レビュー

Google「Fitbit Edge」先行レビュー 1.34型有機EL・心電図・GPS搭載で2.7万円、その実力は

 グーグル(Google)は、Fitbitブランドの最新ウェアラブルデバイス「Fitbit Edge」を10月27日に発売する。

Google 「Fitbit Edge」

 今回、製品をいち早く試用する機会を得たので、同じくFitbitブランドのウェアラブルデバイス「Fitbit Air」と比較しつつ、ハード面や使い勝手を紹介する。

 なお、使用したのは発売前の評価機のため、製品版とはアプリ動作など異なる可能性がある点はご了承願いたい。価格は2万6800円。

Fitbit Charge 6の後継モデル的な製品

 「Fitbit Edge」は、本体にディスプレイを備えつつ小型軽量ボディを実現したフィットネストラッカーだ。見た目からも、「Fitbit Charge 6」の後継モデル的な位置づけの製品、という印象だ。

Fitbit Edgeの見た目はFitbit Charge 6に近い

 バンドを除いた大きさは、25.6×39.2×11.58mmとまずまずコンパクト。重さは公称17.7g、実測でも17.7gだった。

本体部分のサイズは25.6×39.2×11.58mm

 Fitbit Airのコア部分であるペブルと比較すると、体積はかなり大きく、重量も3倍以上となっているが、ディスプレイを備えるフィットネストラッカーの本体としてはサイズ、重量とも標準的だ。

Fitbit Air(左)との比較。ディスプレイの存在が最大の違いだ
底面
Fitbit Airのコア部分(左)と比べると、かなり大きな印象

 付属のバンドは、ソフトタッチコーティングを施したシリコン製のアクティブバンド。出荷時にはLサイズのバンドが装着されているが、付属のSサイズのバンドに交換して利用できる。

 バンドを含めた重さは、Lサイズのバンド時で実測35.1g、Sサイズのバンド時で実測32.6g。Fitbit Airはバンド込みで約12gだったため、3倍近くの重量がある。

厚さもかなり違う
本体の重さは実測で17.7gと公称通りだった

 実際にFitbit Edgeを腕に装着すると、Fitbit Airよりも重く、その存在感がしっかり感じられる。それでも、Pixel Watchなどのスマートウォッチと比べると十分に軽く、装着時の負担は少ない。就寝時でもその存在をあまり意識せず装着できるという印象だ。

付属のバンドはシリコン製のアクティブバンド。出荷時にはLサイズのバンドが装着されている

 ただ、アクティブバンドがシリコン製ということもあって、装着時はやや蒸れを感じる。今回試用した期間、気温が30度近くまで上がる日もあったが、その日は一段と蒸れる印象が強まった。通気性の良さはFitbit Airのバンドのほうが上だ。

製品には説明書、専用充電器に加えSサイズのバンドが付属
SサイズとLサイズの比較

 ただ、Fitbit Airのバンドは面ファスナーで固定するため簡単に外れる場合があるのに対し、Fitbit Edgeのバンドはピンとバックルでしっかり固定でき、簡単に外れないため、ハードなトレーニングを行う場面でも安心して装着できるだろう。

 バンドは、本体底面のバンド横にある突起を外側に倒すように押すと外れるようになっている。

本体裏のバンド付近の突起を外側に倒すとロックが外れバンドを取り外せる
Lサイズのバンド装着時の重量は実測で35.1g
Sサイズのバンド装着時の重量は実測で35g
アクティブバンドはしっかり固定して装着できる反面、蒸れる印象だ

 本体は、右側面にサイドボタン、左側面に多目的電気センサー用の接触部、底面に光学センサーなどの各種センサーを搭載。IP68準拠の防水防塵性能および5気圧防水仕様を実現しているため、ハードな運動や水泳など水中のトレーニングにも問題なく対応できる。

左側面に多目的電気センサー用の接触部を用意
右側面にはサイドボタンを配置

 1.34型の有機ELディスプレイを搭載する。表示解像度は非公開。輝度は3段階に設定できる。なお、試用時は輝度を3段階の中に設定していたが、晴れの屋外でもしっかり内容を確認できた。

