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ARの「初音ミク」とツーショット写真、Tango活用~ニコニコ超会議で
2017年4月26日 11:00
KDDIとクリプトン・フューチャー・メディアは、AR/VR/MR技術を活用したコンテンツ事業において提携すると発表した。第1弾として4月29日~30日に幕張メッセで開催されるイベント「ニコニコ超会議」のクリプトンブースに出展する。
両社が展開するのは「ミク☆さんぽ」というサービス。グーグルのAR技術「Tango」を利用し、空間にスマートフォンをかざすと、キャラクター「初音ミク」がその場にいるように表示する。ミクが歌っている様子をさまざまな角度から眺めたり、一緒に写真を撮ったりと楽しめる。
2017年は初音ミクの登場から10周年にあたり、両社はAR/VR/MRの技術を活用したサービスにより記念イベントを盛り上げていく構え。
4月29日~30日の「ニコニコ超会議」では、クリプトンブースに「ミク☆さんぽ」の体験コーナーを設置する。ブースで専用スマートフォンを借りて起動すると、初音ミク10周年を振り返るギャラリーを、初音ミクと回ることができる。ブース内には撮影コーナーも用意され、撮影した写真をユーザーのスマートフォンに保存できるほか、1枚を選んでプリント写真として持ち帰れる。
アニメの「聖地巡礼」を楽しめるアプリとして開発、ビジネス化も視野に
画面内にキャラクターを表示するという「ミク☆さんぽ」のシステムは、KDDIの新規事業として開発された。「ミク☆さんぽ」に携わった水田修氏は、「もともとはアニメに登場した場所を訪れる“聖地巡礼”を楽しくするアプリを作りたかった」ときっかけを語る。
アイデアを出す中で、キャラクターと歩いたり、写真を撮るという「ミク☆さんぽ」の形となった。それを実現できる技術がグーグルが当時発表したばかりの「Tango」しか無かったため、Tangoを活用したサービスとなったという。
「Tango」が従来のAR技術と違う点は、部屋の構造(床や壁、家具の配置)を認識できること。床を認識できるので、段差があるところでも初音ミクが宙に浮かない。専用のマーカーを使わないので、上や下から初音ミクを眺めることもできる。
2月にはクリプトンと共同で、札幌で「ミク☆さんぽ」を使った実験展示を行った。家族連れなど、従来の初音ミクのファン以外にも好評だったことから、本格的な展開を決めたという。
「ミク☆さんぽ」のシステムは、Tango対応スマートフォンで部屋を“スキャン”し、構造を把握。キャラクターが特定の動作をするマーカーを画面内に設置することで、「キャラクターがある場所にいったら歌をうたう」といった動作を実現している。空間を把握するためのスキャン作業は、会議室程度の大きさなら3分程度で行えるということで、イベント会場にあわせてすばやく展開が可能としている。
KDDIはキャラクターの案内システムとして、ミュージアムガイドや訪日外国人向けの観光案内、商業施設などでの体験サービスなどへの展開を見込んでいる。
なお、「ミク☆さんぽ」で使われているTango対応のAndroidスマートフォン「Lenovo Phab 2 Pro」のauでの提供予定はない。また、auではTango対応の端末を提供していないが、こちらの提供も未定としている。