【IFA2014】

TCL、イオンスマホの「IDOL 2S」や新発表の「HERO 2」を出展、4コアFirefox OS端末も

 「ALCATEL ONETOUCH」ブランドのスマートフォン、タブレットを展開する中国メーカーのTCLは、IFAに合わせてフラッグシップモデルの「HERO 2」や、タブレットの「HERO 8」などを一挙に発表。同社のブースに実機を展示した。

IFAに合わせて、最新モデルを一挙に発表したTCL

 日本ではまだなじみの薄いTCLだが、最近ではイオンが「イオンスマホ」として、同社の「IDOL 2S」を採用。Firefox OSのリファレンス端末である「Flame」も、ハードウェアの製造は同社が担っており、同OSを採用した端末を出荷してきた実績も持つ。

 TCLのラインナップは大きく「HERO」シリーズ、「IDOL」シリーズ、「POP」シリーズの3つに分かれており、HEROはハイエンド、IDOLはミッドレンジ、POPはローエンドやコンパクトモデルという位置づけになっている。

 IFAに合わせて発表されたのが、タッチペン内蔵のHERO 2。サムスン電子のGALAXY Noteなどと同様、本体にペンを収納するスペースが設けられており、ワンタッチでスクリーンショットを取る機能などにも対応する。ディスプレイは6インチのフルHD、2GHz駆動のオクタコアCPUを採用する。

6インチのディスプレイを採用する「HERO 2」。背面はメタリックで質感も高い
本体下部に、タッチペンを収納できる

 周辺機器が充実しているのも、HERO 2の特徴。IFAのブースには、電子ペーパーを搭載した「+E-Card」や、電話型の子機となる「Sidekick2」が展示されていた。+E-Cardは、Hero 2で受信したメールなどを読むための専用デバイス。キャプチャーした画面を、ワンクリックでこちらに転送する機能も用意されている。

受信したメールを表示したり、切り取った画面を転送したりできる「+E-Card」

 一方のSidekick2は、電話の子機として使えるほか、メディアコントローラーにもなる。通常はテンキーが表示されているが、キーはタッチセンサー方式になっており、メディアプレイヤーを起動した際にはコントローラーが現れるしくみになっている。このほか、HEROシリーズのタブレットしてHERO 8を出展していた。

ストレート型携帯電話のような外観の「Sidekick2」。キー部分は電子表示で、メディアコントローラにも切り替わる

 イオンスマホに採用されたIDOL 2Sは、LTEに対応したコンパクトなスマートフォン。7.4mmと薄型で、5インチながら、狭額縁設計を採用しており、横幅が69.7mmに抑えられているのが特徴だ。「ミッドレンジで、価格には値ごろ感がある」(説明員)シリーズだけに、日本でも端末代は月額1436円(2年間で3万4464円)とハイエンドに比べ安価な設定になっている。

イオンスマホに採用された「IDOL 2S」。UIもフラットデザイン風にカスタマイズされている。このほか、LTE非対応の「IDOL 2」や、そのコンパクト版の「IDOL 2 MINI」など、幅広くラインナップを用意する

 このIDOLシリーズはデザインにこだわっているのが特徴で、上下にクリアパーツを用いた、「IDOL ALPHA」のようなモデルも存在する。ただし、こちらはLTEには非対応。CPUは1.2GHz駆動で、IDOL 2Sよりスペックは抑え目のモデルとなる。

端末の上下に透明なパーツを採用した「IDOL ALPHA」

 以上はすべてOSにAndroidを採用したスマートフォンやタブレットだが、これらとは別に「FIRE」と呼ばれるFirefox OS搭載モデルも展開する。2月に開催されたMobile World Congressでは、Firefox OS端末としては初となるクアッドコアCPU搭載の「FIRE S」を発表。その実機が、今回のIFAで公開されていた。

クアッドコアCPU搭載のFirefox OS端末「FIRE S」

 FIRE Sは4.5インチのディスプレイを搭載し、LTEにも対応したモデル。Firefox OS搭載端末の中では、現時点でもっともスペックの高い1台となっている。会場に展示されていた端末には、Firefox OS 2.0が内蔵されており、縦スクロールのホーム画面や、デザインがよりシンプルになった各種基本アプリを確認することができた。既存のFirefox OS搭載端末と比べる、動作のスムーズさが大幅に増していたのも印象的だった。

会場に展示されていた端末には、Firefox OS 2.0が搭載されていた。洗練されたUIや、プライバシー管理機能などがこのバージョンの特徴

石野 純也