ニュース
ソフトバンク、空飛ぶ基地局「HAPS」向けに電波干渉を抑える新技術「動的ヌルフォーミング」
2026年4月21日 16:44
ソフトバンクは、“空飛ぶ基地局”など上空の通信設備から地上の通信ネットワークへの電波干渉を低減する「動的ヌルフォーミング」の実証実験に成功したと発表した。
「動的ヌルフォーミング」は、電波の放射が抑制される範囲を、動的に制御する技術。飛び続ける機体のイチや姿勢にあわせ、機体から発射される電波について、干渉を避けたいエリアの方向(ヌル方向)は電波を抑える。成層圏の通信基地局「HAPS(High Altitude Platform Station)」が、電波干渉を避けながら地上の通信基地局と同じ電波を利用することに役立つ技術と位置づけられる。今回その実証実験が行われた。
実証実験では、HAPSを模した軽飛行機に上空基地局を搭載し、高度約3000mで円旋回しながら、1.7GHzの電波を放射。車両に設置した地上基地局と端末との間で通信を行い、動的ヌルフォーミング技術の効果を測定した。その結果、動的ヌルフォーミング技術ありの場合は、なしの場合と比べて平均スループットが80%改善し、安定性も向上した。
これにより、上空と地上の基地局が、同じ周波数帯を利用して通信サービスを提供できることが示された。
従来では、定点に滞空する気球を使った実証実験で、ヌルフォーミングによって地上基地局周辺の電波干渉を低減できることが確認されていた。しかし、高速で飛行するHTA型のHAPSの場合、機体の位置や姿勢によって地上基地局の方向が変わるため、ヌルフォーミングを動的に制御する「動的ヌルフォーミング」が求められた。
なお今回の実証実験では、独自開発の5G対応シリンダーアンテナと大容量ペイロード(通信機器)が活用され、研究開発の一部はNICTの「Beyond 5G」の一環として実施された。同社は、成層圏から通信サービスを提供するHAPSの実現を目指している。


