■ BlackBerry Bold ちょ~好き!!
ドコモのBlackBerry Boldを購入した。のが、2009年4月末のこと。それから約1カ月半使ってきたが、俺においてかなりサイコー感の高い端末であることが判明したので、そのあたりをレポートしてみたい。
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ドコモのBlackBerry Bold。カナダのRIM(Research In Motion)社製端末で、個人で使うにはBlackBerry Internet Service(ドコモおよびRIMが提供)を利用する必要がある
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BlackBerry Boldは、一般のケータイやスマートフォンとは少々異なるシステム上で動いている。その詳細は法林岳之氏の記事に詳しく、また、それゆえ得られる利便は清水理史氏の記事で読めるので、そちらを。
でも、ぶっちゃけ、個人用として売られているBlackBerry Boldは、そういったシステムのコト──BlackBerry Internet Serviceのシクミや役割を意識せずとも使える。日本の多くのケータイとは機能や使用感を大きく異にする端末で、わかりにくさもあると思う。が、スマートフォンとして考えれば、拙者的には“スマートフォン初心者にもとっつきやすい端末”だと感じられる。
で、ですね、拙者におけるBlackBerry Boldなんですけど、率直なところ、こんなに実用的で平易なるスマートフォンは初めて、という印象。使って数日して、なるほど~だから全世界で使われているのか、と思った次第だ。結果、現在では毎日常用のメイン端末となっている。
以下、どのあたりが便利なのか、逆にどこが使いにくいかなど、ポイントを絞って書いてみたい。
■ スケジュール管理がラクっ!!
BlackBerry Boldなどのスマートフォンは、まあだいたい“通信機能付きのPDA”といった存在だ。多種多様な機種が存在するが、スマートフォンとキたら、やはりスケジュールやアドレス帳などの管理・運用ができないとネ!! ということで、BlackBerry Bold購入直後にやったのがPCとBlackBerry Boldとの各種情報のシンクロナイズだ。
いくつかのパターンを試したが、Microsoft Outlookユーザーの拙者において最も便利だと感じられたのが、Googleカレンダー、Google Calendar Sync、Google Syncを使った方法だ。
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おなじみのGoogleカレンダー。オンラインっていうかクラウドでスケジュール管理ができ、自分以外のユーザーとカレンダーを共有することもできる
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Google Calendar Sync。Microsoft OutlookとGoogleカレンダーの間で、スケジュールをシンクロナイズすることができるPC用の常駐ソフトですな
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BlackBerry Bold上で動作するGoogle Syncアプリ。Googleカレンダーと携帯端末などの間で、スケジュールや連絡先をシンクロナイズすることができるアプリなのだ
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結局、Outlook/Googleカレンダー/BlackBerry Boldのどこからスケジュールを入力/編集/削除してもOKってのが快適。新たに入力/編集/削除したスケジュールは、間もなくOutlook/Googleカレンダー/BlackBerry Boldともに更新される。
例えば、自宅PC(Outlook)上で新スケジュールを入力。すると、Google Calendar SyncがOutlook←→Googleカレンダーのシンクロナイズを自動的に行ってくれる。さらに、Google SyncがGoogleカレンダー←→BlackBerry Boldのシンクロナイズを自動的に行ってくれる、てな感じですな。
OTA(Over The Air)で自動的かつバックグラウンドで、家も携帯端末もクラウドも、スケジュールが最新状態に保たれるあたり、非常に便利だ。Google Syncを使えば、BlackBerry Boldのほか、Windows Mobile端末やiPhone 3Gでも同様のことが可能なようだが、拙者的にはBlackBerry Boldだからよりラクっ!! てのがある。
てのは、キーボードの快適さがまずある。このサイズなのにペキペキとテンポ良く文字を入力できる点で、BlackBerry Bold上で積極的にスケジュールを入力する気になるのだ。また、バックグラウンドで複数アプリがヒジョーに軽快に動作しまくる不思議な端末(!?)なので、シンクロナイズのときだけアプリを起動みたいな面倒なコトをする必要もほぼない。
それと、BlackBerry Boldのカレンダー(スケジューラ)もシンプルで使いやすい。まっとうなスマートフォンなので、スケジュールのメモ上の番号へサクッ電話をかけたり、あるいは住所をGoogleマップで地図表示することも容易だ。
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例えばOutlook上にスケジュールを入力する。と、間もなくGoogle Calendar SyncやGoogle Syncアプリによって、このスケジュールがGoogleカレンダーやBlackBerry Bold上のカレンダーにも自動的にシンクロナイズされる
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スケジュールをBlackBerry Boldで見た様子
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メモの部分も当然シンクロナイズされている
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電話番号部分にカーソルを合わせてトラックボールを押下すると、このようなサブメニューが出る。最短の操作で電話をかけられるんですな
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アタリマエだが、コピー&ペーストの機能もある
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スケジュールのメモにあった住所を、(BlackBerry Bold用の)Googleマップで検索したところ。もちろん、拡大縮小~航空写真表示~ストリートビュー表示も可能だ
