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KDDI、5G SAで通信環境に応じて品質保証するネットワークスライシングの実証に成功

 KDDIは、韓国サムスン(Samsung Electronics Co., Ltd.)と協力し、5G SA商用基地局で、SLA(Service Level Agreement)保証型のネットワークスライシングのフィールド実験に成功した。

 両社は、O-RAN ALLIANCEが規定するRIC(RAN Intelligent Controller)からの指示にもとづき、通信環境の変化に応じて必要なリソースをリアルタイムに提供し、SLAに準じた通信要求に応じる仕組みを開発した。

 KDDIによると、商用基地局でRICを活用したSLA保証型ネットワークスライシング実証の成功は世界初という。

実証実験の背景

 これまでの通信では、通信品質を保証しないベストエフォート型が一般的だったが、高画質映像のライブ配信などを実現するにあたり、5G SAを活用した高速かつ低遅延な通信を安定的に提供することが求められ、5G SAにおけるSLA保証型のネットワークスライシングに期待が高まっている。

 SLA保証型のネットワークスライシングの提供により、映像転送用のスライスとエンタメ用のスライスを別々に割り当てし、用途にあわせた通信品質でのサービス提供などを可能にする。

 KDDIでは、2020年9月にエンド・ツー・エンドで品質保証や低遅延などのネットワークスライスを複数・同時生成することに世界で初めて成功した。

実証実験について

 今回の実証実験では、RICを通じて端末単位の通信品質を監視する機能や、要求品質に応じて無線リソースを制御する機能を追加することで、通信品質が変動する状況や、通信要件が異なる複数のスライスが存在するような商用環境下でも、各端末のSLA保証を実現する仕組みを実装した。