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「Xperia 1 VI」発表、19.5:9の新ディスプレイ搭載――カメラアプリもひとつに統合

 ソニーは、Androidスマートフォン「Xperia 1 VI」を発表した。SIMフリー版とキャリア版が用意される。SIMフリー版は6月21日から順次発売される予定。

 SIMフリーモデルの市場推定価格は、12GB/256GBモデルが19万円前後。12GB/512GBモデルが20万5000円前後。16GB/512GBモデルが21万9000円前後。16GB/512GBモデルは8月23日に、12GB/256GB、12GB/512GBモデルは6月21日に発売される予定。予約はいずれも5月22日から受け付ける。カラーバリエーションは、ブラック、プラチナムシルバー、カーキグリーン、スカーレットの4色。16GB/512GBモデルはブラックとカーキグリーンのみとなる。

容量価格発売日
12GB/256GB19万円前後6月21日
12GB/512GB20万5000円前後6月21日
16GB/512GB21万9000円前後8月23日

AI利用でカメラ機能向上

 Xperia 1 VIは、Xperiaシリーズのフラッグシップモデル。アウトカメラはこれまで同様の3眼レンズを搭載する。

 35㎜版換算で24mmと48mm(切り出し時)の焦点距離の広角カメラと85-170mmまでの望遠カメラ、16mmの超広角カメラを備える。センサーは前モデルの「Xperia 1 V」と同じものの光学ズームは7倍まで対応する。広角カメラは2倍ズーム時に撮影できる範囲の一部を切り出すことで48mm相当の焦点距離を実現しており、ペリスコープレンズとあわせてどの焦点距離からでも綺麗に撮影できるという。

 ポートレート撮影時に強みを発揮するとされており、ボケ味も「Xperia 5 V」で実現した一眼レフカメラのような滑らかさを再現。バストアップ写真を鮮やかに撮影できるといったメリットがある。

 新たに「テレマクロモード」として望遠カメラを活用したマクロ撮影に対応した。超広角カメラでマクロ撮影機能を実現していることの多い他社と比較して、歪みがすくなく豊かなボケ味を再現。4cm~数十cmほど被写体から離れて撮影できるため、端末の影が被写体に落ちない、最大2倍で撮影できるため被写体をより大きく映せるほか、マニュアルフォーカスでの撮影にも対応しており、どこにフォーカスしているか分かる「ピーキング」機能も備えている。

カメラアプリはひとつに

 従来、写真撮影の「Photograhpy Pro」と映像撮影の「Videography Pro」「Cinematography Pro」で3つに分かれていたカメラアプリが1つに統合された。

 「共通性」と「特殊性」を両立するというコンセプトで開発。従来、Xperiaシリーズはクリエイター向けと銘打ち、高機能な撮影用アプリやインターフェイスを提供してきた。一方で今回の新アプリでは、これまでXperiaを使ったことがない新規ユーザーなどにも分かりやすいよりスマートフォンらしいインターフェイスを採用した。

 撮影のモードは画面下部のスライダーをスクロールして選択。写真と動画の撮影モードを手軽に切り替えられるようになっている。これまでは、ソニーのカメラ「α」シリーズのインターフェイスに近い見た目だったが、クリエイターとともにスマートフォンの大画面での使いやすさを追及したという。

 撮影に関するソフトウェア機能としては、新たにAIによる「姿勢推定技術」を搭載した。ミラーレス一眼カメラ「α9 MkIII」にも搭載された機能で、被写体の追従性能を向上させる。人間の骨格を認識して水準性を向上、被写体の前を何かが横切ったり、被写体がカメラに背中を向けても追跡を続けられるという。

 あわせて「HDRプレビュー」機能も新搭載した。これまではプレビュー画面と撮影した写真に差があるということがあった。HDRプレビューでは撮影前から高画質で被写体を確認できるとする。

