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スマホでマイナンバーカード、いったい何が便利になるの? 政府が掲げる5つの方針とは

 政府は、スマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載する計画について、今年度中にAndroidスマートフォンへの搭載実現を目指し、iPhoneへの搭載についても早期実現を目指している。

 スマートフォンに機能を搭載することで、「公的個人認証サービスのユースケースの拡大」を促進し、「安心で安全な本人確認等の手段」として、日常のさまざまなシーンでマイナンバーが利用される社会の実現を目指すという。

 スマートフォンでマイナンバーカードの機能が利用できるようになると、いったい何が便利になるのだろうか? 本稿では、政府が発表した5つの基本方針をあらためてご紹介する。

スマートフォンひとつで、さまざまなサービスを利用できるように

 基本方針1は、「スマホひとつで、様々な手続やサービスが利用可能」というもの。

 たとえば、マイナンバーカードを読み取ることなくマイナポータルにログインできるようになり、保育施設の利用申込みや給付金の申請などを、時間や場所を問わず行えるようになる。

 さらに今後は、スマートフォンを持ってさえいれば、健康保険証やマイナンバーカードを提示しなくても医療機関を受診できるようにすべく、システム改修などが予定されている。

役所の窓口に行かなくても済むしくみ

 基本方針2は、「オンラインで簡単にスマホに搭載」。

 マイナンバーカード用の電子証明書は、自治体窓口を訪問して発行を申請する必要がある。たとえば仕事が忙しい人の場合、時間を捻出しようとしているうちに、申請を忘れてしまった……というケースもあるかもしれない。

 これが、スマートフォン用の電子証明書になることで、自治体の窓口に行かなくても、オンラインで手続きが完了する。夜間や早朝の発行申請にも対応し、時間に制約がある人にとってはうれしいしくみと言えるだろう。

スマートフォンならではの強みを活かす

 基本方針3は、「スマホならではの使いやすいUX」。たとえば、生体認証などの活用が挙げられる。

 スマートフォン利用時のセキュリティ向上のため、指紋認証などの生体認証を日ごろから使っている人は多いはずだ。

 先述のスマートフォン用電子証明書を利用する際、4桁の数字で設定されているパスワードについて、これを生体認証で置き換えられるようにする。指を当てれば認証が完了するため、パスワードを忘れて冷や汗をかいていた人もこれで一安心……? かもしれない。

セキュリティの強化を図る

 基本方針4は、「安全・安心に利用できる高いセキュリティ」。

 スマートフォン用電子証明書の領域は、端末ののICチップ内に独立した専用領域として確保されるようにするなど、技術的基準の規定の内容が想定されている。

 また、スマートフォンの機種を変更した場合などを想定し、悪用防止策として「リモート削除」機能の実装も計画されている。

持続的なサービス提供に向けて

 基本方針5は、「グローバルスタンダードに対応」となっている。

 政府は、幅広い種類のスマートフォンでサービスを利用できるよう、国際標準である「グローバルプラットフォーム(GlobalPlatform)」に準拠させる方針を示している。

 また、技術動向の変化への的確な対応が重要であるとして、スマートフォンメーカーや携帯事業者など、関係事業者との協力体制を構築するとしている。