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薄いぜ薄いぜ薄くて購入!! 「NTTドコモ P504i」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


暑いぜ狂うぜ端末買うぜーッ!!

FOMA SH2101V。ワイヤレスハンドセットは本体とBluetoothでワイヤレス接続で通話可能など斬新な仕様も盛り込まれている。が!! お値段が10万円オーバーでちょっと足せばノートPC買えてしまうクラスなのだ
 午前5:12くらいから俺の脳天を直撃し脳味噌を沸騰させ脳内をカオスな状況に追いやる太陽光が毎日毎日毎日毎日強まりやがる昨今におかれます拙者は暑くて暑くて暑くてあと1024秒くらいで発狂してしまいそう!! だがあと約17分程度は正気を保っていられる。そしてこの正気をあと17時間や17日や17年や17万光年(←それ距離>俺)くらい保ち続けるべく、ここは一発ファイトイッパァーツで魅惑的な新型端末を買うしかないッ!! 17分以内にッ!! ということで真夏でもクールに冷えてるドコモショップへ。

 当然、俺としてはアレしかない。FOMA端末のSH2101V。カメラ内蔵メール端末としてもテレビ電話としても使え、しかも付属のワイヤレスハンドセットSH01は端末本体とBluetooth無線接続されたチョー細身で斬新な電話機として使える。このくらいハデでヒキのある機能を持つ端末ならば、脳もリフレッシュ!! 現状のFOMA的残念感もうやむやになりそうで良い!! よしSH2101V買うぜッ!!

 と当初の勢いは良かったが、ドコモショップにおけるSH2101Vの値札などというものを見ると、日差しや季節に関わらず脳内が沸騰して発狂しそうだと言えよう。だって10万円オーバーなんですよ奥さん!! 504iシリーズ3台くらい買えちゃう価格なんですよ旦那さん!!

 確かに、SH2101Vの先鋭的でおもしろそーで使えそーな機能はわかる。だからそのような値段だということも、まあ納得できなくはない。恐らくFOMA端末として、通信の側面で見ても、通話の側面で見ても、文字通り先進的だとは思うのだ。

 が!! ゲンブツを見るとやはり、ソレが10万円オーバーという点で引く。見た目、高級感のある携帯電話専用メール端末という感じ。見た目だけで見積もれば、どう大風呂敷を広げても定価4万9800円というところで実売は3万6800円というあたり。機能云々性能云々は別として、いわゆるデジタルガジェットとして、価格的イメージをそのあたりまで膨らませるのが精一杯でいっぱいいっぱいでギリギリな俺。って、つまり要するに結局、手が出せねぇってわけですな。これでWindows XP搭載!! なんてんなら大いに違うんですけどね……Windows CE搭載でもかな~り違うんですけどね……ていうか高い。

 SH2101Vの価格のおかげで正気を取り戻した俺は、より現実的な方向で暑気払いの新製品購入を考えた。


デュアルネットワークサービスかぁ……

 現在俺が使っているドコモ端末はP2101VP2401。テレビ電話としておなじみのP2101Vは、端末としては少々デカいことと電池の持ちが微妙に残念な点を除けば、使用感は非常に良い。P2401はPCカード型のデータ通信カードで、使用感はかなり良い。のだが、FOMAでデータ通信をすると、パケット料金が非常に安いとは言え、高速で通信しまくっちゃうのでけっこーお金がかかりがち??快適なあまりついつい使いまくっちゃうわけですな(自業自得)。

 まあそのあたりはさておいて、切手大のカード1枚を差し替えるだけで端末を使い分けられたり、まだまだ通話エリア等が狭いとは言え首都圏ではまずまず実用性があったり、P2101Vについては遊べる機能も多かったりするので、FOMAはこのまま使い続けたい気がしなくもない。しかし、この時期のドコモショップと言えば、新世代のPDCこと504iシリーズが全部出そろったというわけで、そちらも非常に気になるところ。FOMAも使いたいし、504iも使いたいというわけだ。……となればアレだ、デュアルネットワークサービスである。

