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ソニーにとって「モバイル通信は非常に重要」、Xperia 1 VI発売前に体験会開催
2024年5月17日 21:13
Xperiaは重要な事業
発表の場には、ソニー モバイルコミュニケーションズ事業部およびイメージングエンタテイメント事業部で事業部長を務める大島正昭氏と同 プロダクトプランナーの八木隆典氏が登壇。製品の特徴について説明した。
Xperiaがナンバリングになってから、6代目となる今回の「Xperia 1 VI/10 VI」。特にXperia 1 VIは、特徴でもあった21:9のシネマワイドディスプレイを廃するなど、大きく変化しており注目を集めている。
質疑でソニーにとってのXperiaの位置づけを問われた大島氏は「端末のみならず、モバイルコミュニケーションは非常に重要な事業」との認識を示した。スマートフォンでの技術活用のほか、キャリア各社との関係構築、さらに同社では「ポータブルデータトランスミッター PDT-FP1」やホンダとの協業で電気自動車「AFEELA」を手がける。こうした事業に、Xperiaで培った通信技術を有効活用できているとその重要性を説明した。
一方でスマートフォンの国内出荷台数は年々減少の一途をたどっており、市場環境は厳しい。そうした現状を踏まえて質疑に加わったソニーマーケティング モバイルビジネス 執行役員本部長の大澤斉氏は、Xperia 1 VIの魅力をもって「まずはクリエイターへ訴求し、そこからの(一般ユーザーへ)派生させ、2023年以上の数字を出せると考えている」と自信を覗かせた。
SNS時代にあわせたディスプレイ
これまでのXperiaシリーズの特徴だったアスペクト比21:9のシネマワイドディスプレイは廃止され、新たにアスペクト比19.5:9のディスプレイが採用された。ディスプレイサイズとしては変わらず6.5インチとなる。
輝度向上と可変リフレッシュレートに対応のため、新たな有機ELパネルを導入した。これにあわせてアスペクト比も見直すことになったという。この背景にはSNSの浸透など、時代の変化がある。若年層を中心に人気を博す短尺動画やゲームの画角を削らずに大きく見えるのが今回の19.5:9だった。一方で、シネマワイドコンテンツをいっぱいに表示してもロスは5%程度としており、映画視聴時の使用感にも配慮されている。
解像度は前モデルの4KからFHD+と一見するとダウングレード。4Kディスプレイを搭載したのは、5Gの普及とともに4Kの映像コンテンツが充実することを見越しての選択だったが、それほど4Kコンテンツの盛り上がりはみられないのが実情。そこで解像度を落とし、省電力化やパフォーマンス向上を図った。「画質=解像度」ということではなく、色味や質感、コントラストの相乗効果の結果として訴求する。
Xperia 1 VIには、新機能として「BRAVIA」の画質を再現するAI技術が搭載されているほか、太陽光下でも見やすい「サンライトビジョン」が備わっている。
カメラも進化
もうひとつの大きな変化点は、カメラアプリがひとつに統合されたこと。従来、Xperia 1/5シリーズには「Photograpy Pro」「Videography Pro」「Cinematography Pro」の3つのカメラアプリが搭載されていたが、これらがひとつにまとめられた。
従来のカメラアプリは細かな設定を調整できる半面、初心者には操作が難しい部分があった。新カメラアプリではシンプルな操作感を目指しており、クリエイターなどの意見も取り入れ開発したという。
より一般的なスマホライクなインターフェイスになったという印象で、下部のスライドメニューを操作することで従来のPhoto Proのようなプロモードやポートレート撮影に適したボケモード、動画撮影にも移行できる。Video ProやCinema Proにあたるプロ動画モードは次回のアップデートで提供されるという。
カメラのハードそのものも、センサーは前モデルから据え置きだがレンズは刷新されており、望遠カメラは85-170mmの焦点距離をカバーする。広角カメラも24mmのほか、切り出しで48mmの焦点距離に対応する。最大約2倍のテレマクロ撮影にも対応しており、被写体にXperia本体や自身の影を落とさずに寄りで撮影できるなど、使いやすくなった。
Xperia 1 VIとXperia 10 VIは、ドコモ、au、ソフトバンクとメーカー直販のSIMフリーモデルが6月から順次発売される。