1.34型の有機ELディスプレイを搭載

 画面は装着した腕を上げると点灯、下げると消灯する。また、常時表示機能も用意され、常時表示をオンにすると、ウォッチフェイスや選択しているタイルを、輝度を弱めて常時表示する。また、常時表示する時間帯も設定できるので、日中は常時表示オン、就寝時は常時表示オフといった利用も可能だ。

 搭載するセンサーは、高度計、加速度計、ジャイロスコープ、酸素飽和度モニタリング用の赤色光および赤外線センサー、心電図アプリに対応する多目的電気センサー、フォトプレチスモグラフィ(PPG)光学式心拍数センサー、環境光センサー、非接触の皮膚温センサーを搭載。

 また、GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou、みちびきに対応するGPSも搭載しており、単体で位置情報の取得が可能となっている。

 通信機能はBluetooth 5.4を搭載。バイブレーション機能は搭載するが、スピーカーやマイクは非搭載のため、音での通知や音声での操作、スマートフォンと連携した通話などは行えない。また、NFC/FeliCaも非搭載。Fitbit Charge 6までの特徴のひとつだった、クレジットカードやSuicaなどによる決済機能が利用できない点は残念だ。

 対応するスマートフォンは、Android 11.0以降のAndoridスマートフォン、およびiOS 16.4以降のiPhone。

画面の存在がFitbit Edgeの魅力

 先にも紹介したように、Fitbit Edgeは1.34型有機ELディスプレイを搭載している。

ディスプレイを上から下にスワイプするとクイック設定を表示

 ディスプレイはタッチ操作に対応し、Pixel Watchとほぼ同様の操作性を実現。左右スワイプでのタイル切り替え、上から下へのスワイプでクイック設定の表示、下から上へのスワイプで通知の表示が行える。右のサイドボタンは、画面オンやアプリ一覧表示に利用する。

下から上にスワイプすると通知を表示
左右スワイプでタイルを切り替える
右のサイドボタンで画面オンやアプリ一覧表示の操作が可能

 ウォッチフェイスや左右スワイプで切り替えるタイル、アプリは、一部本体でも変更可能だが、スマートフォンの「Google Health」アプリで設定するのが便利だ。

ウォッチフェイスやタイル、アプリの変更、本体の設定変更などはGoogle Healthアプリで行うのが便利

 ウォッチフェイスは、標準で「Modular 3」が設定されており、そちらも含め全13種類を用意。各ウォッチフェイスは5種類からカラーリングを変更できる。

標準設定のウォッチフェイス「Modular 3」
ウォッチフェイスは全13種類を用意

 タイルは、標準でウォッチフェイス以外に「アクティビティのクイックスタート」「フォーカスの指標」「睡眠」「心拍」「天気」「タイマー」「メディアコントロール」の7つが登録されており、Google Healthから自由に入れ替え可能。また非登録タイルとして「月経周期」を用意しており、利用できるタイルは全8種類。

ウォッチフェイスはそれぞれカラーを5種類から選択できる
タイルは標準で7種類が登録されている

 アプリは、「Googleマップ」「Health」「アラーム」「エクササイズ」「ストップウォッチ」「タイマー」「メディア」「天気」「心電図」などの11種類が用意され、標準で全アプリがFitbit Edgeにインストールされている。

 これらタイルやアプリは、今後のアップデートで増える可能性があり、機能が向上していくものと思われる。

非登録タイルの「月経周期」を加え、タイルは全8種類を用意
アプリは用意されている11種類全てがインストールされている

 そして、実際にFitbit Edgeを利用して、ディスプレイで各種機能を操作したり、情報をチェックできるのはやっぱり便利だな、と改めて感じた。中でも、簡単に時間がわかること、本体でフィットネスをスタートできることは、特に便利に感じた部分だ。

 もちろん、Fitbit Airにはその存在感を感じさせない軽さといった大きな特徴があるが、日々の利便性という意味ではディスプレイのあるFitbit Edgeのほうが上と感じる。

連続装着でもバッテリー駆動は1週間を軽くクリア

 Fitbit Edgeのバッテリー駆動時間は内蔵バッテリー容量は65mAhで、公称では最大7日間の駆動が可能とされている。そこで実際に、入浴時(30分ほど)以外は常に装着して1週間過ごしてみたところ、まだ23%のバッテリーが残っていた。