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こういうコトは、ほかのスマートフォンでもデキちゃったりするわけだが、しかし、どの局面においてもラクなのがBlackBerry Boldの良さだと思う。BlackBerry Boldへのソフト導入は、Wi-Fiでネットに接続して、キーボードを使ってググって、適宜ダウンロード&インストール。ソフトなどの操作も、トラックボールをクリクリ&ポチッとな。総じてハードルが低くて、やっぱり平易だと感じる。
ま、BlackBerry Boldを取り巻くクラウド系環境が充実していることもあるが、BlackBerry Bold本体の操作感の良さは、そういった環境を積極的に使う気にさせる大きな要素だと思う。
■ アドレスデータは地味に管理
前述のようにMicrosoft Outlookユーザーの拙者は、アドレス帳(連絡先)もOutlookで管理している。BlackBerry Boldは、ほか環境とのスケジュールのシンクロナイズが非常に快適なので、アドレスデータもシンクロしまくろうかニャ!? と思ったが、現在は地味にBlackBerry Bold Desktop Manager(付属ソフト)で管理している。方法は、Desktop Managerを使ってOutlookとBlackBerry Boldをシンクロナイズ(Outlook→BlackBerry Boldへ上書き)しているだけだ。
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Desktop Managerの表示例。メインメニューですな
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PC上のスケジュールやアドレス帳などとBlackBerry Bold上の当該アプリ上のデータをシンクロナイズできる。もちろん一方向の同期(上書き)設定も可能
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動画や音楽の同期や変換・転送も可能。iTunesと音楽などを同期できたり、Windows Media Playerから曲を転送したりすることができる。BlackBerry Boldは柔軟にPCとのデータ同期を行えるメディアプレイヤーでもあるのだ
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Desktop Managerからアプリケーションの追加や削除も行える。追加や削除はBlackBerry Bold本体上でも可能
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BlackBerry Bold上のデータのバックアップや復元も行える
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バックアップ中の表示。拙宅環境では非常にスムーズかつ短時間でバックアップが終了する
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なんでアドレスもシンクロナイズしないのか? それは、OutlookとWeb系サービスとかでシンクロさせると姓と名が逆転しちゃったりすることがひとつ。拙者、Web系サービスとOutlookのアドレスシンクロナイズ、スッキリいった試しがナイかも。
それと、拙者のアドレスデータはそうそう更新されるものでもないこと。また、不意に変更しちゃうと後々困る情報でもある。更新頻度低いし、更新時はある程度のリスクも伴うので、アドレスデータ管理はOutlookで一元化。ほかの端末などへは、Outlookから上書きするカタチにしている。
さておき、BlackBerry Boldのアドレス帳機能だが、まずまず使いやすい感じ。目的のアドレスをブラウズして探すこともできるが、日本語読みでのインクリメンタルサーチが便利だ。姓と名の読みを同時にサーチするので、名前忘れちゃった的あやふや状態でも目的のアドレスを見つけやすい。
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BlackBerry Boldのアドレス帳
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表示はこんな感じ。フォントサイズを変更すれば表示できる行数を増やせる
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キーボードから文字を入力してのインクリメンタルサーチが可能。サーチ対象は姓と名の読み仮名となる
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ひらがなを入力するだけなら、片手でキーボードを打っての入力も容易だ
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アドレスデータの表示例
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もちろん、ダイレクトに電話をかけることができる
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BlackBerry Boldを使っていてたびたび感じるのは、その動作の軽さとアプリの連携性の良さだ。少々前述したが、複数のアプリを起動している場合、アクティブでないアプリもバックグラウンドで動作している。例えば通話しつつアドレス帳を見たりGoogleマップを参照したりできるし、目的のアプリへの切り替えも容易だ。
が、ほとんどの状況下で、それぞれのアプリの動作が重いとかトロいという印象がない。率直に、ナニをしてもヒジョーに軽い!! というのがBlackBerry Boldの大きな魅力だと感じている。
この操作をすると重いんだよなぁ……というケースがほぼナイので、例えばアドレス帳の住所からGoogleマップで地図を確認し、ついでにストリートビューも見ちゃえ!! てなコトもフツーに行う気になる。
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アドレス帳からサブメニューを呼び出し、そこからダイレクトにGoogleマップを使うことができる
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サクッと地図表示
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もちろん、地図の拡大縮小も自由に行える
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ルート検索やストリートビュー表示も可能
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ストビューってみた!!
