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ALCATELブランドのSIMフリースマホ「IDOL 3」8月28日発売、4万2800円

 TCLコミュニケーションテクノロジーのスマートフォンブランド「ALCATEL ONE TOUCH」(アルカテルワンタッチ)は、SIMロックフリースマートフォン「IDOL 3」を日本国内で8月28日に発売する。直販サイトでの価格は4万2800円。直販サイトのほか、主要家電量販店で取り扱われる。

リバーシブルデザイン

 IDOL 3は、上下逆さまでも使えるというリバーシブルデザインを採用した、Android 5.0スマートフォン。

 ポケットやカバンのなかに入れているときに、電話がかかってきても、スピーカーの位置を気にせずスムーズに使えるが、ちょっとしたアクションを省き、一手間からユーザーの開放を目指したのは、同社の真摯な姿勢を示すもの、だとアピールする。

 上下どちらでも通話できるよう、スピーカーとマイクは2つ用意される。片方のスピーカーで通話している場合は、もう一方のスピーカーでは音が出ないなど、天地の向きにあわせて切り替える。ディスプレイの操作も違和感がないよう、天地どちらの額縁も同じ長さに揃えられた。

本格的なDJアプリ

 ミックスバリューとの協業によるDJアプリ「OneTouch MIX」を搭載し、JBL Clari-Fiテクノロジーを採用するなど、音楽との親和性をアピールする。

TCLのレジューネ氏(左)とDJプレイを披露した☆Taku Takahashi

 21日の発表会では、DJでm-floなどで活躍する☆Taku Takahashiも登場し、「IDOL 3」でDJプレイを披露。エフェクターやサンプル音の挿入、スクラッチなどが可能で、普段、DJアプリなどに触れていないユーザーでも本格的なプレイを楽しめると説明。ただ、そこで披露されたプレイは、アプリのインターフェイスが普段利用するツールに近いこともあってか、スマートフォンのディスプレイ上での操作とは思えないほどで、生み出されるリズムで、報道陣も自然と体を揺する状況に。さらにはガジェットマニアで雑誌にも連載を持つとあって、リバーシブルデザインから見える気配り、DJプレイやデュアルスピーカーで示される音の良さや楽しみ方といった点を踏まえつつ、薄さ7.4mmというボディもいい、と感心した様子だった。

 スペック面では、どのメーカーも同じような製品になりがちな最近のスマートフォンだが、「IDOL 3」は、音楽との密接な関係作りで、他にない価値をもたらしつつ、価格面でもバランスをとった機種、と位置付けられている。

主な仕様

 5.5インチ、フルHD(1920×1080ドット)のディスプレイや1300万画素カメラ(インカメラは800万画素を装備する。インカメラは、複数人でのセルフィ(自撮り)撮影をしやすいよう広角レンズを採用した。

 チップセットはMSM8939(Snapdragon 615)でオクタコアCPU(クアッド1.5GHz、クアッド1GHz)で、16GBのストレージ、2GBのメモリを内蔵する。大きさは152.7×74.14×7.4mm、重さは約141g。3G、LTEに対応し、LTEの対応周波数はB1/3/7/8/19/20。Bluetooth 4.1、Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n)をサポート。バッテリー容量は2910mAhで、連続待受時間は約600時間、連続通話時間は約13時間。

“フランス発”IDOL 3で日本のオープンマーケット狙う

 ALCATEL ONE TOUCHは、中国のTCL集団傘下であるTCLコミュニケーションが保有するブランド。フランスの通信関連企業だったアルカテルがかつて携帯電話を手がけており、その事業をTCLが引き継いだ。「IDOL 3」が「フランス発のスマートフォン」をうたい文句の1つにしているのは、そうした事情が背景にある。

レジューネ氏

 中東や欧州などでシェア4位と上位を追いかける位置にある同ブランドを通じて、「イノベーションを届けることが使命。日本で言えば、ユニクロのような存在になりたい」と語るのは、TCLコミュニケーション テクノロジーのバイスプレジデントである、アラン・レジューネ氏。これまでもイオンなどを通じて同社製のスマートフォンが日本国内でも提供されてきたが、日本市場でもSIMロックフリー端末の広がりとMVNOのサービスが拡がりつつあり、オープンなマーケットの形成が進んできたことから、「IDOL 3」の投入を決断。メーカーブランドを全面的に押しだし、本格的に展開することになった。

 海外ではいくつかのラインアップを揃えるなか、日本の周波数帯にあわせるなどローカライズを行いつつ、デザイン性を主軸に据えるシリーズである「IDOL 3」が投入されることになった。レジューネ氏は「日本市場では品質が求められる」と述べ、同社ラインアップのなかでも高機能、かつ、こなれた価格帯というバランスをとる機種である「IDOL 3」で勝負を挑むことになった。中長期的に日本市場で展開する方針とのことで、「IDOL 3」を通じてブランド力の向上をはかり、一定の信頼を得られれば、コスト面でよりアドバンテージのある機種など、さらなるラインアップの拡充がはかられる見込み。

 ただし、“高機能寄りでありながら手ごろな価格帯”というコンセプトは、SIMロックフリー端末を手がけるメーカー各社がチャレンジしているゾーンでもある。メーカーとして、スマートフォンブランドとして後発になる「ALCATEL ONE TOUCH」がどのように受け入れられるかは未知数だ。

 日本では、代理店としてシネックスインフォテックが取り扱うと発表。家電量販店やネット通販のほか、MVNOでも取り扱われるとみられる。

関口 聖