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無線LANで写真転送!! なSDメモリカード
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


無線LANで写真転送!! なSDメモリカード

 2008年12月22日に発売されたEye-Fi Shareカード。デジカメ用の無線LAN入りSDメモリカードですな。2007年に米国で発売され、その機能/利便から日本国内でも大きな話題を呼んだ。コレが日本でも使えるようになったわけであり、俺も速攻で購入し、使ってみた。


Eye-Fi Shareカード本体。モノとしてはSDメモリーカード(2GB)で、デジカメに挿して記憶メディアとして使える。無線LANアダプタなどを内蔵しており、撮った写真をPCやWebサービスへダイレクトにアップロードすることができる。実勢価格は9980円

 Eye-Fi Shareカード(以下、Eye-Fi)は、基本的には2GBのSDメモリカードだ。デジカメなんかに挿して記憶メディアとして使えるヨ、と。これに加え、無線LANアダプタなどを内蔵している。これにより、デジカメで撮った写真をメモリカードの抜き差しをすることなくPCやWeb(写真共有サイトなど)にアップロードすることができるのだ。


Eye-Fiのパッケージ こんなふうに開き、左に本体とカードリーダ、右に説明書がせり出してくる。この紙箱自体も注目を集めていた Eye-Fi本体と付属のカードリーダ。カードリーダは一応Eye-Fi専用のようだが、拙宅環境では一般のSDメモリカードを使用することができた。SDHCカードの読み書きも行えた

 でまあ、要は、手持ちのSDメモリカード対応デジカメにEye-Fiを挿せば、デジカメが無線LAN対応になるんですな。Eye-Fi使えばPCやWebに画像を転送する際にSDメモリカードの抜き差しが不要になり、画像転送も意識することなく自動的に行われるゼ~、と。

 コレちょっとよくなくなくなくないですか!? つーか、イイ!! ので買ったわけだが、Eye-Fi使用感における拙者的結論を言えば、実用的であり、快適であり、様々な目的に使える新機軸&優良デバイスだと感じた。てなわけで、以下にEye-Fiの実使用感などについてレポートしてみたい。


撮れば、間もなく、写真を転送

 Eye-Fiを使うには、Eye-Fi Manageと呼ばれる管理ツールをPCへインストールし、ネット経由でEye-Fiユーザーアカウント登録をする必要がある。なお、Eye-Fi ManageインストーラはEye-Fi内(フラッシュメモリ上)にある。

 Eye-Fi利用開始時、ほとんどの設定や確認はWebブラウザから行う。無線LANアクセスポイントの追加や修正、画像アップロード先の設定、Eye-Fiアカウントの管理なんかですな。ただし、これら設定を行うPC上には、上記のEye-Fi Manageがインストールされている必要がある。

 とか書くと使い始めるのがミョーに面倒っぽい製品に見えてくるが、実際は非常に容易だ。Eye-Fi+付属カードリーダをPCにUSB接続し、Eye-Fi Manageをインストールし、いくつかの設定(PCのフォルダ指定や写真共有サイトのID/パスワード入力)を済ませればOK。具体的な方法はココに書かれているが、迷うところはほとんどナイと思われる。


Eye-Fi ManageのWebアプリケーション表示例。Eye-Fiの設定などのほとんどは、Webブラウザから行う 無線LANアクセスポイントの設定表示。PCにEye-FiをUSB接続している場合、付近の無線LANアクセスポイントが自動的にリストアップされるので設定は容易だ 有名どころの写真共有サイトなどのWebサービスに対応している。設定は、使用中のサービスをクリックしてアカウント情報を入力する程度

 設定が済んだら、あとはデジカメにEye-Fiを挿して撮影するだけ。Eye-Fiに設定した無線LANアクセスポイント付近で撮影すれば、撮影後逐一、写真が転送される。転送先は、Eye-Fi Manageで設定したPC上のフォルダや、ネット上の写真共有サイトなどになる。PCにもサイトにも写真を転送、ってコトも可能。また、Eye-Fi内のフラッシュメモリ(2GB)にも写真が保存される。


Eye-Fi ManageのWebアプリケーションでEye-FiからPCへ画像をアップロードする設定にしてみた。指定フォルダの下に、日付などのフォルダを自動生成して保存することもできる Eye-Fi Manage起動中には、タスクバー右端にオレンジ色のアイコンが現れる。ここからWebアプリケーションを呼び出すことができる PCへ画像を転送する設定にしている場合、画像転送中にこのようなサムネイルが表示される。下側のオレンジ色のラインは転送の進捗を示す

