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使わなくなったスマホをサーバーに、Google支援で2000台のPixelを再利用
2026年6月16日 00:00
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、Googleの支援を受け、中古のスマートフォンを再利用して低炭素なクラウドコンピューティングプラットフォームを構築する取り組みを進めている。今秋には、2000台のGoogle Pixelを利用したデータセンターが立ち上げられる予定だ。
取り組みの背景
コンピューティング分野において、カーボンフットプリント(製品やサービスのライフサイクル全体における温室効果ガス排出量)の削減は重要な課題となっている。
炭素排出の要因は、運用時のエネルギー消費に伴うものと、ハードウェア製造に伴う「エンボディードカーボン」(内包炭素)に分類される。運用時の排出はクリーンエネルギーの活用などで対処が進められているが、製造時の排出削減はより複雑な課題となる。
スマートフォンは平均4年で買い替えられる傾向にある。しかし、不要になった端末でもチップセットやメモリー、ストレージといった中心的な半導体は無傷で残されている。
最新のスマートフォンの処理性能は、シングルスレッド性能では最新のマルチコアサーバーと同等かそれ以上の性能だという。これらの端末を再利用することで、新たな原材料の抽出を避け、カーボンフットプリントを直接的に削減できる。
スマートフォンをサーバー向けに改造
スマートフォンにはサーバー用としては不要なパーツが多く含まれるため、運用前にマザーボード以外の部品が取り除かれる。なお、マザーボードは製造時の炭素排出量の約50%を占めるという。
ソフトウェア面では、OSがAndroidから汎用のLinuxディストリビューションに置き換えられる。これにより、プログラムのしやすさを向上させ、メモリーの余計な消費を削減する。
一般的なサーバーと同等の性能を確保するため、25~50台のスマートフォンを1つの自己管理クラスターとして構成する。このクラスターで最新サーバー1台分に相当する性能を発揮するとしている。
多数のデバイス間でジョブを連携させる仕組みには、Kubernetesによるコンテナ化アプリケーションを採用した。
2026年秋の本格稼働と今後の展開
大学の教育現場では、科学技術を活用した教育(EdTech)や採点、研究用アプリケーションがクラウド上で実行されている。これらの大部分は、スマートフォン1台の処理能力で十分に対応できる規模となっている。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームによる初期実験では、20台のスマートフォンによるクラスターで、75人以上のクラスにおいてピーク時の課題提出処理に対応できた。
さらに、採点処理における遅延は、通常利用されているAWS(Amazon Web Services)のバックエンド環境よりも低遅延だった。
並列計算やシステムプログラミングといったコンピューターサイエンスの授業を支援するため、今秋には2000台規模のクラスターが本格稼働する見込みだ。これにより、一度に100のクラスを同時に支えられる。
このプロジェクトは、低コストでサーバー50台分に相当する計算能力を利用できるだけでなく、一般消費者向けハードウェアを長期間使用した場合の信頼性を調査するための、大規模な実験環境としても機能する。





