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グーグルの生成AI「Bard」は「ChatGPT」より悪用されやすい? 海外企業の調査

 米国やイスラエルに拠点を置くチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(Check Point Software Technologies)は、グーグル(Google)の生成AI「Bard」について、OpenAIの対話型AI「ChatGPT」との比較分析結果を発表した。

 同社による分析では、「Bard」は「ChatGPT」よりも悪用される可能性が高いという。

 今回の比較分析では、「Bard」「ChatGPT」において、悪意のあるコンテンツを生成できるかどうかを確かめた。

 結果として、「Bard」ではフィッシングメールの文面やランサムウェアの基本的なコード、キーロガーマルウェア(コンピュータのキーストロークを監視・記録するツール)が作成された。

 単純なリクエストに対しては「Bard」「ChatGPT」の両方が拒否した一方で、リクエストを具体化するなどの異なるアプローチをとった結果、「Bard」のほうが“より協力的”になったという。

フィッシングメールの例を求めるリクエストに対し、「ChatGPT」は拒否
一方、「Bard」では特定の金融サービスを装う例が提示された

 同社では、「Bard」の機能を用いた悪意あるコンテンツの生成は、「ChatGPT」と比べて大幅に容易であると分析。「Bard」における制限は、「ChatGPT」が始動した数カ月前の段階での制限と類似しており、今後の制限強化が望まれるとしている。