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アップル、今秋のアップデートでAirDropなどでプライバシー保護を強化――デバイスを近づけて共有するNameDropなど

 アップル(Apple)は、iOSやmacOSにおけるプライバシーに配慮された新機能を発表した。今秋配信予定のソフトウェアアップデート「iOS 17」「iPadOS 17」「watchOS 10」「macOS Sonoma」で提供される。

プライバシー保護が進化

ブラウザ「Safari」

 ブラウザ「Safari」では、ユーザーをトラッカー(追跡者)やデバイスへの不正アクセスから保護する機能で、さらなる進化が図られる。

 また、プライベートブラウズ機能ではユーザーがしばらく使っていない場合に自動でロックがかかるようになる。これにより、ユーザーが席を外す場面でもタブを開けたままにしていてもプライバシーが保護される。

写真のプライバシー保護

 アプリがデバイスの写真を参照する際、これまでもユーザーに写真全体を許可するか一部を許可するかを選択できたが、このダイアログが進化し、「何が共有されるか」を具体的に情報が表示されるようになった。

 これらのダイアログは、一度許可した後も定期的に表示され、ユーザーに権限の見直しを促す。

URLの追跡情報を削除

 Safariでのプライベートブラウズ中やメッセージ、メールなどで共有されるURLから、ユーザーを追跡する情報を削除する機能が追加される。この機能をオンにしても、リンクは正しく機能するという。

ユーザーの安全性向上に関する機能

子供の安全を守る機能

 メッセージで裸体を含む写真を送受信する際に警告を出す機能が、静止画のほか新たにビデオコンテンツをサポートするようになる。

 メッセージ以外でもAirDropやFaceTimeビデオなどでもこの機能が利用できる。警告を出す場合、画像やビデオ処理はデバイスの中だけで行われるので、アップルを含めこれらのコンテンツにはアクセスできないようになっている。

センシティブなコンテンツの警告

 子供だけでなく、大人のユーザーにも、第三者がAirDropなどを悪用してセンシティブなコンテンツを送りつけてくる場合がある。

 アップルでは、成人ユーザーがメッセージやAirDrop、FaceTimeビデオなどで望まないヌード写真やビデオを受信した際に、それらが表示されないよう警告を出す機能を搭載する。

 なお、送信される写真やビデオの処理は、デバイスの中だけで行われるので、第三者がデータにアクセスすることはない。

パスワード共有が簡単に

パスワード共有が簡単に

 パスワードとパスキーの共有が安全かつ簡単に行えるようになる。

 パスワードをほかのユーザーと共有する場合、パスワード一式を共有するグループに招待できる。グループに加入したユーザーは、常に最新のパスワードを追加/編集できる。

 パスワードのグループは、iCloudキーチェーンを通じ共有され、エンドツーエンドでの暗号化により安全にパスワード共有ができる。

AirDropは端末を近づけるだけで簡単に

 このほか、watchOSのロックダウンモードサポートや、目的地への到着を知らせたり異常事態発生を検知して通知する「安否確認」機能、留守番電話をリアルタイムで文字起こしし、必要時に電話をすぐに取れる「ライブ留守番電話」機能などが搭載される。

 また、AirDropのように情報を共有できる新機能「NameDrop」機能が搭載される。ユーザーのiPhone同士を近づけて、意図した受信者とだけ連絡先情報を共有できるほか、重要な情報や共有したくない情報などを選択して共有できる。

 NameDropでは、Apple Watch同士でも連絡先情報を共有できるほか、写真やリンクなどのコンテンツも共有できる。