ニュース

Google、高度なAR体験をAndroidスマホだけで実現する「ARCore」

プレビュー版SDKを提供開始

 米Googleは、Android用のモバイルARプラットフォーム「ARCore」を発表。プレビュー版のソフトウェア開発キット(SDK)を開発者向けに公開した。

 AR(拡張現実)は、目の前の空間に3Dモデルなどを融合して表示する技術。「ARCore」では、従来のAndroid向けAR技術「Tango」をベースに、より多くのAndroidデバイスで動作するように改良した。

 「ARCore」の空間認識技術は、床面や壁面に加え、テーブル、椅子などの部屋にある物体を認識できる。たとえば椅子の上に3Dのキャラクターを座らせるといったような、実空間とリンクした3Dモデルの配置が可能。また、環境光にあわせて3Dモデルに当たるライトを変化させることで、3Dモデルをリアルに表現するという。

 TangoではAndroidデバイスに専用のセンサーユニットを搭載する必要があったが、「ARCore」では、カメラと3軸加速度センサーという、Androidスマートフォンで普及している部品のみで、ARのための空間認識を実現した。Android 7.0 Nougat以降を搭載するスマートフォンに対応する。

 30日に公開されたARCoreのプレビュー版SDKは、Pixel/Pixel XLとGalaxy S8をサポート。Googleはサムスン、ファーウェイ、LG、ASUSといったデバイスメーカーと協力して、ARCoreの開発に取り組んでおり、プレビュー版の開発終了時には1億台規模のAndroidデバイスに対応させる方針。

 なお、GoogleはAR関連技術として、VR空間内で3Dモデルなどを作成できるソフトウェア「Blocks」や「Tilt Brush」を提供している。また、5月には屋内向けの高精度な位置情報技術「Visual Positioning Service(VPS)」を発表している。また、「Webは将来のARにとって重要な要素となる」として、iOS/Andoridの両プラットフォームでARアプリを実行できるブラウザのプロトタイプ版を提供している。

【ARCoreの紹介動画】