特集:ケータイ Watch20周年

【今日は何の日?】東日本大震災から10年

2020年4月10日、本誌「ケータイ Watch」は、創刊20周年を迎えることができました。20周年となる2020年度、本誌では、日々「これまでの20年」を振り返ってまいります。

 2011年3月11日14時46分ごろ、東日本大震災が発生しました。あれから10年。テクノロジーの動向を見つめる本誌ですが、未曾有の大災害以降、災害対策や、関連するコンテンツ、サービスなど数多くの記事をご提供してきました。とくにこの3日間(2021年3月9日~11日)は、携帯大手3社の取り組みについて取材、当時、そして現在から今後についてご紹介しております。あわせて災害対策に関連する記事も掲載いたしました。いずれも力の入った取材で、その分、読み応えたっぷりの内容です。震災をきっかけに開発されたというLINEも、ヤフーとともに関連企画を提供しており、本誌でお伝えしております。

 震災当日、NTTドコモがSIMロックに関する記者説明会を開催していました。ドコモ端末のSIMロックを解除できるようにする、という内容でした(※関連記事)。会見は午前中に終わり、記事を午後掲載したあとに大きな揺れに見舞われたのでした。

 携帯各社の復旧状況は、約1カ月後、まとまった情報が紹介されました。NTTドコモとKDDIはそれぞれ説明会が開催され、ソフトバンクは報道資料のみでの開示でした。筆者が取材したNTTドコモの説明会は、NTTグループとしての会見となり、三浦惺NTT(持株)社長や、NTTドコモの山田隆持社長(いずれも当時)からの説明で、津波による大きな被害状況に言葉を失うも、1カ月で復旧にこぎ着けたことにも胸を動かされたことを強く覚えています。当時、安否確認のためか、被災地に向けて音声通話が通常の50倍~60倍ほど増えており、その後の対策では音声通話よりも比較的繋がりやすいパケット通信による安否確認手段が整備されていきました。

 個人的に、当時の取材で記憶に残るものは、NTTドコモによる「復旧エリアマップ」の提供です。「使えるエリア」だけではなく「使えないエリア」もあわせてわかるというこのマップは、東日本大震災の直後に開発、提供されることになったもので、今では携帯大手3社は大規模災害時に運営するようになっています。

 携帯電話業界を取材する本誌でも、被災地の状況をつぶさにお伝えすることはできませんでした。しかし、携帯各社の取り組みと、防災・減災につながるさまざまな情報を、これからもご提供できるよう努めてまいります。

2011年3月12日に掲載した本誌記事