 とりあえず、おもしろいっス、Eye-Fi。いつも使ってるコンパクトデジカメがイキナリ無線LAN対応になり、無線LANアクセスポイント経由で画像がPCや写真共有サイトに自動転送されまくり!! 2GBのSDメモリカードが1,000円とかで買えて、無線LANアダプタも激安な時代において、1万円弱しちゃうEye-Fiだが、実使用感としてはそれ以上の価値があるように感じる。


かなり実用性高いよーな気が

 手持ちのSDカード対応デジカメでEye-Fiを試してみた。対象は現在使用中の3台──パナソニックのLUMIX DMC-G1LUMIX DMC-LX3、キヤノンのEOS 40Dだが、問題なく使えちゃいましたヨ。

 ちなみに、EOS 40Dへは、パナソニックのBN-CSDABP3というSD/CFアダプタを使って挿した。が、こういう使い方、メーカーは保証も推奨もしていない。


激愛用中のDMC-LX3では、Eye-Fiが問題なく動作した 最近買ってコレも激愛用中のDMC-G1と組み合わせてもOKであった EOS 40Dへは、BN-CSDABP3というSD/CFアダプタを使って挿した。すると特に問題なく動作した

 ただし、複数のデジカメでひとつのEye-Fiを使用した場合、多少の問題も。拙宅環境だけの問題かもしれないが、例えばDMC-LX3で使ったEye-Fiを、EOS 40Dに挿して使うと、なーんか画像が転送されなかったりすることが。ときには、デジカメ側にエラーが表示されて撮影できないケースも。結局、別のデジカメにEye-Fiを挿すとき、Eye-Fiのフラッシュメモリ内のファイル/フォルダを全部削除すると問題が起きないようなので、現在はそうしている。

 それから、Eye-Fi → PCへの画像転送時間だが、拙宅無線LAN環境(11a/b/g)にてデジカメをパナソニックLUMIX DMC-LX3として試したところ、大きな画像で約6秒、小さな画像では1秒程度で転送が完了した。

 具体的には、3776×2520ピクセル(9.5Mモード)/約3.4MBで約6秒、3168×2112ピクセル(6.5Mモード)/約2.6MBで約4秒、2656×1768ピクセル(4.5Mモード)/約1.9MBで約3秒、2112×1408ピクセル(3Mモード)/約1.5MBで約2秒、2048×1360ピクセル(2.5Mモード)で約1秒という感じ。

 ただ、上記の時間は転送のみにかかる時間。てのは、撮ったら即転送される、ってわけでもなくて、転送が始まるのは状況によりけっこー変わってくるっぽい。

 撮った直後に転送、とううケースもあるが、撮ったのにまだ……えーっまだなのぉ……いつ転送されるのかニャ、ということも。そのような場合は、いったんデジカメの電源をオフ/オンすると転送が始まるケースが多い。また、転送前にデジカメが省電力モードとかオートパワーオフになるケースもある=画像は転送されない。このことから、メーカーはカメラのオートパワーオフ関連の設定変更を推奨している。

 あと、Webサービス(写真共有サイトなど)へのアップロードにかかる時間だが、これは通信環境やWebサービス側の状況によってまちまち。一概には言えないが、プチ気長に待っていればだいたい問題なくアップロードが済む感じですな。

 ともかく、ぶっちゃけた話、Eye-Fiの利便は“デジカメからカード抜いてPCとかに挿して画像を転送”したり“デジカメとPCをUSB接続して画像を転送”するような手間が完全になくなる点ですな。例えば拙者は、こんなの使ってますけど、コレと非常に良く似た快適さが得られる。実際にデジカメ→PCへの無線による画像転送を体験しちゃうと、「一度使うと手放せない」という実感がホントに湧く。この点だけでEye-Fiは「買い」だと思っちゃう拙者なり。

 また、Eye-Fiには写真共有サイトなどへの画像アップロード機能もあり、これはコレでスゲく良い。これまでにごく一部の機種や環境でしか得られなかった利便や可能性が、様々なSDカード対応デジカメで得られるからだ。


Eye-Fiでこんな利便を得たわし

 Eye-Fiを使い始めて、ヤだなぁと思った点は、あと2枚くらいEye-Fiが欲しくなるという無駄遣いの予感。他はほとんどナイ。逆に、良かった点というか得た利便や快適さは多々ある。

 ひとつは、ブツ撮りを最小限の手間で行えるようになったこと。前述のように、EOS 40DとWFT-E3を使って効率的なブツ撮り環境を構築した拙者なんですけど、そこまでカッチリ撮らなくていいケース───とりあえず手近な物品を画像で見せられれば(送れれば)良い程度のブツ撮りを、マジ手軽&容易に行えるようになった。