入浴以外は常に装着して利用したところ、1週間を経過してもバッテリーはまだ23%残っていた

 その間、自宅作業が多かったこともあって、あまりハードに動かなかったこともその要因かもしれないが、多少ハードなトレーニングが続いたとしても、おそらく1週間は問題なく持ちそうだ。

充電は付属のアダプタを利用。これはFitbit Airのものと同じだ

 内蔵バッテリーの充電には、付属のアダプタを本体底面に装着して行う。このアダプタはFitbit Airのものと同じで、装着の向きは決まっておらず、底面にマグネットで缶単位装着し充電できる。試しにFitbit Air付属のアダプタを利用してみても、問題なく充電できた。

 充電中は画面にバッテリー残量を表示するので、あとどのくらいでフル充電となるか簡単に判断できる。

充電中は画面に残量が表示され、あとどのくらいで充電が完了するか簡単に確認できる

搭載センサーの違いでFitbit EdgeのほうがFitbit Airより計測できることが多い

 Fitbit Edgeは、Fitbit Ari同様に、フィットネスアプリ「Google Health」と連携して利用する。Google Healthアプリでできることについては、Fitbit Airのレビュー記事で紹介しているので、詳しくはそちらを参照してもらいたい。

 そして、Pixel Watchとの同時ペアリングにも対応している。これにより、外出時にはPixel Watch、トレーニング時や帰宅後はFitbit Edge、というように双方を使い分けることが可能だ。今回、実際にPixel Watch 5と同時ペアリングで全く問題なく利用できた。

Fitbit Edgeはフィットネスアプリ「Google Health」と連携して利用する
Pixel Watch 5と同時ペアリングで利用したが、問題なく利用できた

 Fitbit EdgeとFitbit Airとで、できることは基本的にはそう大きく変わらない。40種類以上のエクササイズモードによるフィットネストラッキング、アクティビティの自動認識、歩数や消費カロリーの計測、移動のGPSトラッキング、心拍数モニタリング、不整脈の通知、睡眠計測、Google HealthでのGeminiによるコーチングや先回りサポートなどは、どちらも利用できる。

フットネストラッキングや運動の質、生体情報の取得など、できることはFitbit Airとそう大きく変わらない
Google Health Premiumサブスクリプション加入で、Geminiによるコーチングが利用できる点も同様だ

 ただFitbit Edgeは、Fitbit Airには非搭載の高度計と心電図アプリ対応電気センサー、GPSを搭載していることで、計測できることが多くなっている。

 まず、高度計の搭載によって、アクティビティ時の標高差を計測できる。ランニングやウォーキング時にどれだけの高低差を移動したのかを計測できる。これにより、より正確に消費カロリーの計測ができると考えられる。

ウォーキングなどでどのくらいの標高差を移動したのか計測できる

 心電図の計測もFitbit Airにはできない機能。心電図アプリを起動し、本体の左右側面を指でつまむように添え、30秒で心電図を計測できる。この機能はPixel Watchシリーズに搭載されているものとほぼ同じで、結果をPDFとして出力することも可能だ。なお、心電図の計測は22歳以上の人を対象としている。

心電図アプリを起動して本体左右側面を指でつまむことで心電図を計測できる
計測した心電図はPDF形式で出力可能

 そして、GPSを内蔵することで、単体で移動のトラッキングが可能。Fitbit AirではスマートフォンのGPSを利用して移動のトラッキングを行うため、ペアリングしたスマートフォンを同時に持ち歩く必要があるが、Fitbit Edgeではペアリングしたスマートフォンを同時に持ち出さなくても単体でトラッキングできる。

 試しに、スマートフォンのBluetoothをオフにし、Fitbit Edgeとの接続を切った状態でウォーキングを試してみたところ、もちろん問題なく移動情報が取得できた。

BluetoothをオフにしFitbit Edgeとの接続を切った状態でも移動情報が記録できた
都心の高いビルが建つような場所では、正確な位置情報を取得できず移動履歴が飛ぶこともあった

