レビュー

本日発売! 「Google Pixel 5」クイックレビュー

 グーグルは、Androidスマートフォン「Pixel 5」を10月15日から発売する。auやソフトバンクでも取り扱われる。

外観

 大きさは144.7×70.4×8.0mm、重さは151g。6.0インチのフルスクリーンディスプレイを搭載する。フロントカメラにパンチホールを採用し、全面の91%をディスプレイで覆い、没入感を高めたことは最大の特徴かもしれない。ちなみに90Hz駆動で表現し、アプリなどを操作するときにはその滑らかさを実感できる。

 背面にはメインカメラと指紋認証センサーが配置されている。側面には右側に電源ボタンと音量ボタン、SIMスロット、下側にスピーカーとUSB Type-C端子を備える。

背面にはカメラと指紋認証センサーを配置
前面カメラはディスプレイ上左部に配置。パンチホール型となり、際ぎりぎりまで画面が配置されている

 ざらつきのある、マットで落ち着いた仕上がりはグーグルの担当者いわく「大理石に触れたように感じてもらえるのでは」というテイストで、手への収まりも良い。電源ボタンはメタリックで、品の良さを演出するアクセントになっている。

 1年前のPixel 4と比べ、背面に指紋センサーが復活したことや、仕上げのテイストが大幅に異なることが興味深いところで、グーグルでは「手に持ったときより自然に感じられることを目指した」としている。

左からPixel 4、Pixel 4a、Pixel 4a(5G)、Pixel 5
【お詫びと訂正 2020/10/15 12:07】記事初出時、Pixel 5とPixel 4a(5G)の順を誤って記載しておりました。

カメラ

 同時に発表された「Pixel 4a(5G)と同等のシステムが採用されており、1220万画素カメラと超広角の1600万画素カメラという組み合わせになる。

 ユーザーインターフェイスとしては、シャッターボタンの下には基本モードとなる「カメラ」のほか、「夜景」「ポートレート」「動画」「その他」が表示されている。

 タップや画面をスライドすればモードを切り替えられる。その他では「パノラマ」「360°写真」「スロモ録画」「タイムラプス」を選択できる。1600万画素の超広角レンズを搭載しているため、カメラのズーム倍率で最大×0.6まで広角での撮影もできる。

カメラモード
動画
カメラモードで撮影(原寸大)
カメラモード(左)とポートレート(右)。背景にぼけがきいている。(原寸大)

 今回掲載した作例は、10月14日、曇天の都内で撮影した。明るさにはやや欠ける環境ではあったが、Pixel 5のカメラは、植物の彩りや細部、ビルのそびえ立つさまなど、手軽に心地よく切り取ってくれた。パッとシャッターを切るだけで、鮮やかな写真が手元に残される、という手軽さの裏には、グーグルのソフトウェア技術がある。

超広角で撮影

 その技術がもたらした新たな進化ポイントであるポートレートモード×夜景モードなどは、別途ご紹介する予定だ。

シネマティック動画

 動画ではシネマティック撮影と呼ばれる機能などが取り入れられた。徐々に徐々にカメラが動き、スローモーションで捉えた被写体・風景を安定させた映像にしてくれる。

動画モードでは画面右下に手ぶれ補正のマークが出る。タップするとどのモードで撮影するか選べる。

 Pixel 5を手で持ち、歩きながら撮影すると、手ぶれを抑えた映像となっていた。いわゆるステディカムのような機能で、昨今のスマートフォンでも搭載されることが増えてきたものだが、さまざまな場面で試したくなる、楽しい機能だ。

Snapdragon 765採用、より広く、より多くの人へグーグルのテクノロジーを届ける一台

 チップセットは、プレミアムなミドルクラス向けの「Snapdragon 765」を採用した。

 これまではハイエンド向けのチップセットが採用されてきたところで、なぜ700番台になったのか。

 そもそもグーグルでは、Pixelシリーズを、同社のサービス、機能を便利に使ってもらうためのデバイスと位置づけている。それをさらにより多くのユーザーへ届けたいという考えから、今回は「765」の採用に至ったという。つまり“コスパ”を追求したことでのひとつの判断ということになる。

 ちなみに「Pixel 4」との違いとして、レーダー技術をもとに、手を触れることなくスマホを操作できる「Soli」や、側面を握って機能を呼び出すActive Edgeといった機能が、Pixel 5では省かれた。これはコストダウンというよりも、ベゼルレスデザインを重視した結果だという。

 その「Snapdragon 765」の実力は、800番台のハイエンドチップと比べると、見劣りするように感じる方がいるかもしれない。ハイパフォーマンスな処理が要求されるような場面、アプリでは今後、あらためてその実力を検証したいところだが、バッテリー消費や普段使いの快適さなど、そのバランス感に期待が持てるところ。

 今回のPixel 5は、たとえばカメラ機能において、これまでのPixelシリーズが目指してきた夜景モード、望遠・超解像に加えて、さらに超広角カメラの採用、そして動画撮影のレベルアップが図られており、大容量高精細なコンテンツを楽しめるようになった。そして5G時代を迎える中で、先述したようにコストとパフォーマンスのバランスを追求した一台でもある。どこでもあまねくコンピューターの力を活用できる「アンビエントコンピューティング」を体感できる、という意味ではPixelシリーズの正統な進化版。比較的良いものを、比較的手頃な価格で、長く使いたいというニーズにはピッタリと言えそうだ。

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