インタビュー
au TOM'Sのドライバー2人がKDDI本社で成果報告、レースの裏話も
サイン入りモバイルバッテリーを読者プレゼント
2016年12月2日 18:42
国内最大のGTレース「SUPER GT」で、今年から「LEXUS TEAM TOM'S」のスポンサーとなったKDDI。auのブランドカラーのオレンジをまとった36号車「au TOM'S RC F」がサーキットを駆け抜けた。
12月2日、ドライバーの伊藤大輔選手とニック・キャシディ選手が東京・飯田橋のKDDI本社を訪れ、2回の表彰台を獲得し、シリーズランキング5位となった2016年シーズンの報告を行った。
本誌では、報告会の後、伊藤選手とキャシディ選手にインタビュー。auとの1年を振り返ってもらった。
前半のトラブルが無ければ、もっと上を目指せた
――「au TOM'S」のドライバーとして戦った1年でしたが、振り返っていかがでしたか?
伊藤選手
シーズン5位で、まずまずと言えばまずまずなんですが、当然チャンピオンを狙ってやってきていましたから、自分たちの中では物足りないというか、もっと結果を出したかったなという気持ちが強いです。鈴鹿1000kmでも勝てそうで勝てなかったという悔しさがあります。auさんと組ませていただいて、シーズンが始まる前からウキウキした感じでした。少し物足りなかった部分もありますが、随所でファンの人たちに喜んでもらえるようなアグレッシブなオーバーテイクを見せられましたから、そこは良かったかなと思います。
SUPER GTのレース自体、子供たちが興味を持って来てくれるようになっています。ケータイ世代の若者というと、どちらかというと車離れをしている世代の方が近いのだと思いますが、auさんとコラボすることによって、車離れをしている世代の目を自動車やレースの方向に持っていきたいという気持ちはありますし、その良いきっかけになったかと思います。
キャシディ選手
1年を振り返ると、もう少し成績を上げることもできたのではないかと感じています。最初の2レースではシャシー(モノコック)の問題もあり、不運な結果になってしまっていたので、そういう出来事がなければ、もっと良い成績で終われたかなと思います。
伊藤選手
今のGTのレース車両のレベルというのは非常に拮抗していて、ちょっと何かが合わないとすぐに順位を落としてしまうような状況です。そんな中でトラブルを抱えていた前半はタフなレースが続きました。やっぱり鈴鹿1000kmで優勝はできなかったけど、2位に入ることができて、我々にとってみれば後半戦で波に乗るきっかけになりました。最終的にはシリーズ5位だったんですが、チャンピオンの可能性を持った状態で最終戦を戦うということが非常に重要なポイントなので、そこは良かったかなと思います。
――来年は車がRC FからLC500に変わります。テストしての感想は?
伊藤選手
新しくLCになるということで、事前にテストに参加させてもらったのですが、レギュレーションがかなり変わって、来年はダウンフォースが30%減ってしまいます。30%全て減ってしまうと非常に運転しづらい状況になるのですが、TRD開発陣がその30%をどれだけ補うかという点でかなり頑張ってくれているので、多少ダウンフォースが減って運転しづらい部分はあったのですが、ライバル勢の今のパフォーマンスと比べると、レクサスが一歩リードしているのかなと感じています。もちろん開幕したときにはライバルのポテンシャルが上がっている可能性もあるのですが、このまま開発を進めてスタートダッシュできるようにしたいですね。
おサイフケータイ無しでは生きていけない
――ちなみにお二人は今、どんなケータイをお使いですか? auであることを祈ります(笑)。
キャシディ選手
もちろん、auのiPhoneを使っています。今年は(F3を戦っている)ヨーロッパと日本を行き来していましたから、旅をしながらずっと使っていました。
伊藤選手
僕は家族全員auです。iPhoneも使っているんですが、実はガラホをメインで使っていて。その一番の理由はおサイフケータイなんです。iPhone 7になって、ようやくApple Payも利用できるようになったのですが、新幹線のエクスプレス予約とか、今の時点では、きちんとしたおサイフケータイ機能が付いているガラホの方がいい面もある。じゃあ、なんでほかのスマートフォンにしないのかというと、僕はAppleが好きなので(笑)。
――おサイフケータイへのこだわりがあるんですね。
伊藤選手
僕の中ではコンビニでいちいち小銭を出している時間が許せないんです。ドライバーとしての本能というか、職業病というか(笑)。公道で運転している時もできるだけ渋滞を避けるようなルートで行きたいし、コンビニでもそうだし、改札でもそうだし、いかにスムーズに通り抜けるかという風に効率化を考えてしまうんです。
キャシディ選手
大輔はおサイフケータイがあるから改札を通るのがすごく早いんですが、僕にはおサイフケータイが無いので、みどりの窓口に並ばなければいけないんです。だいたいにおいて、みどりの窓口っていうのはすごく行列ができていて、大輔がどんどんイライラしていくんです(笑)。
伊藤選手
イライラするのが嫌なので、僕はケータイで行けるにも関わらず、ニックの分を買いに走るわけです(笑)。名古屋駅で長蛇の列ができるところを効率よく並ぶために走ってニックの分を手に入れて、という感じで。彼はまだ日本に来て2年目ですから、少し助けてあげないと。
キャシディ選手
今のところ無事に到着できています(笑)。
伊藤選手
俺のおかげ(笑)。
世界を股にかける若武者の必須アプリ3種
――キャシディ選手は若い世代ということでスマートフォンを使いこなしているのだと思いますが、どんな風に使っていますか?
