどありませんな。あるいは、本格的な英語学習用の辞書としては、部分部分コンテンツに物足りなさがあるかもしれない。また、当然ではあるが、日本語を記述したり深くor幅広く学習したりするのにも向きにくい。

 G7000Mは一応英語コンテンツが充実したモデルではあるが、どちらかと言えば、英語の読み書きに役立つ日常用途のビジネス電子辞書というイメージだ。

 てか、拙者とかの場合、英語っつっても突き詰めて学習するわけではなく、シンプルな英文を読んだり、簡単な英文メールを書いたりする程度。時々、英単語のニュアンスを知りたくて英英を使う程度。なので、英語において仕事に役立てるツールとしては、十分実用的なコンテンツ群だと感じている。

 あと、若干余談だが、個人的に「実業之日本社 ブルーガイド わがまま歩き旅行会話 英語」がちょっと好き。けっこー定番の“すぐ使える英会話集”的存在だが、検索性も高かったりして便利だ。


「実業之日本社 ブルーガイド わがまま歩き旅行会話 英語」では、シチュエーション別の実用英会話例文を参照できる。ありがちな辞書だが、ちょいと便利な存在だ こんな例文が多数用意さている 検索性も高く、英語、日本語から英文を検索できるほか、和英辞典として単語を調べることもできる。もちろん、インクリメンタルサーチで

 G7000M、旅行に持っていきたい辞書ですな。軽くて小さくて、英語辞書として十分実用的(観光程度なら十二分!?)だし、サクッと使える実用英会話例文的なコンテンツもある。また、ネイティブ発音対応であり、しかも後述のように“本体内にスピーカーを内蔵”していたりする。


リアルな発音をスピーカーで

 拙者的にG7000Mの超気に入れたトコロと言えば、ひとつはネイティブ発音対応でありかつスピーカー内蔵という点である。てか、このサイズの汎用電子辞書で、ネイティブ発音対応+スピーカー内蔵っての機種は、ありました? 拙者は初めての体験かも。

 G7000Mのキーボード面中央には非常に小さなスピーカーが内蔵されている。同時に、ネイティブボイスサーチ&ジーニアス・サウンドにより、コンテンツに関係なく任意の英単語を発音させられる。英単語を引けば、画面上にある英単語の発音を、スピーカー経由で聞けるってわけですな。前述の「実業之日本社 ブルーガイド わがまま歩き旅行会話 英語」なら、例文を丸ごと発音させられる。


キーボード面中央下に小さなスピーカーを内蔵する。英単語等のネイティブ発音音声をここから聴けるのだ 任意の英単語を発音させられる。同じ綴りでも、動詞で使うか名詞で使うかで発音が違うことがあるが、その違いもネイティブ発音で確認できる 本体右側面にはボリュームダイヤルと3.5Φステレオイヤホンジャックがある。ポータブルオーディオプレーヤー等に使われている一般のイヤホンがそのまま接続できるヨ!!

 ポケッタブルなサイズでネイティブ発音、というなら、SR-ME7200という機種もあった。が、SR-ME7200はスピーカー非搭載で、イヤホンも2.5Φ(一般のミニプラグより小さいプラグ径)だったので、使いにくかった。

 が!! G7000Mはスピーカー内蔵でプラグ直系も3.5mm!! バンザーイ!! てな印象であり、ネイティブ発音機能大好き野郎にとっては、非常に強まっているし違和感のない仕様だと言えよう。

 細かい話だが、ネイティブ発音対応でも、イヤホン接続しないと聴けないとなると、面倒になってあんまり発音機能使わなくなったりするんスよね。でもスピーカー内蔵なら、辞書引くたびに何となく発音させたりして。そうすると「あ、この単語の発音ってこんなんなの!?」と新たな発見をしたりも。楽しいし、勉強になる感じ。

 ちなみに、ネイティブ発音の音質だが、音自体の滑らかさという点では若干物足りない。カサついたような音質ではある。しかし、発音を耳で体験する、正しいイントネーションを知る上では、十分OK。リスニング力向上にもシッカリつながると思う。


見やすい液晶は白黒反転もしちゃうヨ!!

 もうひとつ、特徴的であり実用的であり拙者的に非常に気に入れたのが、最近のセイコーインスツル製電子辞書に搭載されまくりの“くっきリアル液晶パネル”である。反射型TFT液晶・VGA(640×480ドット)表示の超見やすい画面ですな。


コントラストが高く、やや暗い環境でも視認性の高い反射型TFT液晶パネルを搭載する。解像度は640×480ドット(VGA) 真正面からならヒッジョーに視認性が高いが、斜め方向から見ても十分よく見えたりする 文字を白にするか黒にするか(バックを黒にするか白にするか)を選べる。この機能、G7000Mで実現した、業界初のものだそうだ

 この液晶の見やすさは特筆モノだが、字で書いても伝わりにくいので、特見モノっていうかなんか、ゼヒ店頭で実機の表示をご覧いただきたい。ホントに視認性高いっスよ。

 あと、上の写真にあるように、G7000Mの液晶は白黒反転させることができる。好みに応じて黒バックで表示させるのも良いし、あるいは低照度下での利用には黒バックのほーが文字を読みやすいようにも感じる。

 ただ、黒バックにすると、画面への映り込みが若干気になったりもしますな。画面上の文字量が多ければ、さほど映り込みは気にならないが、画面の大半が黒である(文字が少ない)場合だと、なんかこう、自分の顔とか周囲の白っぽいモノが映り込んだりして少々気が散る。

