ドコモ、空中に映像を映し出す「羽根のないプロジェクションドローン」を開発

　NTTドコモは、プロジェクターで映像を投影して飛行する新型のドローン「羽根のないプロジェクションドローン」を開発した。同社が2021年に開発した「羽根のないドローン」を改良したもの。

羽根のないプロジェクションドローン

　「羽根のないドローン」は、プロペラなどを用いることなく飛行する、屋内向けの飛行船型ドローン。ヘリウムガスが充てんされた風船の浮力で浮遊し、「空気ポンプ」として動作する超音波振動モジュールが推進力を生み出して空中を移動する。

超音波振動モジュール

　超音波振動モジュールは微小な振動で動作するため安全性が高く、機体の飛行時に生じる音も小さいため、イベントや商業施設などの人が集まる場所での飛行に適している。

　今回開発された「羽根のないプロジェクションドローン」は、ドローン本体が透明なフィルムの風船になっており、機体に搭載された小型のプロジェクターが本体に映像を投影して飛行する。本体の推進力が向上したことで安定した飛行ができるほか、投影する映像をリアルタイムに伝送することが可能だという。

映像投影前の機体

　この新型機体は、イベントや商業施設などの人が多く集まる場所において、機体の表面にさまざまな映像を表示しながら飛行し、新しい空間広告や空間演出を実現するとしている。

プロジェクションマッピングとの組み合わせ

　同社は2019年に「羽根のないドローン」の初号機を開発。その後の2021年には高解像度の撮影ができる新型機体を開発している。今後も社会課題の解決や豊かな社会の実現を目指し、ドローンへの取り組みをさらに進化させていくという。