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NTTとノキア、IOWN活用でダイナミックに基地局制御の経路を変えられる実験に成功

 NTT(持株)は、ノキア(Nokia)とともに、携帯電話基地局のアンテナとその制御装置を結ぶ通信路(モバイルフロントホイール)で、IOWNを使った動的な経路変更の実証に成功した。

 実証では、アンテナ(RU、ラジオユニット)と制御装置(DU、ディストリビューテッドユニット)の距離がより長距離になっても正常に動作し、遅延も抑えられることがわかった。

 発表によれば、RUとDUの距離は一般的に7km以下が多い。その分、DUに集約できるアンテナの数が限られることになる。また、その経路に使われる回線も固定された光ファイバーが主流で、1対1でRUとDUが繋がっていることになる。

 IOWNのオールフォトニクスネットワーク(APN)を今回、用いたことで、25kmという距離でも信号を伝えて正常に動作。遅延も133マイクロ秒(μsec)と、業界標準既定の許容遅延時間の160μsec以下であることを確認した。

 これにより、もし「アンテナ―制御装置」の経路の途中で故障し、別の経路に迂回し、信号がより長い距離を通ることになったとしても、通信サービスを維持しやすくなる。

 また、遅延が133μsecという結果をもとに、最大距離約30kmまでの長距離伝送が可能であることが机上で確認できた。

 実証実験においてNTTは、5Gモバイル通信で必要な機器と、テスト環境を提供した。Nokiaは、IOWN APN機器である「Flexible Bridge」、「APN-T」、「APN-G」、「APN-I」を提供した。

 今後は、RUとDUの間での障害を再現し、その環境下でも通信サービスを維持できるかの実証実験に取り組む。また、日中と夜間のユーザー数やトラフィック量の変動に応じて電力効率の高いモバイルネットワークの実証実験にも取り組むとしている。