 ツルテカ液晶面の弱点か? ノングレアパネルだったらこういう問題も起きないのか? と考えてしまうが、多くのケースでG7000Mの液晶パネル角度をチョイと変えれば解消できる問題なので、ま、あまり気にする必要はないのかも。

 あと、G7000Mでは文字サイズを5段階──12ドット、16ドット、24ドット、32ドット、48ドットから選べる。サイズ変更は文字サイズキーを押すだけ。で、結論から言えば、便利は便利だが、G7000Mの4.0型という液晶パネルサイズでは、実用性がアリエナイ的に低い文字サイズになるケースも。


文字サイズキーを押すことにより、多くの表示モードで表示フォントサイズを変更できる 12ドットフォントでの表示例。アリエネエ~!! 全角1文字の幅が2mm以下っす。読めねぇ~!! なお、12ドットフォントでは、全角で53文字×34行、半角で106文字×34行を表示可能だ 16ドットのフォントで表示。全角で40文字×26行、半角80文字×26行表示できる。顔に近づけないと読めないサイズ。このサイズで表示するシチュエーションも、いまいち思いつかない

24ドットフォント表示。全角で26文字×16行、半角52文字×16行表示できる。画面と文字サイズのバランスとしては適当だが、4.0型パネルでこの文字サイズだと、ちょいと使いにくいかも!? ちなみに、全角1文字の幅は3mm程度だ 32ドットのフォントで表示したところ。全角で20文字×12行、半角で40文字×12行表示できる。読みやすい文字サイズだが、一覧性が下がった感じ 48ドットのフォントで表示したところ。全角で13文字×8行、半角で26文字×8行表示となる。超読みやすいが、一覧性が旧世代の電子辞書並みとなって残念。でも、文字自体は非常にキレイ

 拙者的結論を言えば、24ドットか32ドットなら文字の読みやすさがありつつ、一覧性もそこそこあって実用的かナ、と。欲を言えば、24ドットと32ドットの中間の文字サイズがあればなァ、と。もっと言えば、4.0型液晶にVGAは、やはり電子辞書の文字表示にはちょっと高精細過ぎ?

 もちろん、見やすさとか、あるいは文字サイズ・画面サイズのバランスは、各ユーザーが判断するところではある。が、サイズ違いで解像度も見やすさも同じ液晶を搭載するSR-S9000と見比べたりすると、G7000Mのくっきリアル液晶パネルの使い心地は、4.0型というサイズからしわ寄せ食らってるかも、と思う次第だ。


操作感はどうよ?

 最後にG7000Mの操作感等を。

 言ってしまえば、慣れちゃえば全体的に違和感がない操作感であり、ボタン位置であると感じる。が、しばらく使い続けてきた後でも、まだ「ナンカなぁ」と思うところがヒトツ。キーボードである。

 ポケットサイズなので、キーボードの押下感は、押し応え的に物足りなくて、配列も狭め。しかし、この点には間もなく慣れられた。慣れにくかったのは、キーが格子状に配列してあることと、キートップの刻印である。


格子状に縦横真っ直ぐに並んだキー。パッと見は整然と美しいが、ややタイプしにくい。また、キートップの刻印がナゼか小文字。例えば“r”と“t”を区別しにくかったりして使いにくい キーストロークは非常に浅い。押下感にも乏しい。使い始め当初はちょいとタイプミスしがちであった

 拙者的要望を言えば、キーが格子状の配列であるか、キートップ刻印が小文字であるか、どっちかにして欲しかったところ。両方ともこういう非標準的な仕様にされちゃうと、正直、使いにくい。

 例えば、格子状の配列なので、タッチタイプの意識でキーを探そうとすると、スッとキーが見つからないのだ。いや、タッチタイプするってんじゃなくて、キーとキーの位置関係を“いつもの感じで相対的に掴もうとすると”ちょっと戸惑う。

 同時に、キートップの刻印が小文字表記なのだ。普通のキーボードなら“R”と“T”だが、G7000Mだと“r”と“t”。RT、rt、どっちが紛らわしいかってコトですな。QWERTYUIOPとqwertyuiopでも同様。ユーザーの大半はキートップの刻印として英字大文字を見慣れているのだから、そーゆートコロはゼヒ、慣例に従ってスタンダードな仕様にして欲しかったと思うのだ。


 他の部分に関しては、あまり思い浮かばない。てか、タイプするたびに「いや~ん小文字キートップ見にく~い!!」とストレスを感じているので、他の難点はその背後に隠れてしまったのかもしれない。

 とまあ、G7000Mをザッと見てきたが、総じて非常に優れたポケッタブル・電子辞書だと思う。って、上記さんざんキートップがヤダって書いてたろ>俺、ってのもあるんだが、それを掻き消す良さも多々あるのだ。

 すなわち、画面の見やすさ、一覧性の高さ、スピーカーでネイティブ発音を聞けたりコンテンツ的にも量より質の手堅さがあり、実は実勢価格もそーんなに高くないG7000Mなのである。内容の濃い小型電子辞書を探している、というなら、まずG7000Mに触れてみることをオススメしたい。



URL
  「SR-G7000M」製品情報(SII)
  http://www.sii.co.jp/cp/products/english/srg7000m/
  SII電子辞書 製品情報
  http://www.sii.co.jp/cp/index.html

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