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三木谷氏「これは第一歩」、楽天×Uberの大型提携で目指すエコシステムの拡大
2025年12月9日 18:22
楽天グループとUberは12月9日、戦略的パートナーシップの締結を発表した。今回の提携により、UberおよびUber Eatsアプリと楽天IDの連携が可能となり、Uberの利用で楽天ポイントが貯まる・使えるようになる。
200円ごとに1ポイントを還元
利用金額200円(税別)に対して楽天ポイントが1ポイント貯まる。「楽天ペイ」で支払うことで最大1.5%のポイント還元が受けられる。これにより合わせて、最大で2%のポイント還元が受けられる。
また、「Uber One」(月額498円/年額3998円)に加入することで、乗車料金の10%が「Uber Oneクレジット」で還元される。楽天IDを連携する操作は、UberまたはUber Eatsアプリからできる。
今回の提携を記念して、12月12日からキャンペーンが実施される。楽天IDとUberアカウントを連携すると1000ポイントが進呈されるほか、楽天モバイルユーザーにはポイントが20倍になる特典などが用意されている。
物価高で暮らしをサポート
1億以上の楽天会員IDと、国内で月間10億回以上の移動や注文が行われるUberのプラットフォームを結びつける。楽天ペイメントの小林重信代表取締役社長は「楽天ポイントが使える場所が広がることで、ユーザーの利便性が向上する」と期待を寄せた。
Uber Japan代表の山中志郎氏によれば、日本におけるUberは、12月15日をもって47都道府県への展開が完了する。対応するタクシー事業者はおよそ1000社を数える。Uber Technologies CEOのダラ・コスロシャヒ氏は、物価高騰が続く中で多くのユーザーがいる楽天ポイントとの連携の意義を「Uberの利便性はそのままにユーザーの負担を少しでも軽くする手助けができる」と語った。
楽天ポイントの原資はUber側がすべて負担し、ユーザーやUber Eatsの配達パートナーに転嫁することはない。配車アプリにおいて、決済手段を問わずに楽天ポイントの還元が受けられるのは、Uberだけだという。コスロシャヒ氏は「Uberと楽天が力を合わせることで生活費が高騰する中で人々の負担を軽減するとともに、これからの時代に広がっていく新しい事業モデルを築いていける」とも話した。
連携は「第一歩」、共同での新サービスも視野
楽天グループ 会長の三木谷浩史氏は、今回のパートナーシップ締結を「第1歩」だと話す。Uberとの協力で、楽天グループが築いたエコシステムとデリバリーサービスやアプリプラットフォームが連携することで、中長期的に新たな価値を創出することを目指すという。
楽天ペイメントの代表取締役社長の小林重信氏は「楽天には70を超えるサービスがある。Uberとの連携で、ユーザーが受けられる価値が増していくと考える」と説明。楽天とUberの双方に新たに送客が見込めることを踏まえて、それぞれのニーズを捉えて「Rakuten AI」を活用した新しいサービスの開発も、今後視野に入れる。
三木谷氏は、観光客向けに趣味嗜好や交通情報をあわせて最適な観光スポットのリコメンドや楽天ぐるなびでお気に入りのレストランの紹介やデリバリーなどの展望を示した。
フードデリバリーサービスは、コロナ禍を経ても成長軌道にあるとUber Eats Japan 代表のユリア・ブロヴキナ氏は説明する。一方で、日本における浸透率にはまだ伸びしろがあるという。今回の連携で、楽天のエコシステムとUberのサービスを一体化させることで「ユーザーコミュニケーションの精度を高められる。日用品や宅配のサービスも提供することでそのような面が高まる」と語った。
UberとUber Eatsは今回の連携を機に、楽天の各種サービスとの連携拡大や新規展開の加速などを進める。





































