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楽天モバイルが「最強青春プログラム」で目指す“新生活の選択肢”
2024年3月7日 22:46
楽天モバイルが3月12日、「最強青春プログラム」を開始する。毎月、110ポイントが還元されるもので、0歳~22歳のユーザーが対象となる。
家族向け割引プログラムである「最強家族プログラム」もあわせて適用できるが、110ポイント還元であっても、あえてプログラムを提供する背景には“シンプルすぎる”料金プランである「Rakuten最強プラン」がある。
7日の説明会は、新卒で入社したという同社のスタッフ2人によるプレゼンテーションで始まった。プレゼンテーションと言っても、その内容は、2人が学生時代の携帯電話の利用のきっかけを振り返るという会話劇のようなスタイル。
新サービスや新料金など、企業が新たな取り組みを発表する場面では、経営幹部、あるいはその施策の開発・運用をリードする部署の責任者が登壇するのが一般的。しかし、あえて若手2人が登壇したのは、「最強青春プログラム」がいわゆる学割に相当するものであり、当事者に近いスタッフ自身から語ることで、その魅力や重要性をわかりやすいメッセージに仕立てた格好だ。
2人の口から語られたのは、携帯電話の通信回線は、家族で同じキャリアを利用してきたということ。つまりは、1人だけ家族のグループから抜け出して、他社に乗り換えるという手続きは、ユーザーにとってはハードルになっているということでもある。
これは、第4の新興携帯電話会社である楽天モバイルが、いかに割安だとアピールしたとしても、新規ユーザーに選んでもらえるきっかけがなく、「選択肢」になっていなかったという現実につながっていた。
2人のプレゼンテーションのあとには、楽天モバイルの中村礼博マーケティング企画本部長と西村優サービス企画推進部長が登場し、質疑応答に応えた。
――割引ではなくポイント還元になった理由は?
西村氏
率直に言えば、楽天グループの強みは楽天ポイントだからです。ポイントを還元することで楽天のサービスを利用していただきたいと考えました。
今後、値引きする可能性もありますが、現時点ではポイント還元としました。
――選択肢になっていなかったとのことだが、先日、家族向け割引の「最強家族プログラム」が導入されている。さらに学割となる「最強青春プログラム」を取り入れる理由は?
中村氏
従来から家族向け、学生向けの施策を検討してきました。そこで、「できたもの」から順に発表することになりました。決して、「最強家族プログラム」の利用状況を踏まえたわけではなく、当初の計画通り、発表できる準備が整ったため、今回に至ったということになります。
――Rakuten最強プランは、3GB、3GB~20GB、20GB以上で料金が異なる。一方、「最強家族プログラム」は110円引き、「最強青春プログラム」は110ポイント還元で一律になっており、通信量が多いほど割引率といったものが下がる。このしくみに理由はあるのか。
西村氏
もともと無制限、使い放題の料金が他社さんよりも圧倒的に安いプランで、その上で割引しております。そもそも安いところで、今回は若い方を応援しようというコンセプトですので、いったん一律にしております。
――ARPU(ユーザー1人あたりの売上高)への影響は?
中村氏
ポイント還元ですので、直接的な影響はありません。ただし、PL(損益計算書)には影響があります。今回のプログラムで契約数の獲得増を見込んでおりますので、トータルではプラスになると考えております。
――楽天モバイル回線を子供に利用させたい場合を考えると、子供向けの携帯電話端末を用意する考えはあるのか。
中村氏
現時点では未定という回答になるのですが、個人的にもひとりの親ですので共感するところはあります。今後、お客さまから声が増えることもあるでしょうから、検討していきたいです。
――子の通信量を20GBまでにする、と制限するしくみを導入する考えはあるのか。
中村氏
こちらも、今後の選択肢としたいです。
――他社だと11月、12月から学割は始まっているが、なぜ3月の発表になったのか。
中村氏
他社さんは毎年実施されていることを今回、初めて楽天モバイルは導入しました。恒常的な施策になりますが、次に活かしたいです。
――1種類の料金プランということでシンプルさをアピールしてきたが、割引施策が導入されることで複雑になっていないか。
中村氏
「プログラム」としてオプションのような位置づけです。料金プランのシンプルさは損なわれていないと考えています。
――家族向け割引が好調とのことだが、導入後、どれくらい利用されているのか。今回の施策はどれくらいの契約増を期待できるのか。
中村氏
申し訳ないのですが、数値は非公表ですが、グラフでなんとなく推計いただければ……。
「最強青春プログラム」も数字は非公表ですが、勝算ありと考えて発表することになりましたので、お客さまから好評を得られるのではないかと考えています。