 デュアルネットワークサービスは、FOMA回線契約ユーザーのためのサービスで、使ってるFOMAの電話番号・回線・契約で、PDC(つまりドコモのフツーのケータイ=ムーバ端末)も併用できるようになるというもの。FOMAユーザーでも、新たにムーバ端末を買えば、FOMAの回線契約のみでFOMAとムーバ(PDC)の両方が使えるようになる。

 FOMAとムーバの両方の端末が使えるようにはなるが、両方同時に使うことはできない。使用時は、使いたい方の端末を利用可能状態にする簡単な操作が必要になる。具体的には“使いたい端末側から1540にダイヤルする(もちろん通話エリア内で)”という操作だ。この操作を行なえば、あとはその端末をフツーに使い続けられる。で、もう一方の端末を使いたくなったら、そちらの端末からまた1540をダイヤルすれば良い。

 ちなみに、デュアルネットワークサービス使用時にかかる料金はココに書かれているとおりで、サービス自体の月額使用料は300円。ちょいとした出費で、FOMAのエリア的問題を解消できるサービスだ。


 コレって、FOMAユーザーでありかつ504iシリーズを使ってみたいなァと思っている拙者には最適なサービス!! てなわけで早速申し込みを……と思ったが、詳細を調べたらいきなり申し込む気が減退。

 デュアルネットワークサービスは、FOMA端末を使う場合においては従来とだいたい同様の感覚で使える。のだが、このサービスでムーバ端末を使うとなると、すこーし不便な制限がいくつかある。詳細はココをご覧いただきたいが、俺のデュアルネットワークサービス申し込み意欲を減退させたのは“ムーバ端末でメール読む場合はメール確認Webサイトへアクセスする必要がある”という1点。要するに、ムーバ端末を使った場合は、メールが自動的に端末へと入ってきてはくれないのだ。いちいち専用Webサイトへメールを読みにいかなくちゃならない。

 ムーバのiモードメニューを開き、いくつかのボタン操作をすればいい程度の手間なのだが、これまで何もせずに端末上にメールが出現していたことを考えると、デュアルネットワークサービスにおけるムーバ端末でのメール受信は、なんかこう、一昔前の携帯電話メール環境みたいな残念感がある。デュアルネットワークサービスによってFOMAの通話エリア的脆弱性をムーバがフォローしてくれるのは有り難いのだが、ムーバがフォロー中はメール受信がけっこーかったるくなっちまうってのは……どうなんでしょーか?

 ともかく、その点で、デュアルネットワークサービス申し込みはよしてみた。同時に、デュアルネットワークサービス対応端末が登場するまでFOMAは……やめちゃえ!! てなことにした。FOMA回線を解約し、ムーバ回線を契約し、504iシリーズ端末を買うのダ!! だってやっぱり端末数も実用性もその他諸々のおもしろみも、現在のドコモにおいては結局ムーバなんだよな~と感じる真夏の拙者なのである。


薄いぜ薄いぜ薄くて購入

ムーバP504i。折りたたみ時の厚さたったの16.8mm。液晶側は液晶が2枚入っているとは思えないほど超薄い!
 PにSOにNにDにFって感じで、ドコモのiモード端末、504iシリーズが出揃ったというわけで、さぁドレにしようかなッとショップにてそれらの実物をいじくり比べてみた。

 それ以前、アタマの中では、何となく“コレが良さそう”的な候補順位があった。液晶画面のデカさ美しさおよびソニーのPOBoxに肉薄する良さがあるとウワサの日本語入力システムを持つN504i、ジョグダイヤルとPOBoxがやっぱり良さそうなSO504i、アンテナ内蔵のD504i、「ライトアップさ!!」のF504i、薄いらしいP504i。ぶっちゃけた話、ソニー端末かNEC端末かのどちらかにしようと考えていた。

 しかし!! しかァーし!! 実物ってのはやはり見てみるモンですな!! 見た瞬間気が変わるモンですな!! つまり俺の中ではさほど目立たない存在だったP!! 松下のP504iが、コレが非常に非常に非常にイイ感じなのであった!!

