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Ingress「Persepolis in Tohoku」終幕、NIA須賀氏のコメント
(2015/6/20 23:03)
グーグル社内のスタートアップ、ナイアンティック・ラボが提供する位置情報ゲーム「Ingress」の公式イベント「Persepolis in Tohoku」が閉幕した。約1年前に石巻で開催された際には100人ほどのエージェントが参加し、こじんまりとした形のイベントだったが、今回は4000人ものエージェントが集結、杜の都で覇権を争った。
1つのポータルへ集中的にリンクをはる、いわゆる「スーパーノヴァ」を成し遂げたレジスタンス(青)陣営に対し、終始、仙台を覆うフィールドを維持し続けたエンライテンド(緑)陣営が勝利を飾った。多くのユーザーがポータルを取り合う“アノマリー”と呼ばれる公式イベントは、昨年12月の東京、今年3月の京都に続くもので、3回連続でエンライテンド陣営が勝利した。
閉会式となるアフターパーティでは、新たなコラボ企業である伊藤園、三菱東京UFJ銀行、ソフトバンクが紹介され、それぞれの企業から提供される賞品が、類い希なる実績を残したエージェントにプレゼントされた。
といっても主役は企業ではない。アフターパーティが開始早々、中の人の1人であるナイアンテック・ラボの須賀健人氏が「10分前に川島(優志氏)から聞かされました」と、急遽、とある男性エージェントが登壇。なんと、Ingressを通じて知り合った人にステージ上からプロポーズしたのだ。求婚された女性エージェントにとってもサプライズだったようで、多くのエージェントが集うなかで応諾すると、会場は万雷の拍手。
本誌インタビューによれば、Ingressを運営するナイアンテック・ラボは、人を動かし、外へ出ることを促す、といったことを目指してきたとされる。寄り道が増えた、体重が減った、とさまざまな影響を人におよぼしてきたが、アフターパーティの冒頭で披露された一幕もまた、Ingressが目指してきたものの1つの大きな結果だ。
自治体との関係強化も
6月に仙台、東北でイベントを実施したこと、そして企業との複数のコラボが一斉に発表されたことは、小さい組織でそれぞれに全力で取り組んできた結果でしかなく、時期は狙ったものではない、とナイアンテック・ラボの須賀健人氏。
日本のユーザー数は、米国を超えたのか、という問いに同氏は「ノーコメント」とにやり。ただ、ユーザーの伸びはいまだ堅調のようで、大きめなイベントが開催されるとさらに伸びているようだ。
最近では、自治体がIngressの活用に食指を伸ばしている状況だが、須賀氏は「自治体とはWin-Winの関係が築けると思っている。我々にとってはポータルが充実する。地方にとっては訪問者の増加が期待できる。我々の体制は整っていないが、今後、スケーラブルな形で自治体と協力した取り組みをしていければ」と述べた。
Ingressの仕組みをプラットフォーム化し、他のゲームに活用してもらう、ということを狙うナイアンテック・ラボでは、以前より「エンドゲーム」というコンテンツが登場する予定としている。須賀氏は「ご期待ください」と笑顔を見せつつ、詳細は語らなかった。