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アマゾンが「Globalstar」を買収へ、iPhoneの衛星SOS機能はAmazon Leoが引き継ぎ

 米アマゾンは、衛星通信事業を手がけるGlobalstar(グローバルスター)を買収する正式な合併契約を締結したと発表した。取引は規制当局の承認などを経て、2027年に完了する見込み。

 今回の買収により、アマゾンは自社の低軌道衛星ネットワーク「Amazon Leo」において、スマートフォンなどの端末と衛星が直接通信するD2D(Direct-to-Device)サービスを提供する。Globalstarが持つ衛星運用の専門知識やインフラ、世界的に認可された周波数帯のライセンスを取得することで、地上の携帯電話ネットワークが届かない地域へも通信カバレッジを拡大する。

 さらにアマゾンとアップルは、iPhoneおよびApple Watchの衛星通信機能で、Amazon Leoが通信基盤を提供する新たな契約を結んだ。現在、Globalstarはアップルと提携し「iPhone 14」以降や「Apple Watch Ultra 3」において、衛星経由の緊急SOS機能や「探す」アプリでの位置情報共有などを提供している。買収後はアマゾンがこれらのサポートを引き継ぎ、将来的な衛星サービスについてもアップルと協力する。

 Amazon Leoでは、2028年から独自の次世代D2D衛星システムを展開する計画。従来のシステムよりも周波数利用効率を大幅に高め、モバイル端末向けにより高速で高度な音声通話、データ通信、メッセージングサービスを提供するという。完成したAmazon Leoのネットワークは数千機の低軌道衛星で構成され、世界中の数億台の端末をサポートする容量を備えるという。

 買収条件として、グローバルスターの株主は1株につき90ドルの現金、またはアマゾン株(1株あたり0.3210株)のいずれかを選んで受け取れる。現金での受け取りは発行済株式の40%が上限。取引総額は、同社による特定の運用目標の達成状況に応じて最大1億1000万ドルの減額調整が行われる可能性がある。すでに議決権の約58%を保有する株主が今回の取引に同意しており、規制当局の承認や「HIBLEO-4」代替衛星に関する中間目標の達成などを条件として、2027年の買収完了を目指す。