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5Gを活用した鉄道システムの実証に成功、東京メトロ丸ノ内線で実施――次世代運行システムCBTCへの活用にも期待
2025年6月18日 15:42
東京地下鉄(東京メトロ)と鉄道総合技術研究所(鉄道総研)、日立製作所、三菱電機、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、5Gを活用し、線路内に設置した地上設備と列車間で通信を行う実証実験を実施し、有用性を確認したと発表した。
実証実験は2024年8月~2025年3月に、東京メトロ丸ノ内線の新大塚~後楽園間の、地下区間と地上区間が混在する区間で実施。
5Gの公衆ネットワークとローカルネットワークを利用して通信を実施した。通信は、次世代の鉄道向け無線通信基盤「FRMCS(Future Railway Mobile Communication System)」を参照した鉄道用通信基盤のプロトタイプを構築し、鉄道の各種システムを想定し、検証した。結果、通信が安定し各種鉄道システムが問題なく機能することが確認され、5Gと鉄道用通信基盤の有用性が確認できた。
実証した鉄道システムには、次世代の列車運行システム「CBTC」が含まれており、5Gを活用した「CBTCシステム(Communications-Based Train Control)」について、営業線における実証実験は、国内で初めての取り組みとなった。
汎用性が高い5Gを活用することで、鉄道の維持管理コスト低減が期待でき、都市から地方までの鉄道路線の持続可能性を高めることにつながる。
今後は、業界団体が主催する鉄道用通信基盤の構築や、5G活用に関わる共通化に向けた活動などに、試験結果や仕様案を提供するなど、鉄道業界への標準化活動に貢献していく。