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画面いっぱい使ってのストリートビュー表示もできる
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トラックボールをコロコロと操作すれば、ストリートビューで見える方向もスススッと変わる
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航空写真表示もOK
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メニュー表示はこんな感じ
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ここまでで、苦労とかハマりという辛酸は全然舐めていない拙者。PC側に1本、BlackBerry Bold側に数本のアプリを入れ、Desktop Managerでアドレスをコピーした程度である。
てか、これまで日本にあったスマートフォン系端末だと、上記のような環境を整えるだけでもけっこー苦労したように思う。何度も端末とPCをつないだり、設定にハマったり、と。
BlackBerry Boldの場合、マニアックに凝ったコトとか裏技とかをなかなかヤリにくいという側面はあるが、既存の情報やアプリも含め、イージーに使い始められるのが大きな魅力だ。また、iPhone 3Gほどではないが、Windows Mobile端末と比べちゃったりなんかすると、十分直感的に操作できる点もナイス。スマートフォンというくくりで、非常によく中庸が取れている端末だと感じられる。
■ 好きなトコロと嫌いなトコロ
BlackBerry Boldが持つそれぞれの機能などを挙げていくとキリがないので、以下、拙者観点でBlackBerry Boldの良い点と悪い点をザザザッと書いてみたい。
非常に良いのはキーボードとトラックボールですな。超小型キーボードは、予想を遙かに超えて快適な入力を実現してくれる。10行前後のメールなら「ま、書いちゃうか」てな気になる。
トラックボールは、使い始め当初、若干の違和感があったが、現在は慣れた。で、慣れるとヒッジョーに快適。押下できるトラックボールなので、例えばホームメニューから受信メールを開いて、メールをスクロールさせつつ読んで、削除して、ってあたりまでトラックボールのみの操作で行える。
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横幅たった60mmの小さなキーボードを搭載する。文字がバックライトで光ったりも
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使い物にならなさそーに見えるが、実はビシバシ文字入力できたりする。その形状にヒミツがあるのか? 一度触れてみてほしい
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日本語入力は予測変換に対応する。もちろん使えばそれだけ学習し、予測精度も高まる
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直径7mm程度のかわいいトラックボール。その繊細な操作感がなかなか気持ちいい。これもバックライトで光る
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こーんなに小さいんですけど、かなり使えるヤツなのだ。操作中にクリック音を出すこともできる
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予測変換の候補選びも、トラックボールなら非常にスムーズだったりする
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スマートフォンにトラックボールって、スゲくイイっすね、とか思っちゃった拙者である。でもゴミが入り込みそうだし、きっと若干故障しやすいとは思うが、BlackBerry Bold全体の操作感の良さをググッと引き上げている重要なデバイスだと言えよう。
全体的にカスタマイズの自由度の高さもイカシてますな。単純なトコロでは手持ちのMP3サウンドを本体にコピーして着信音にすることができたり……拙者の着信音は海外ドラマ『TWENTY FOUR』のカウントダウン音にしているが、MP3対応の録音ガジェットがあればナンでも着信音にできるのは楽しいっすヨ!!