新ディスプレイ搭載、19.5:9でWeb動画に最適化

 シリーズ初代の「Xperia 1」から継続してきた21:9のシネマワイドディスプレイを廃して19.5:9のアスペクト比の6.5インチディスプレイを搭載する。

 この変更については時代の変化と説明されており、SNSの台頭や縦型コンテンツの流行があるという。クリエイターはSNSに向けた動画を作っておりアスペクト比が4:3のものや縦横比が同じというケースもあるという。今回の新ディスプレイではSNSが見やすいように、19.5:9というアスペクト比が選択された。

 解像度はこれまでの4KからFHD+に下がったが、1-120Hzの可変リフレッシュレートに対応。これらによりバッテリーライフを向上させる狙いがある。動画視聴時間は36時間でXperia 1シリーズ史上、最長という。輝度はXperia 1 Vと比較して明るさを50%向上させた。「サンライトビジョン」という新機能により、低諧調な部分を輝度を上げ、高諧調な部分の明るさは維持して白飛びを防ぐ。直射日光下でも画面が見やすく、撮影時にも有効に機能するという。

 ディスプレイの性能としては、ソニーのテレビ「BRAVIA」の色彩や質感、立体感を再現した。BRAVIAとXperiaのそれぞれの画面色を測定し、それをもとに10億色のカラーテーブルを用いて味付けされたという。静止画と動画でパラメーターは分かれているほか、1台ずつホワイトポイントを調整している。

 3.5mmヘッドホンジャックやmicroSDカードスロットは引き続き搭載される。有線ヘッドホン用のオーディオ回路は新規のものとしており、本体のステレオスピーカーもユニットを一新した。低音域を改善したほかスピーカーの歪みを低減しクリアな音声を実現している。圧縮音源を補完する「DSEE Ultimate」も搭載する。

 ゲーム用モード「Game ehnahcer」には3タイプのタッチ設定機能を用意する。「FPS Optimizer」ではCPUやフレームレートを最適化して消費電力の低減や発熱をおさえる。この機能があることでフレームレートが高く処理速度を要求するゲームも長時間プレイできるとする。

バッテリーは新素材採用、冷却にはベイパーチャンバー

 バッテリーは、これまでと同じ5000mAhだが、新素材により密度を高くしたという。充電最適化も見直しており、これまでのモデルでは「3年後も80%の容量を残す」とされていたが、Xperia 1 VIでは「4年後も80%の容量を残す」とされており、さらに超寿命化された。

 冷却面も考慮しており、Xperia 1シリーズとしては初めての「ベイパーチャンバー」を搭載した。

 本体背面のカメラのレンズ回りは「すり鉢形状」で傷がつきにくいようになっている。シャッターボタンは大型化され、押しやすくなった。カラーバリエーションはブラック、プラチナムシルバー、のほかSIMフリー限定のカーキグリーンとスカーレットを用意する。

 専用のカバー「Style Cover with Stand」も用意される。

主な仕様

 チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 8 Gen 3」。12GBまたは16GBのメモリー、256GBと512GBのストレージが用意される。最大で1.5TBのmicroSDカードスロットを備える。ディスプレイの大きさは6.5インチ。アスペクト比は19.5:9で1-120Hzの可変リフレッシュレートに対応する。

 アウトカメラは1200万画素・焦点距離16mmの超広角カメラ(F2.2)、4800万画素・24mmの広角カメラ(F1.9)、1200万画素・85-170mmの望遠カメラ(f2.3-F-3.5)の3眼構成。インカメラは焦点距離24mm・1200万画素のシングルカメラ。

 バッテリー容量は5000mAh。本体の大きさは162×74×8.2mmで重さは約192g。IPX5/8、IP6Xの防水防塵性能を備える。Sub6の5G通信に対応しており、今秋以降に予定されるアップデートでWi-Fi 7に対応する。

 3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートが提供される。

【訂正】
 記事初出時、16GBのメモリー搭載モデルを6月発売、12GBモデルを8月発売としていましたがその後、メーカーが情報を訂正したため本記事にも反映いたしました。