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ぐるなび、AIが飲食店を提案する検索サービス「UMAME!」開始

 ぐるなびは、iPhone向けに生成AIを活用した飲食店検索サービス「UMAME!」(うまみー)ベータ版の提供を開始した。利用料金は無料。

左からぐるなび 杉原章郎 代表取締役社長、同 岩本俊明 CTO、トークセッションに登壇したライター 弓月ひろみ氏

ぐるなびの強みとAIを組み合わせ

 生成AIやぐるなびのデータを用いて、個々のニーズに応じた店舗を提案する。従来の飲食店検索サービスと異なり、日常的な会話で気分やニュアンスに基づき、店舗を検索でき、予約まで完結できる。画像から料理やその雰囲気から飲食店を探すこともできるという。

テキストで店舗を探す様子
画像から店舗を探す様子

 グーグルの「Gemini」に代表されるほかのAIサービスでも、自然言語で飲食店を探すことはできる。一方で「UMAME!」の優位性は、ぐるなびが持つ40万店舗以上のデータベースを活用していることにある。

 ぐるなびCTOの岩本俊明氏は「一般的な大規模言語モデル(LLM)では、飲食店に特化した情報を的確に提供することが難しい」と話す。「UMAME!」では、素早い検索を目指し、ユーザーの要望に対する「マッチ度」をパーセントで示したり、なぜそのお店がおすすめなのかといった情報も表示がされたりといった、飲食店検索に特化したサービスならではの仕組みを備える。

 岩本氏は「(ほかのAIでも)類似のお店を提示することはできるかもしれない。しかし、パーソナライズを続けると一般的なLLMとはかなり差がついてくるのでは」と述べた。

 ほかに二次会の場所を提案する「二次会検索」や旅行先のグルメを方言で提案する「旅先グルメガイド」などのAIアシスタント機能を持つ。今後、食体験の記録やシェア、多言語対応などを予定している。

 今回はベータ版として展開される。2025年夏ごろまでには正式版のリリースを予定している。ぐるなびでは「楽天ぐるなび」を展開しているが今後、2つのアプリの統合も視野にいれる。時期は定まっていないものの、Android版の提供も検討しているという。

飲食店のサポートにもAI活用へ

 「UMAME!」は、ぐるなびが進める「ぐるなびNextプロジェクト」のサービスの一環。「UMAME!」はプロジェクトの第1弾で今後、来店者のみならず飲食店事業者に対しても、オペレーションの効率化などを促進する仕組みも提供する。

 ぐるなび代表取締役社長の杉原章郎氏は「ぐるなびの情報資産と『ぐるなびNextプロジェクト』で得られるデータ、技術、ノウハウを活用。外食産業でのAI活用をリードし、より多くのユーザーと食関連事業者に向けて新たなサービスを次々と創出する会社を目指す」と話した。