メニュー関連のカスタマイズ性もシンプルで良い。ファイル/フォルダ操作と同じ感覚でアイコンの並びを変更できたり、不要なアイコンを片付けることもできる。カスタマイズの自由度が高い一方、どの項目をどう変更すると便利なのか試すのに時間がかかったり、設定項目が多くて使い始めに迷ったりも。ま、デフォルトでもフツーに快適に使えるので、大きな問題ではないと思うが。
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ネットで多々配布されているテーマファイルを適用したところ。ホーム画面のアイコンが6個→7個に増え、カレンダーやメッセージの内容が表示されるようになる。テーマファイルによるカスタマイズはBlackBerry Boldのオモシロミのひとつですな
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アイコン類は自由に配置できる。フォルダを作ってアプリ(アイコン)の整理もできる
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本体左右サイドにはカスタマイズ(機能割り振り)を自由に行えるハードウェアキーがある。拙者のBlackBerry Bold右側ボタンは画面キャプチャっす
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あと、スマートフォンなので当然と言えば当然だが、アドレス、スケジューラ、メーラ、Webブラウザなど一通り揃っていて、それらを前述のような軽快な操作感で使える点ですな。3GネットワークなどとWi-Fiの自動切り替えも快適で、3Gネットワークを使ってのWeb閲覧は思ったよりもスムーズだ。
先日、ナゼかWi-Fiがオフになっていて、Wi-Fiエリア内なのに3G接続していた拙者だが、「あ、Wi-Fiが切れたな」と気づかなかったりした。ま、3Gネットワーク接続時のスピードに関しては、使用する場所や状況にもよるとは思うが。
使用当初、不便だと感じたのは、アイコン類とその位置。ある程度の規則性があって並んでいるものの、数が多く、名前も一見では理解しにくいもので、けっこー戸惑った。また、メニュー表示の作法もほかのスマートフォンやケータイとずいぶん違うので、それに慣れるまで2~3日かかった。
現在でもナ~ンかヤだなぁと思うのは、誤操作防止のためのロックおよび解除。ソフトウェア的なシクミなのだが、ハードウェアのスライドボタンとかにして欲しかった。ただ、BlackBerry Bold用の(マグネット内蔵)ケースを使うと、ケース側のマグネットに反応して端末の操作が利かなくなる(スリープする)しくみを利用できる。ケースに入れるだけで誤操作ナシ&省電力モードに移行するという便利なギミックだ。
それとフォント。日本語フォントは1種類だけなのが残念。キレイな明朝体のフォントが使えるが、やはりもうチョイ多様性があるといいなあ、と。
あと、これは人によると思うが、拙者におけるBlackBerry Boldは非常に落としやすい端末である。みんなのケータイにも書いたが、落として壊しましたヨ!! その後も、手からスルリと机上に落とすことたびたび。拙者の手のサイズとBlackBerry Boldのサイズ・形状がマッチしてないのかーッ!?
てな感じで、BlackBerry Boldの嫌いなトコロと言っても、些細な部分ですな。てか、全体的にBlackBerry Boldがかな~り好き!! 常用の携帯電話端末として考えてもスマートフォンとして考えても、モロに便利&快適に利用している。BlackBerry Boldサイコー!! みたいな。
最後に、iPhone 3Gとちょっと比べたりして。
現在使用している端末は数機種あるが、主に使っているのはBlackBerry BoldとiPhone 3G。外出時、チョイ出のときはBlackBerry Boldのみ持ち出すが、ある程度長い時間外出するときは両端末を持って出る。
で、通話~お仕事関係に使うのはBlackBerry Bold。というのは、やっぱキーボードあるしコピペもできるしスケジュールもメールもWebもシームレス感が高いし、という実用性からだ。BlackBerry Boldは、拙者において“出先で必要な情報を得たりコミュニケーションを取ったりするための重要なツール”である。
iPhone 3Gは、拙者にとっていくつかの側面を持つ。BlackBerry Boldのように必要な情報を得るための端末としてもシッカリ使えるし、電話だし通信端末なのでコミュニケーションツールともなる。んだが、現状、iPhone 3Gは“よりラクにWebを使うための端末”であり“暇な時間を愉快に過ごすためのもの”だ。
拙者環境において、BlackBerry BoldとiPhone 3Gはキッチリと棲み分けちゃってる感じ。大雑把に言えばBlackBerry Boldで仕事、iPhone 3Gで遊び、てなイメージになる。どちらか片方の端末が不要、と感じることは少ない。一昔前なら、複数の端末を所有しているとき常に「ケータイ何台も持ってムダな感じだナ~」と感じていたものだが、現在はBlackBerry BoldとiPhone 3Gの二刀流がシックリ来ているし、それぞれ役割を果たしてくれている。それほど、両者とも強い個性をもった別の指向の端末なのかニャ? と。
■ URL
NTTドコモ「BlackBerry Bold」製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/pro/blackberrybold/
BlackBerryホームページ
http://ap.blackberry.com/jpn/
2009/06/08 10:56
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