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シャープ、EVコンセプト「LDK+」第2弾をJapan Mobility Show 2025で展示

 東京都の東京ビッグサイトで開催されている「Japan Mobility Show 2025」で、シャープが開発中のEV(電気自動車)「LDK+」のコンセプトモデル第2弾を公開した。同社では、2027年の市販を目指している。

シャープの種谷氏

「駐車時間」にフォーカス

 「LDK+」のコンセプトモデル第2弾は、コンパクトサイズのミニバン。鴻海のEV「Model A」をベースとしており、小回りが利くボディサイズながらゆったり過ごせる室内空間を両立した。

 駐車時には運転席を後ろに回転して、自宅のリビングのような空間を楽しめる。プロジェクターとロールスクリーンのあるシアタールームやリモートワークスペースなどに活用する。シャープのAIoTプラットフォームを通じてキッチンや空調、洗濯機などの家電と連携。「COCORO HOME」を通じてコントロールに対応するという。

 乗用車は走行している時間が5%、止まっている時間が95%を占めるとされる。シャープでは、自動車の大半が過ごす駐車時間に注目。これまでのただ駐車するだけの「Park at Your Home」から「Part of Your Home」と、自動車をもうひとつの部屋のような空間とする活用方法を提案する。

 価格帯は現時点では未定。しかし、シャープ 専務執行役員 CTOの種谷元隆氏によれば、類似するサイズのガソリン車と同等の価格帯を目指すとしている。販売網については検討中で家電量販店や自動車ディーラーとの協業などを検討している。今後、実証実験などを経て2027年度にもEV市場に参入する狙い。

鴻海が全面サポート

 30日、東京都で開催されている「Japan Mobility Show 2025」では、量産に向けて開発が進んでいる、コンセプトモデルの第2弾が展示されている。

 鴻海でEV事業の最高戦略責任者を務める関潤氏がビデオメッセージで登壇。シャープ種谷氏から、EV事業について相談を受けたのが1年半ほど前だったことを明かす。駐車時間という切り口に驚いたとしながら「実に面白い視点。ぜひやりましょうと完全サポートを約束した」と当時を振り返る。

シャープの種谷氏
フォックスコンの関氏

 開発の過程では「中学3年の女の子と小学5年・3年の子がいる家庭。うるさい弟たちから離れて快適な勉強空間を提供する」というモデルを考える関氏と「おっさんがくつろげる空間」を目指す種谷氏の間で良い意味の喧々諤々とした議論があったとも暴露しながら、今後のシャープのEV開発に期待感を示した。種谷氏は「年齢を問わず、百人百様の使い方ができる」とも説明している。

 Japan Mobility Show 2025の会場では、コンセプトモデルの外観・車内を実際に見られる展示が行われている。同イベントは、11月9日まで開催されている。