ニュース

グーグル、仮想世界を生成する「Project Genie」でストリートビューのデータを活用可能に

 グーグルは、多様でインタラクティブな環境を生成できる汎用的な世界モデルである「Project Genie」で、Googleストリートビューのデータを活用できるようになったと発表した。

 Project Genieは、研究のための基盤ツールとして機能し、AIエージェントが複雑な仮想環境において学習や推論を行うことを可能にするほか、Waymoのリアルな道路環境のシミュレーションなどにも役立てられている。本プロジェクトは現在、Google Labsにおける実験的な研究プロトタイプとして位置づけられている。

 今回発表されたアップデートにより、Genieの持つ強力な生成能力と、約20年間にわたり蓄積されてきたGoogleストリートビューの画像が連携される。これにより、モデルを現実に紐付けることが可能となり、AIエージェントやロボットが現実世界の複雑な環境をナビゲートしたり相互作用したりするための仮想環境を提供できるようになる。

 ユーザーは、マップ上のピンをタップして米国内の特定の場所を選択し、「Desert Sands(砂漠の砂)」や「Stone Age(石器時代)」などの独自のスタイルを任意に適用できる。

 さらに、お気に入りの動物やアメコミのヒーロー、クレイアニメのモンスターといったキャラクターの詳細を記述すると、Genieはこれらの情報をもとに、実際のストリートビュー画像を開始地点として結びつけた世界を生成する。この機能は、開発者がストリートビューを利用してAIビジュアルを作成する際に使用するのと同じ「Maps Imagery Grounding」と呼ばれる技術によって実現されている。

 この機能を利用することで、現実の場所をクリエイティブにアレンジ可能となる。具体的には、橋の周囲で魚の群れと一緒にスキューバダイビングを楽しむことができる「Ocean World(海の世界)」や、テキサス州のフォートワース・ストックヤーズ(Fort Worth Stockyards)が1920年代にどのような姿だったかを探索できる「B&W film(白黒映画)」などを体験可能。

 現在、新しいストリートビュー機能を備えたProject Genieは、世界中の条件を満たす18歳以上の「Google AI Ultra」サブスクリプション登録者に向けて段階的に提供が開始されている。ストリートビュー画像を用いた世界生成は、現時点では米国内の一部地域に限定されているが、今後はより多くの場所へと対象を拡大していく予定となる。

 なお、本システムは依然として実験的な研究プロトタイプであるため、生成される映像の詳細をさらに鮮明かつ正確なものにするための開発が継続して行われている。