 何がどうイイかと言えば、P504iはハードウェアとして俺をソソりまくる点が良い。すなわち超薄い!! 二つ折り時でその厚みがたった16.8mmしかありやがらねえのだコンチクショ~薄っ!! 俺のFOMA端末P2101Vの厚みは35mmゆえ、P2101VはP504iの倍以上の厚みなのかーっ!! 貴様それでもPか!! 同じメーカーの製品かーッ!! 厚いぜ厚いぜ厚くてスコッとP2101V解約してP504i購入ッ!! この薄さだけで、一連の504iシリーズ端末や他各種端末を大きく引き離していると感じたのであった。

 504iシリーズはどれもデカい液晶ディスプレイと本体背面のサブディスプレイを搭載している二つ折り端末なので、最新世代ではあるが、折りたたんだ時の“薄さ”という点ではあまり魅力がなく平凡。逆に従来の端末よりも厚くなったという印象の方が強い。それら端末に並んで、P504iの薄さはヤケに非凡。P504iの薄さ的非凡さが、他504iシリーズ端末の薄さ的ヤボったさを露呈させまくりとも言える。松下が、ソニーとNECと富士通と三菱にナイショで抜け駆けしたんじゃねーのか!? と勘ぐってしまうほど、薄い。そしてその薄さはハードウェアとしての緻密感・凝縮感を、俺のよーなお客に対して激強力にアピールする!!

 こういうハードウェア的魅力を知ると、それが筐体の物理的なサイズだけの良さってことはわかっていても、売り場においてはまったく強力に俺の視線を釘付けにしてくれるのだ。もはやP504i以外の端末は、参考程度にしか考えなくなってしまう。504iシリーズ陳列棚の前で何度も「厚みだけで考えていいのか>俺!! 使用感を二の次にしていいのか>俺!!」と自問自答したが、P504iを何度もいじくり回す俺はもはやトイザらスのプレイし放題ゲーム機のコントローラを握る夏休みの子ども同然、P504i以外のことを考えられなくなり、購入。


使用感は上々だが、やっぱり結局

折りたたみ型ながら立てて置くタイプのP504iの充電台。デスク上に占める設置面積は少なめで済む
 実際にP504iを使い、まずソフトウェア的な使用感として感じるのが、全体的にクイックに動作すること。アイコンの選択やモード移行、画面切り替えなんかもストレスのない速さで動く。あれ? 松下の端末ってこんなに速かったっけ!? とか思ったりして。

 のだが、薄さからくる弊害(!?)ってのもあり、例えば4方向ボタンを操作していると、時々不意に決定ボタンを押してしまうようなことがある。ってのは、ボタンのストロークが浅く、ボタンを押した感覚にやや不足するのだ。比較的に多くの端末が「グッ」とボタンを押す操作感とすれば、P504iは「フッ」という軽い感じでボタンが押せる、というか押せてしまう。指を滑らせながらボタン位置を探って操作していると、時々ボタンを誤操作してしまうことがある。まあ、これは慣れの問題で、1日使っていればP504iにおけるボタン操作の機微がわかり、繊細・うまく操作できるようになるだろう。で、慣れてしまうと、フェザータッチとまではいかないが、軽くスッスッとボタンを押していけるので、操作感としては悪くない。

 iモードを使った感じは、さすがに“3倍速い”を謳う504iシリーズだけあり、グラフィック表示の多いコンテンツを見ても快適。9600bps時代のiモードと比べると「遅くてかったるい」という印象はほとんどない。P504iはαアプリも特に不都合なく動き、iモードを中心に“遊んだりする人”でも文句が出ないんではなかろうか。

