東北太平洋沖地震、14日午前の携帯各社の状況


 東北太平洋沖地震の影響で、携帯電話・PHSのサービスは、しばらく利用できなかったり、あるいは通信規制などで利用しづらかったりする状況が続くと見られる。14日午前の状況をまとめた。

NTTドコモ

 以下は、おおむね14日10時時点の情報となる。

 通信設備は、東北・関東甲信越の基地局、約3200局(FOMAは2490局)でサービス中断が発生しており、そのエリアでは音声通話やパケット通信が利用できない。FOMAのサービス中断局を地域ごとに見ると、青森30局、岩手570局、秋田40局、宮城1090局、山形50局、福島220局(東北合計で2000局)、関東甲信越490局。なお、北海道では停電の影響でムーバのパケット通信が利用できない。

 通信規制についてはFOMA網の音声通話のみ、発信規制が実施されている。iモードを含むパケット通信、およびムーバの通話/通信では通信規制が行われていない。通信規制の状況は、宮城/岩手/福島が0~70%、青森/秋田/山形が0~50%、茨城・千葉が50~70%、埼玉が0~70%、東京・神奈川が0~50%となる。

 行政機関などには衛星携帯電話が126台、携帯電話が362台貸し出されている。14日以降に運用予定として、移動基地局社約30台、移動電源車約30台、可搬型発電機約300台、他社携帯電話含む18台の携帯を充電できるマルチチャージャー約70台が用意されている。

 災害用伝言板サービスは、14日0時時点で、登録が105万892件、確認が154万5116件となる。

KDDI

 以下は9時時点の情報となる。

 停波している基地局は約1880局で、そのうち東北が約1380局、関東が約500局となる。一時利用できなかったエリアのうち、長野県、群馬県、千葉県、山梨県、埼玉県は既に復旧した。また北海道・東北地域で圏内になっている場所でも、地震発生直後はEZwebやIS NETなどが利用できなかったものの、CDMA 1X WIN端末は3月12日15時53分より、CDMA 1X端末は13日13時38分より利用できるようになった。

 通信規制は、東北が発信25%、着信30%、関東は発信5%、着信10%となる。

 被害が大きいエリアには移動基地局(車載基地局)を展開しており、これまでに宮城県岩沼市岩沼小学校避難所前、気仙沼市役所、多賀城市役所、岩手県釜石市合同庁舎、宮古市合同庁舎でサービスを提供している。端末や充電器は随時貸し出しているとのこと。また14日12時15分時点で、仙台市内で充電できるauショップは、以下の4店舗。

  • auショップ仙台名掛丁(青葉区中央2-6-1)
  • auショップおおまち(青葉区一番町3-6-5)
  • auショップ仙台一番町(青葉区一番町4-3-29)
  • auショップ西多賀(太白区4-28-45)

ソフトバンクモバイル

 総務省が昨13日17時時点として公開した情報によれば、停波している基地局は1974局とのことだが、ソフトバンクモバイルでは、電力復旧にあわせて徐々に回復しているとのことで、現在の停波局数は1809局とのこと。

 同社の携帯電話から電話をかける際、東北・関東のNTT固定電話宛の音声通話は発信規制がかけられているとのこと。現時点で携帯電話が利用しづらいエリアは、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、栃木県、千葉県、神奈川県各県の一部地域。

 なお同社では、11日から1週間、全てのメールを無料としている。

イー・モバイル

 14日12時時点で停波している基地局数は、東北(岩手・宮城・山形・福島)188局、関東(茨城・群馬・千葉・栃木・山梨・神奈川)41局となる。

 発信規制は実施していない。現地からの報告で仙台市内でもさほど不便なく、利用できる状況とのこと。

 このほか、被災地に向けた支援策も検討中とのこと。

ウィルコム

 12時時点、災害による大規模停電の影響を受けている関東・東北地域では、データ通信や音声サービスの利用が難しい状況とのこと。ただし、通じるエリアでは通信規制はない。

UQコミュニケーションズ

 14日6時半の時点で、約100局の基地局が停波している。そのほとんどが宮城県内にあるとのことで、他のエリアでは、安定したサービスが提供されている。

 なおUQによれば、同社基地局設備の大半が非常用電源を保有していないとのこと。東京電力の計画停電が実施されれば、その影響を受ける。

 このほか、被災地向けの支援策を検討中とのこと。

 



(関口 聖)

2011/3/14 12:56