 ただし、その精度はそれほど高くないようだ。障害物の少ない公園をウォーキングした場合では、ほぼ正確に移動情報を取得できていたが、高いビルの多い東京都心ではGPSを受信できなかったためか、途中が飛んだ軌跡が記録された。ただ、スマートフォンを同時携帯し、Bluetoothをオンにしてスマートフォンとペアリング状態で計測すると、比較的ビルの多い谷間を移動しても正確に移動情報が取得できていた。Fitbit EdgeのGPSを利用すると、バッテリーの消費が多くなるとされているので、正確な移動情報を取得したいならペアリングしたスマートフォンを同時に持ち歩くほうがいいだろう。

 なお、Fitbit EdgeやPixel Watchなどと同様、移動情報の取得は手動でワークアウトを開始しなければ計測されない。ワークアウトの自動認識では位置情報が取得されないので注意したい。

ペアリングしBluetooth接続したスマートフォンを同時携帯すると、ビルの間なども正確に位置を取得できた
ワークアウトの自動認識では移動情報は取得されないため、必ずワークアウトを手動でスタートさせる必要がある

Health Guardianも利用可能

 ところで、Fitbit Airレビュー時からのGoogle Healthの進化点が「Health Guardian」の利用が開始となった部分だ。

 Health Guardianは、日々の血中酸素濃度や心拍数、睡眠中の呼吸の室などを計測し、日々の体調やコンディションの変化を把握できるというもの。そして、Fitbit EdgeもこのHealth Guardianに対応している。

2026年9月末より日本でも利用可能となった「Health Guardian」にも対応
1週間以上連続で装着していたので、血管ストレスの傾向が表示された

 Health Guardianでは、センサーで取得した生体情報を蓄積し、血管ストレスの傾向、代謝ストレスの傾向、睡眠時の呼吸の質を毎月報告。また、低心拍や高心拍、不規則心拍などを計測したらアラートを通知する機能も用意されている。

 Health Guardianの各種機能を利用するには、5日~7日以上の装着による生体情報の連続取得が必要となる。今回、10月下旬に10日ほど連続で装着しており、その条件を満たしていたこともあって、血管ストレスの傾向と代謝ストレスの傾向のレポートは正しく表示された。

 ただ、睡眠データも10日間取得していたが、睡眠時の呼吸の質はデータ不足としてレポートが表示されなかった。この他、Geminiによるコーチングの一部が英語表示となっている項目があるなど、日本語対応を含めてまだまだ完成度が高くないと感じる部分もある。

 日本でHealth Guardianの提供が始まったのは2026年9月末で、まだ1カ月ほどしか経過していない。そのため、今後のGoogle Healthバージョンアップで機能は改善していくだろう。

同じく代謝ストレスの傾向も表示。ただ、Geminiによるコーチングなど一部英語表示のままとなっている部分が見られる
睡眠データは10日以上取得できていたが、データ不足として睡眠時の呼吸の質は表示されなかった

 ちなみに、Fitbit Air同様、Google HealthのGeminiによるコーチングやHealth Guardianの機能を利用するには、月額1,500円または年額13,000円の「Google Health Premiumサブスクリプション」へ加入する必要がある。Fitbit EdgeにはGoogle Health Premiumの3カ月無料体験体験が付属しているので、まずはそちらで体験した後に、サブスクリプションへの加入を検討するといいだろう。

単体利用なら断然Fitbit Edgeがお勧め

 今回実際にFitbit Edgeを試用して、ディスプレイがあるという点以外は、多くがFitbit Airに近い存在のフィットネストラッカーだと感じた。

 ただ、単体で時刻や天気を確認できたり、アクティビティの開始や終了の操作、単体でのアクティビティの内容チェック、通知の確認などが行えるというように、ディスプレイがあるというだけで、日々の利便性は大きく高まる。NFC/FeliCa非搭載で、決済まわりの利便性は失われているものの、フィットネストラッカーとしてはもちろん、スマートウォッチとしても活用可能で、単体利用にも十分対応できるだろう。

 すでにPixel Watchシリーズを持っているという人にとっては、Fitbit Airのほうが合っているかもしれない。外出時にPixel Watchを装着、自宅に帰り就寝時などにFitbit Airを装着するという使い方であれば、ディスプレイはほぼ不要で、Fitbit Edgeを選択する必要性はあまり高くないと言える。

 もちろん、Fitbit EdgeでもPixel Watchと同時ペアリングで使い分けると便利なのは間違いないが、どちらかというと単体でスマートウォッチとしても活用できるフィットネストラッカーを探している人にお勧めしたい。