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詐欺報告件数が過去最高に、証券会社かたるケース急増 フィッシング対策協議会

 フィッシング対策協議会は、2025年3月のフィッシング詐欺の動向を公開した。報告されたフィッシング詐欺件数は海外含めて24万9936件にのぼった。証券会社をかたるケースが増えているとして注意を呼びかけている。

 3月に報告されたフィッシング詐欺件数は24万9936件で、前月から10万8713件増加し過去最高数となった。類似する文面のフィッシングメールが大量に届いているほか、迷惑メール対策をすり抜けていることなどが原因として考えられるという。

 報告数全体に占める割合は、EC系をかたるものが約39.6%、クレジット・信販系が約27.8%、航空系が約6.5%、決済系の約5.6%と続いた。証券会社をかたるものも約4.1%と決済系に次いで多く、口座が乗っ取られた結果、勝手に取引をされて損失を被るなどの被害が確認されている。証券会社が送信した注意喚起のメールがコピーされ、詐欺メールが送られることもあった。

 ブランドとしては、アマゾンをかたるものが最も多く全体の約22.5%を占めた。また、アップルの新型「iPhone」が発売された直後にはアップルをかたる詐欺なども増加したという。

 フィッシングサイトのURL件数は5万1735件で、前月比で約2.3倍と大きく増加した。Google翻訳のURLをリダイレクト元として悪用するケースが増えており、URL件数(重複なし)の16.3%ほどを占めた。

 同協議会では、フィッシング詐欺防止としては、詐欺サイトでは機能しないため「パスワードマネージャー」が有効として、利用を呼びかけている。