キャシディ選手
お気に入りのアプリが3つあります。1つめはWhatsApp。(母国の)ニュージーランドを離れ、日本とヨーロッパでレースをしていて、世界中に友達がいますが、彼らと無料でチャットしたり通話したりできるところが気に入っています。
2つめはInstagram。写真を撮るのが好きで、それをファンとシェアして楽しめるのがいいですね。
3つめはSnapchat。日本ではまだあまり普及していないようですが、二度と見られたくないような本当にくだらないことを伝えたい時に使ってます(笑)。
――伊藤さんは今の3つのアプリって知ってます?
伊藤選手
Snapchatは彼に出会うまで知らなかったですし、WhatsAppも一応iPhoneに入れていますが、使った試しがなくて、たまに使うのはInstagramですね。僕のファンに向けてのメインのツールは未だにブログで、はじめの頃はパソコンを使ってやっていました。今ではスマホも使って更新していますが。その次がTwitter、Facebook、Instagramという感じですかね。
キャシディ選手
Instagramは僕が教えたんですよ。3カ月ぐらい「そんなのいらない」と言い続けてましたけど(笑)。
伊藤選手
ニックにずっとやれと言われていて、何かの拍子でやるようになりました。Twitterに関しても、前にやっていたんですが、面倒くさくて、ここ3年ぐらい使っていなかったんです。37号車のジェームス(ロシター選手)が僕のTwitterを見て、常につぶやいているジェームスよりもフォロワーが多くて、それを見た彼に「こんなにフォロワーがいるのに、何でこんなもったいない使い方をしてるんだ」と言われて、ここ1年くらいでまた使うようになりました(笑)。
――お二人は何を使ってコミュニケーションしているんですか?
伊藤選手
基本、LINEですね。
キャシディ選手
同じTOM'Sチームの36号車と37号車のドライバー4人でグループを作っていて、「夕飯何時?」とかいう話をしています(笑)。
伊藤選手
仙台(SUGO)のレースの時は東北新幹線を使うんですが、東海道新幹線に比べると本数が少なくて、切符を取るのに苦労するんですよ。だから僕が前もってLINEで「早めに切符を取った方がいいよ」というインフォメーションを流しているにも関わらず、みんな準備をしないんですよ(笑)。僕がコントローラー役になっていろいろやっています。
キャシディ選手
列車の時刻表を確認したことはないけど、伊藤さんがいつ行くかだけ知っていれば大丈夫なんです(笑)。今は東京で暮らしていますから、普段Googleマップは使っていますけど。
パケ死を乗り越えて来シーズンはチャンピオン獲得を
――キャシディ選手は海外でもauのスマートフォンをそのまま使っているんですか?
キャシディ選手
そうですね。すごく使っちゃって、支払いが大変なことに……(苦笑)。
伊藤選手
こいつ本当に使い過ぎるんですよ。去年、マレーシアでテストする時にモバイルルーターをレンタルして行ったんですが、彼も使いたいというのでパスワードを教えたんですよ。そしたら、僕が一生懸命テストしている2時間ぐらいの間に使い切りやがって。
キャシディ選手
いや、1台の車を3人(伊藤選手、ロシター選手、キャシディ選手)でシェアする形で、乗りたかったけど、2人がテストするのをずっと見てるだけだったんですよ。で、運転していないから、ずっとスマホばかりいじってたんです。でも、公平に言うと、ジェームスもパスワードを知っていましたからね。
伊藤選手
ジェームスは分かってるから動画は見ないけど、こいつはもう動画をいっぱい見ていたんですよ。
キャシディ選手
確かにYouTubeは見てたけど……。
伊藤選手
だからダメだって(笑)。
キャシディ選手
ジェームスは誰かと2時間通話していたけどね(笑)。
伊藤選手
通話よりYouTubeの方が容量が大きいんだって。
――最後に来年に向けての抱負を教えてください。
キャシディ選手
チャンピオンになれない理由はありません。SUPER GTは日本では最大のカテゴリーです。そこでチャンピオンになることがどれだけ特別なことなのかということは大輔がよく知っています。
伊藤選手
やっぱりチャンピオンですよね。タイトルを取るために一番大事なのは取りこぼしをしないことで、毎戦ベストだったらいいですが、ベストじゃない時でも最低限のポイントを取っていく、そして、自分たちが有利な時にきちんと優勝するということ。良い時も悪い時もきちんとポイントを拾っていくことが重要なんです。ニックもこの1年でかなり勉強したと思うので、来年はそれを活かして、ぜひともタイトルを取りたいと思っています。
――ありがとうございました。