 P504iのギミックとして、ヒンジ部左側に液晶面を開くためのボタンがある。これを一発押すと、液晶面が120度くらいだろうか、パカリと開く。個人的にはこのギミックは「必要ないんじゃないだろーか!?」と感じていたが、実際使ってみると、P504iの液晶面が非常に薄くて片手では少々開けにくいこともあり、けっこー便利に使える。片手でハンドル……じゃなくて吊革などを握ったままでも、クイックにP504iの使用を開始できる。

 P504iの液晶面は、ほぼ水平と、だいたい120度くらいの位置で固定できる(90度の位置でもゆるく固定できる)。120度くらいの角度で固定して、端末を机上に置くと、ちょうどノートパソコンを使うような感じで端末が鎮座するカタチになる。で、この状態でのiモード利用がけっこう快適だ。それは、鎮座させた状態でボタンを押しても、P504iの背面が真っ平らであるゆえ、ガタガタ動いたりせず、安定しているのだ。なので、親指でない指でiモードコンテンツ類を見ていったり、メールを書いたり、あるいはゲームして(両手使ったりラクに連打したりもできるゾ!!)楽しめる。細かな点だが、机上にペタリとケータイを置いて操作するってのは案外安楽である。


 そのほか細かいところでは、液晶面をたたんだ時、本体の左右にサブボタンの類がナイのが良い感じ。この部分、二つ折り端末を使っているとヒジョーによく(指で)持つ部分で、この位置にボタンがあるとついつい押してしまう。そのかわり、液晶面背面、サブディスプレイ上に、フリーメモの表示やサブディスプレイ表示切り替え用ボタンが用意されている。こちらのボタンは、テンキーなどよりも押下感があるが、十分に固く、やや引っ込んでいるので不意に押してしまうようなことはほぼない。

 そして、やはり良いのが、その薄さだ。携帯感が非常に良い。ポケットに入れてもゴロつかない。二つ折り端末ってのは、ストレート型端末のように長さで邪魔にならない一方、ゴロつく感じで嵩張ると指摘されがちだった。が、P504iは、あるいはストレート型端末よりも厚みによって嵩張らず、もちろんストレート型端末よりも短い。ついでに、重量は約99グラムと軽量。他の504i端末と比べると圧倒的なほどコンパクトで軽いのだ。ポケットに入れようがバッグに入れようが、全然邪魔にならない点がヒジョーに良い。

 ちなみに、非常に薄いゆえ、強度的に不安があるかな~と思っていたが、使っているうち不安感はなくなった。液晶面は「ここにメインとサブの2枚の液晶が入ってるのくわッ!?」と疑いたくなるほど薄いわけだが、でもそうはカンタンによじれたりしませんヨ的な強度がある。ヒンジ部もけっこーガッチリしていて、ギュギュッと音を立ててよじれたりグラついたりすることもない。液晶面を閉じた状態で、液晶上部を左右に揺すると、さすがにビミョーに揺れてくれるのだが、まあ、そういう重箱の隅つつきテストみたいなことをしなければ、強度的な不安ってのはほぼナイと感じる。

 てなわけで、携帯電話としての使用感も上々なのだが、やはり結局この薄さ、他の端末にはない携帯感の良さ、そしてこの軽薄短小ハードウェアの中に最も新しい携帯電話の性能が入っているという凝縮感・緻密感。これこそがP504iを持つ者としての最大の喜びと言えよう。ぜひ一度、実際に手に持っていただきたい端末だ。


・ P504iニュースリリース(松下電器)
  http://www.mci.panasonic.co.jp/nws/article/2002_20.html
・ P504i製品情報(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/products/keitai/504i/p504i/p504i.html
・ P504i製品情報(松下電器)
  http://www.p-keitai.net/main.html

ドコモ、ワンプッシュオープンボタン付きの「P504i」
薄さを極めたスーパースリム「P504i」
P504i(オニキスブラック)

・ FOMA2101Vニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/02/whatnew0709a.html

2002/08/05 16:09

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