 すなわち、デジカメにEye-Fi挿して撮れば済むんである。撮ったら、だいたいほぼスグに、PC上で撮影結果を確認でき、以前のちょいブツ撮り問題が完全解消した。時々、Eye-FiからPCへの画像転送が滞ることがあるが、デジカメの電源を入れ直せばスムーズに行くことが多い。以前の作業から比べれば実に楽勝感が高まった。

 例えば以前なら、撮って、デジカメからカード抜いて、PCにカード挿して、画像コピーして、拡大表示したら……「ああっ微妙にブレてる!!」とか「ミョーに暗い(明るい)!!」といった失敗があったりした。

 そうなれば再撮影。

 PCからカード抜いて、デジカメにカード挿して、撮って、デジカメからカード抜いて、PCにカード挿して、画像コピーして、拡大表示……という意外にステップ数が多くて超面倒臭ぇ手間が要る。が、Eye-Fiならこの全ての抜き差し系手間がゼロ。頻繁にブツ撮りする人なら、Eye-Fiが救世主に見えるかも!! ってほどのブツ撮り効率UPをもたらしてくれる。

 ただ、上記のEOS 40DとWFT-E3の代替えになるかと言えば、それはちょいと疑問。WFT-E3の場合、撮影直後、必ず即座かつ高速で画像を転送してくれるし、PCからのカメラ制御も可能だ。Eye-Fiはそこまで確実な即時性はないし、PCからのカメラ制御とは無縁。両者は似た機能こそあれ、使用感的には別モノですな。

 Eye-Fiならではの機能、写真共有サイトなどへの画像の自動アップロードは、けっこー巨大な機能かも。例えば拙者はEVERNOTEへの自動アップロードを設定・使用することがあるが、使用感から言えば、デジカメがイキナリ、映像系のビジネスツールに変わるという印象だ。

 デジカメはこれまでもビジュアルメモ用途などビジネスツール的に使われてきたが、Eye-Fiを組み合わせると、スマートフォンやPCとシームレスにつながる。結局はこれも手間が減るというコトなんだが、例えばデジカメで資料画像を撮ると、Eye-Fiが自動的にEVERNOTEへと転送してくれる=PC上のクライアントソフトウェアやWebブラウザでその画像を閲覧/ダウンロードできるようになり、iPhone 3GやWindows Mobile端末でも同様に画像を扱えるようになる。


EVERNOTEをWebブラウザから使ったところ。Eye-Fiにより自動アップロードされた写真が並ぶ EVERNOTEのデスクトップアプリケーションを使ったところ。Webブラウザで見たときと同様の写真を見られる こちらはiPhone 3GのEVERNOTEアプリを使ったところ。PCでもスマートフォンでも同じ情報を共有できるのがEVERNOTEの良さだが、Eye-Fiにより、デジカメもEVERNOTEの情報源として手軽に使えるようになる

 Eye-Fiの場合、結局は画像の転送先における自由度が高いってのがポイントですな。Eye-Fi使うならココのサイトに登録しなはれ、という頭ごなし的な制限は非常に少なく、一般に使われている多数の写真共有サイトをそのまま使えるのが良い。具体的には、Hatena FotolifeNikon my Picturetownmobile meあたりをはじめとする各種有名写真共有サイトを利用可能だ。また、今後もEye-Fiが使えるサイトを増やすとのこと。

 写真共有サイトとEye-Fi=デジカメが直結した意義っつーか実利も大きい。いろいろな考え方・使い方があると思うが、例えば、デジカメ、写真共有サイト、ネットブックあたり。

 今時のデジカメってキレイな写真撮れるけど、写真共有サイトとは直接的につながれない……結局、PCが要る。ネットブックで写真共有サイトを見るのは愉快だけど、ネットブックって現時点ではストレージ容量少なさからデジカメの母艦になりにくい……デジカメ画像のハブには使えない。そんな状況を一変させる可能性があるEye-Fi、とかネ。

 ともあれ、ユーザー次第で様々な利便を見いだせるし、こでまで不可能だったスキームを実現したり楽しんだりできる“無線LANアダプタ入りSDメモリカード”ことEye-Fi。既存のデバイスの組合せが、こんなに新しい広がりを感じさせることがあるんだニャとか思う俺だが、Eye-Fi、便利だったりオモシロかったりするんで、SDカード対応デジカメ使用中の人はぜひ一度触れてみてほしい。



URL
  「Eye-Fi Shareカード」公式サイト
  http://www.eyefi.co.jp/

2009/01/05 12:24

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