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KDDI、「Starlink」で8K映像を南極からリアルタイム伝送

 KDDI、KDDI総合研究所と情報・システム研究機構 国立極地研究所(極地研)は、13日、南極昭和基地とKDDI総合研究所本社の間で、Starlink衛星通信回線を用いた8K映像のリアルタイム伝送実証実験に成功したと発表した。

昭和基地周辺から8K映像を伝送する観測隊員

 Starlinkを活用すると、昭和基地周辺で高速かつ低遅延なネットワークを利用できる。また、Starlinkのユーザーターミナル(アンテナ)は可搬性があるため、より広範囲での作業にも活用できる。

Starlinkアンテナ設置の様子
映像品質比較(左:8K映像、右:2K映像)

 KDDI総合研究所と極地研は2022年11月11日、インテルサット衛星通信を活用し、南極域としては世界で初めて8K映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功している。

 今回の実験の成功により、インテルサット衛星通信用アンテナがある昭和基地周辺だけでなく、離れたところに観測に行った際の業務環境改善や作業効率化などが期待される。

 また、スマートフォンを活用した8K映像のリアルタイム伝送システムの有用性検証や課題の抽出・改善を行い、世界中どこからでも利用可能とすることで、社会インフラの保全ならびに強靭性確保に貢献するという。

 今回の実験では、昭和基地において、「VistaFinder Mx」を搭載したスマートフォンで映像を撮影・圧縮し、衛星通信回線を通じて伝送した。

 「VistaFinder Mx」は、KDDI総合研究所が開発した8K映像のリアルタイム伝送が可能な遠隔作業支援システム。国際標準の映像符号化方式H.265/HEVCコーデックを搭載している。

 伝送した映像は、KDDI総合研究所に設置した受信システムで受信・伸長し、8K映像としてモニター表示するとともに、安定した映像品質を維持できることを確認した。

 KDDIは、この実証実験の様子を26日から29日までスペイン・バルセロナで開催されるモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2024」のKDDIブースで紹介する。