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シャープ、EVコンセプトモデル「LDK+」第2弾を発表 27年度にも市場参入へ

 シャープは、同社が開発するEV(電気自動車)のコンセプトモデル「LDK+」の第2弾を発表した。2027年度の市場参入を目指す。10月30日に始まる「Japan Mobility Show 2025」(東京都)で展示される。

コンパクトミニバン、駐車時間を有効活用

 「LDK+」のコンセプトモデル第2弾は、コンパクトサイズのミニバン。「Part of your home」とキーワードとして、小回りが利くボディサイズながらゆったり過ごせる室内空間を両立した。駐車時には運転席を後ろに回転して、自宅のリビングのような空間を楽しめる。

 鴻海が開発したEV「Model A」をベースにした車両。5人乗りで航続距離は400キロ程度になる見込み。価格は未定ながらも一般家庭が無理なく購入できる価格帯を想定する。車内空間の活用案には、ほかにもプロジェクターとロールスクリーンのあるシアタールームやリモートワークスペースなども提案する。シャープのAIoTプラットフォームを通じてキッチンや空調、洗濯機などの家電と連携し、AIが生活パターンや好みを学習。「人に寄り添う」新たなライフスタイルを創出するとする。

 LDK+のコンセプトモデル第2弾は、10月30日に始まる「Japan Mobility Show 2025」(東京都、東京ビッグサイト)で展示される。

シャープの技術で個性的なEV目指す

 今回発表されたのは、シャープが開発中のEVコンセプトモデルの第2弾。同社では2024年にコンセプトモデルの第1弾を公開しており、第2弾はより乗用車らしいデザインに変化した。量産モデルも今回発表の第2弾をベースとして検討している。

 新たなコンセプトは「Part of Your Home」。自動車は保有時間の95%が駐車で占められるという。第1弾では、駐車中に快適に過ごせる面を強調していたが、第2弾は「家の一部」となることをアピール。駐車中にはもうひとつの部屋となることにフォーカスした。シャープ 専務執行役員 CTOの種谷元隆氏は「家の一部として使ってもらうかたちを考えている」と話す。

 自動車業界での長いキャリアを持つ、シャープ I-001プロジェクトチーム チーフの大津輝章氏は「既存の自動車メーカーが対応しづらい領域で、シャープの技術で多様化するニーズに応える」と説明。ビジネスやファミリー、パーソナルな空間づくりがクルマの主役になっていることをその例としてあげる。

 さらに「LDK+は暮らしを豊かにする家電のひとつ。シャープの技術でクルマも家のように快適な空間にしたい」と目指すイメージを示した。LDK+では、機能を追加したプラズマクラスターを搭載するほか、車内で住宅の電気を利用できたり、太陽光発電や蓄電池と連携するV2H機能も備える。

 シャープでは、EVを基幹事業のひとつとして進めている。現在、日本でのEV普及率は1%代に留まる。世界的にも市場の落ち込みを見せているものの、長期的には成長の余地があるとして2027年度にも市場への参入を目指す。